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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/noguchi (25)

  • トランプはなぜあれほど強かったのか──経済政策でもたらした最大のインパクトとは

    トランプ政権の経済政策は、財政赤字に対するアメリカ人の常識を覆した...... REUTERS/Tom Brenner <アメリカの有権者の多くは、トランプの「人格」に対しては眉をひそめていたにしても、少なくともトランプ政権の経済的な実績に関しては一定の評価を与えていた。トランプが経済政策面でもたらした最大のインパクトとは......> 現職の共和党候補トランプと民主党候補ジョー・バイデンとの間で争われた2020年の大統領選は、バイデンの勝利で終わり、トランプ政権は1期4年でその幕を閉じることになった。トランプの再選が叶わなかった最大の敗因は、明らかに、2020年から始まったコロナ禍にあった。トランプ政権は感染拡大の初期段階から、新型コロナの感染拡大を軽視し、積極的な防疫の必要性を否定し続けた。その結果、感染者数と死者数の双方において、アメリカは世界最悪の感染国になってしまったのである。

    トランプはなぜあれほど強かったのか──経済政策でもたらした最大のインパクトとは
    maturi
    maturi 2020/11/25
    ”実際、トランプ政権の4年間に、共和党はすっかりトランプ派の巣窟になってしまったのである。”
  • 学者による政策提言の正しいあり方──学術会議問題をめぐって

    <日学術会議の最大の問題は、科学的観点のみによっては合意不可能であるはずの政策的な判断を、あたかも専門家による科学的観点からの総意であるかのように装って一般社会に提示している点にある...... > 菅義偉政権が誕生して一ヵ月にもたたないうちに、思いもよらない騒動が巻き起こった。それは、日学術会議が決めた新会員候補のうちの6人の指名を政府が拒否したという、いわゆる学術会議問題である。この問題が明らかになって以来、メディアやネットでは、この政府の対応の是非をめぐる論議が拡大し続けている。 筆者は、政府に就任が拒否された6人の方々の学問的な業績や政治的な立場については、ほとんど何の知識も持っていない。したがって、この政府の判断それ自体に関しては、筆者は是とも非とも言うことはできない。にもかかわらず筆者がここで私見を述べる必要があると考えたのは、この問題が「一般社会に対する専門家の政策的な発

    学者による政策提言の正しいあり方──学術会議問題をめぐって
    maturi
    maturi 2020/10/22
    リフレ
  • ピケティはマルクスを超えられるか──映画『21世紀の資本』を考察する

    ピケティが自らの主著を映画化したその意図は何だったのか (C)2019 GFC (CAPITAL) Limited & Upside SAS. All rights reserved <ピケティの最終的な目的は、明らかに政策実現にあった。この映画は、ピケティ主義の啓蒙的宣教のための手段であり、ある種のプロパガンダである...> 新型コロナ感染拡大によって公開が中止されていた、トマ・ピケティによるベストセラー『21世紀の資』に基づくドキュメンタリー映画が、5月末より再公開された。日でも数多くの読者を獲得したこのの内容それ自体については、改めて論評する必要もないであろう。稿では、その内容の是非についてではなく、ピケティはそれを映画化することでいったい何を意図したのか、そしてその企画意図はどこまで果たされたのかを、筆者が考える意味での経済政策学の観点から考察してみたい。 この経済政策学と

    ピケティはマルクスを超えられるか──映画『21世紀の資本』を考察する
    maturi
    maturi 2020/07/18
    今週のリフレ派論 ”実現のハードルは現時点ではきわめて高いが、政策思潮というものはしばしばオセロのように急転換してきた事実を思い起こせば、決して不可能とはいえないのである。”
  • 日本経済は新型コロナ危機にどう立ち向かうべきか

    <新型コロナ危機、東京オリンピック延期へのあるべき経済政策を考える。そして、「政策の是非を判断するための思考枠組み」を明確化する......> 世界は現在、まさに新型コロナ危機によって覆い尽くされている。幸いなことに、中国以外では最も早く感染事例が報告された国の一つであった日では、少なくとも現在までのところ、その後の一部欧米諸国のような社会全体での爆発的な感染拡大は生じていない。しかし、その日でも、旅行業、飲業、レジャー産業、スポーツや音楽等のエンターテイメント産業等が典型であるように、それに伴う深刻な経済活動停止状況が生じている。その負の影響は累積的に拡大しつつあり、否応なく経済全体に及び始めている。 この状況をこのまま放置できないことは、誰の目からみても明らかである。実際、政府は既に何弾かの緊急経済対策を打ち出している。また、政治の世界では、与野党を問わず、さまざまなレベルの大小

    日本経済は新型コロナ危機にどう立ち向かうべきか
    maturi
    maturi 2020/03/25
    ”「一度引き下げた消費税率をどうやって再び引き上げるのか」というありがちな減税反対論に対しては、簡単に答えを返すことができる。それは要するに、「2%インフレ率が達成されるまで」である。”
  • MMT(現代貨幣理論)の批判的検討(6完)─正統派との共存可能性

    ●これまでの記事はこちら <モズラーによって発見されたMMTの中核命題や、それに基づく会計分析それ自体は、必ずしも正統派と共存不可能ではない......> 経済学派としてのMMTの一つの大きな特徴は、自らを正統派と対峙する異端派として位置付け、現代の主流派マクロ経済学を全体として拒絶している点にある。その主流派ないし正統派としてMMTの主な批判となっているのは、新しい古典派マクロ経済学というよりは、ニュー・ケインジアンによるNMC(新しい貨幣的合意)である。これは、現代のマクロ経済政策とりわけ金融政策に理論的根拠を提供しているのが、もっぱら広義のニュー・ケインジアン経済学であるという事情を反映している。 MMT派はまた、新古典派的総合の系譜にある新旧のケインジアンを亜流ケインジアン(Bastard Keynesian)と呼び、彼らと対峙し続けてきたジョーン・ロビンソンやハイマン・ミンスキー

    MMT(現代貨幣理論)の批判的検討(6完)─正統派との共存可能性
  • MMT(現代貨幣理論)の批判的検討(5)─政府予算制約の無用論と有用論

    ●これまでの記事はこちら <MMTとヘリコプター・マネー論は、しばしば混同されるものの、基的に似て非なる政策戦略である......> MMTによれば、現代の主流派マクロ経済学の大きな誤りの一つは、「政府の赤字財政支出は、希少な民間貯蓄を奪い、利子率を引き上げ、民間投資をクラウド・アウトする」と論じている点にある。MMTはそれに対して、政府の赤字財政支出は、それ自身が民間にとっての資産(貯蓄)となるので、民間投資のクラウド・アウトは原理的に生じないと主張する。これは、赤字財政は原則的に許容されるべきというMMTの結論を支える一つの大きな論拠となっている。 連載(4)で検討したように、正統派からみたこの議論の問題点は、MMTが政府の赤字財政支出を基的に金融的な側面でのみ捉えており、財市場に与える影響を考慮していないところにある。というのは、民間投資のクラウド・アウト、金利上昇、インフレの

    MMT(現代貨幣理論)の批判的検討(5)─政府予算制約の無用論と有用論
    maturi
    maturi 2019/08/15
    正統派の多くは「家計と政府はその度合いが大きく異なるとはいえ、時間的視野を無限大にまで引き延ばした時には、供給制約の有無にかかわらず、政府にも予算制約は存在する」と考える。確かに、政府の予算制
  • MMT(現代貨幣理論)の批判的検討(4)─クラウド・アウトが起きない世界の秘密

    ●これまでの記事はこちら <MMTは「政府財政は景気循環を通じて均衡する必要すらない」と結論しているが、それがどのような推論から導き出されるのかを検討する......> その主唱者たちによれば、MMTの目的は、主流派マクロ経済学という「歪んだメガネ」によって生み出された財政と金融に関する誤った観念を排し、それをMMTから得られる正しい把握に置き換えていき、それを通じてマクロ経済政策を正しい方向に導いていくことにある。MMT派の教科書Macroeconomicsの第8章では、そのMMTによって駆逐されるべき主流派の誤謬(Mainstream Fallacy)として、以下の9つの命題が掲げられている。 誤謬その1:政府は家計と同様な「予算」の制約に直面している。 誤謬その2:財政赤字(黒字)は悪(善)である。 誤謬その3:財政黒字は一国の貯蓄を増加させる。 誤謬その4:政府財政は景気循環を通じ

    MMT(現代貨幣理論)の批判的検討(4)─クラウド・アウトが起きない世界の秘密
  • MMT(現代貨幣理論)の批判的検討(2)─貨幣供給の内生性と外生性

    <現在、世界および日の経済論壇において、賛成論と反対論の侃々諤々の議論が展開されているMMT。その内実を検討する......。第二弾> ●前回の記事はこちら:MMT(現代貨幣理論)の批判的検討(1)─政府と中央銀行の役割 MMT(現代貨幣理論)の主唱者たちによれば、彼らがその理論を提起した大きな目的は、これまでの「正統派」によって作り上げられてきたマクロ経済に対する「ものの見方」あるいは「思考枠組み」を根底から覆すことにある。彼らは、その既存の視角は、堅牢で強固なものであるかのように装ってはいるが、実際には現実の経済を大きく歪めて見せる、いわば「歪んだレンズ」のようなものであるという。それに対して、MMTは現実の姿をありのままに見せる「歪みのないレンズ」であるというのが、彼らの自負である。 そうしたMMTからの批判に対して、「正統派」の側からは果たしてどのような反論が可能であろうか。その

    MMT(現代貨幣理論)の批判的検討(2)─貨幣供給の内生性と外生性
    maturi
    maturi 2019/07/31
    https://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2002/kk0201b.htm/”ベースマネーをあるレベル以上コンスタントに増やす、例えば15%以上という伸び率を9か月とか1年半やって、そうしていけば必ず効果は出ると私は”(中原伸之)
  • MMT(現代貨幣理論)の批判的検討(1)─政府と中央銀行の役割

    <現在、世界および日の経済論壇において、賛成論と反対論の侃々諤々の議論が展開されているMMT。その内実を検討する......> 消費増税を含めた財政をめぐる論議が続く中で、MMT(現代貨幣理論)に注目が集まっている。7月中旬には、その主唱者の一人であるステファニー・ケルトン(ニューヨーク州立大学教授)が来日し、講演や討論を行い、昨今のMMTブームを反映するかのように大きな盛り上がりを見せた。その模様は一般のマスメディアでも幅広く報じられた。 MMTの生みの親であるウオーレン・モズラーのSoft Currency Economics II序文によれば、その最初の契機は、国債トレーダーを経て証券会社の創業者となったモズラーが、1990年代初頭に当時「財政危機」が喧伝されていたイタリア国債の売買を行った時に得た一つの「発見」にあった。その把握が、それ以前からポスト・ケインジアンの一部に存在して

    MMT(現代貨幣理論)の批判的検討(1)─政府と中央銀行の役割
    maturi
    maturi 2019/07/25
    約60%一致(井上智洋) ”MMTはヘリコプターマネーの一種であるかのごとく紹介されている。しかし、MMTとミルトン・フリードマンからバーナンキに至るヘリコプターマネー論とでは、その論理構造がまったく異なる”
  • 増税があらゆる世代の負担を拡大させる理由 | 野口旭 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    <増税論をめぐっては、政府債務の将来世代負担論がしばしば主張されるが、赤字財政政策は状況によっては将来負担を減少させる場合さえあることを明らかにする> 稿は「財政負担問題はなぜ誤解され続けるのか」(2018年12月10日付)の続編である。この前稿では、「政府債務は必ず将来世代にとっての負担となる」という一般的通念が経済学的には誤りであることは、最も幅広く読まれてきた経済学の教科書にさえ銘記されていることを確認した。にもかかわらず、そのような政府債務の将来世代負担論は、政策論議の中で現在でも公然と主張されているのである。 稿ではさらに進んで、赤字財政政策はむしろ状況によっては将来負担を減少させる場合さえあること、そして赤字財政政策の負担と呼べるものが現実にあるとすれば、それは政府債務それ自体というよりは、それを縮小しようとして行われる不適切な緊縮政策によるものであることを明らかにする。

    増税があらゆる世代の負担を拡大させる理由 | 野口旭 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
    maturi
    maturi 2018/12/24
    欧州債務危機以降のギリシャの苦難とは、もっぱら急激な緊縮財政による失業の増加と所得の減少によるものであって、過去の赤字財政による「負担」ではまったくない。
  • 財政負担問題はなぜ誤解され続けるのか | 野口旭 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    <増税論にとっての最後に残された切り札のような役割を果たしてきた、政府債務の将来世代負担論。「政府債務はどこまで将来世代の負担なのか」。改めて以前とは異なったアプローチで説明を試みてみる> 安倍政権はこれまで、消費税の8%から10%への引き上げを2回延期してきた。それを再度延期するのか、それとも予定通りに2019年10月に実施するのかを決めるタイム・リミットが迫る中で、増税派と反増税派双方の訴えかけが再び熱を帯びつつある。 2018年12月に発売された『別冊クライテリオン:消費税増税を凍結せよ』には、藤井聡内閣官房参与、山太郎参議院議員、岩田規久男前日銀副総裁など、これまで反緊縮の立場から発言をしてきた主要な論者の多くが寄稿している。それぞれの寄稿者たちの政治的スタンスは、保守派からリベラル派、安倍政権支持派から批判派にいたるまで、文字通り千差万別である。にもかかわらず、「現状は何よりも

    財政負担問題はなぜ誤解され続けるのか | 野口旭 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
    maturi
    maturi 2018/12/24
    歴史家マコーレイによる1世紀前の論述を引用。 その負債がふえていく毎に、賢者達は破産と破局が目前に来ていると本気になって主張した。負債はふえる一方で、にも関わらずか破産や破局の徴候は一向に見受けられな
  • 数十年ぶりに正常化しつつある日本の雇用

    <アベノミクスによって需要不足がほぼ解消されたことで、社会全体の生産可能性の拡大が、実質賃金の増加という形で、人々の厚生にそのまま結びつき始めた...> 日の賃金上昇が、ここにきてようやく格化し始めた。厚生労働省の毎月勤労統計によれば、5月の現金給与総額は15年ぶりの伸びである前年比2.1%増となり、6月のそれは21年5カ月ぶりの3.6%増となった。これは、この5年半に及ぶアベノミクスの結果、日経済が1997年4月の消費税増税による経済危機を契機として始まった賃金・物価の下方スパイラルからようやく抜け出しつつあり、賃金が労働生産性の上昇を反映して増加するような「正常な成長経路」に復帰しつつあることを示唆している。 ブルームバーグ2018年7月9日付の記事「15年ぶり賃金上昇、人手不足続く」に掲載されている「賃金・雇用・生産性12チャート」には、この5年半のアベノミクスによって、日

    数十年ぶりに正常化しつつある日本の雇用
    maturi
    maturi 2018/09/01
    やったぞアベノミクス
  • 世界が反緊縮を必要とする理由

    <現在の世界経済を貫く経済政策上の基的な対立軸は、もはや政治イデオロギーにおける右や左ではなく、「緊縮vs反緊縮」である...> 経済論壇の一部ではいま、年の4月に出版された『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学』(ブレイディみかこ・松尾匡・北田暁大、亜紀書房)が話題になっているようである。 ただし、ネット上の書評などをぱらぱらと見てみると、その受け取られ方は必ずしも好意的なものばかりではない。むしろ、このに関する書評や論評に関して言えば、長々と書き連ねているものほど辛辣な内容で埋め尽くされていることが多い。そして、そうした執拗な批判の書き手は、明らかに右派ではなくて左派である。 同書がこのように、左派的な読者の一部から強い反発を受けている理由は明白である。それは要するに、同書が、左派的な人々が蛇蝎のように嫌っている現在の安倍政権の経済政策すなわちアベノミクスを

    世界が反緊縮を必要とする理由
    maturi
    maturi 2018/08/04
    "アベノミクス;「金融緩和プラス拡張財政」というその骨格的な部分" ”世界的貯蓄過剰仮説”
  • なぜ「構造改革論」が消えたのか

    <日の経済論壇をかつて支配した構造改革主義の政策命題が、現実そのものによって反証された> 日経済に長期不況が定着しつつあった1990年代末から2000年代初頭の経済論壇を席巻したのは、何よりも「構造改革論」であった。テレビでは当時、ダウンタウンの松人志が缶コーヒーを手にしながら「構造改革のキモは改革を構造することではなくて構造を改革することやね」としたり顔で語るコマーシャルがよく流されていた。そうした他愛もない禅問答のようなセリフを単なるシャレでなくて深い意味があるかのように勘違いさせてしまうような空気が、当時は確かにあった。 ところで、筆者は以前のコラム「黒田日銀が物価目標達成を延期した真の理由」(2016年11月25日付)の中で、黒田日銀が2%インフレ目標の達成を実現できずにいるのは、2014年4月に実行された消費税増税による予想外の消費減少という問題以上に、実際の完全雇用失業率

    なぜ「構造改革論」が消えたのか
    maturi
    maturi 2018/06/03
    黒田日銀が2%インフレ目標の達成に時間を要しているという事態は、必ずしも悪いことばかりではない。「日本の実際の完全雇用失業率=構造的失業率は予想以上に低かった」ことの現れであり、また、日本経済には
  • 消費税増税による消費低迷が長引く理由

    <これから再び大きな国民的論議の的になっていくであろう消費税増税。あえてこれまでの消費税増税の影響を検証する> 日ではこれまで、1989年4月、1997年4月、2014年4月と、3回の消費税増税が実行された。そして、2019年10月には、4回目のそれが予定されている。それを当に予定通り実行すべきか、あるいは再度延期すべきかは、これから再び大きな国民的論議の的になっていくであろう。 これまでの消費税増税を振り返ると、1989年のそれは、まさにバブルの最中に行われたということもあり、景気への悪影響がほとんど見られなかった。それに対して、1997年と2014年のそれは、きわめて顕著な負のショックを経済にもたらした。1997年の増税は、戦後最大の経済危機をもたらし、その後の長期デフレーションをもたらした。直近の2014年のそれは、1997年の時のような深刻な景気後退にはつながらなかったが、それ

    消費税増税による消費低迷が長引く理由
  • アベノミクスが雇用改善に寄与した根拠(4ページ) | 野口旭 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    <アベノミクスをどう評価するかが、今回の衆院選の争点の一つになっている。日の雇用状況がアベノミクスの発動を契機として顕著に改善したことは明らかであるが、批判的な論者は、そう考えてはいない。真実は果たしてどちらにあるのか> 解散総選挙によって、これまでの安倍政権の4年半にわたる経済政策すなわちアベノミクスをどう評価するのかが、改めて争点の一つになっている。 第2次安倍政権が、持続的な景気回復を曲がりなりにも実現させてきたことについては、政権側も政権批判側もほとんど異論はないであろう。確かに、アベノミクスが来その目標としてきたはずのデフレ脱却は、未だに完遂されてはいない。しかしながら、バブル崩壊後の1990年代以来20年間以上にわたって続いてきた日経済の収縮トレンドからの反転は、この4年半の間に着実に実現されてきた。それはとりわけ、雇用についてより明確にいえる。 日の完全失業率は、19

    アベノミクスが雇用改善に寄与した根拠(4ページ) | 野口旭 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
    maturi
    maturi 2017/10/14
    市場が「実際の政策に先んじて」動き始めるとすれば、それこそがまさに、金融政策のあり方が将来的に根本的に変わるという「政策レジーム転換」の最も明白な証拠と考えられるのである。
  • 雇用が回復しても賃金が上がらない理由

    <現在の日経済は、一定の景気回復によって雇用は改善したにもかかわらず、未だ十分な名目賃金上昇が実現されていない。その理由は何か。そして、今後の経済政策で重要なことは何か> 日経済は現在、深刻な人手不足に直面しているかのように言われている。確かに、今年に入って、完全失業率はバブルが崩壊して以来久しく見ることが出来なかった2%台にまで低下した。有効求人倍率にいたっては、バブル期のそれを飛び越えて、高度成長の余韻が残っていた1970年代初頭の水準にまで改善した。 そうした中で、パートやアルバイトなどの非正規雇用の賃金は、明確に上昇し始めている。しかしながら、正規雇用も含めた就業者全体の賃金上昇トレンドは、未だにきわめて弱々しい。 日の就業者の平均的な名目賃金すなわち額面上の賃金は、バブル崩壊後もしばらくは上昇し続けていたが、消費税増税を発端とする1997年からの経済危機を契機に下落し続ける

    雇用が回復しても賃金が上がらない理由
    maturi
    maturi 2017/08/18
    その責はすべて、先走った消費税増税とデフレ許容的な金融政策という、この時期の政府と日銀による歪んだマクロ経済政策運営に求められるべきである。
  • 雇用が回復しても賃金が上がらない理由

    <現在の日経済は、一定の景気回復によって雇用は改善したにもかかわらず、未だ十分な名目賃金上昇が実現されていない。その理由は何か。そして、今後の経済政策で重要なことは何か> 日経済は現在、深刻な人手不足に直面しているかのように言われている。確かに、今年に入って、完全失業率はバブルが崩壊して以来久しく見ることが出来なかった2%台にまで低下した。有効求人倍率にいたっては、バブル期のそれを飛び越えて、高度成長の余韻が残っていた1970年代初頭の水準にまで改善した。 そうした中で、パートやアルバイトなどの非正規雇用の賃金は、明確に上昇し始めている。しかしながら、正規雇用も含めた就業者全体の賃金上昇トレンドは、未だにきわめて弱々しい。 日の就業者の平均的な名目賃金すなわち額面上の賃金は、バブル崩壊後もしばらくは上昇し続けていたが、消費税増税を発端とする1997年からの経済危機を契機に下落し続ける

    雇用が回復しても賃金が上がらない理由
    maturi
    maturi 2017/08/18
    日本経済は現在、おそらくそのような完全雇用点に着実に近づきつつある。というのは、地域の景況にもよるが、少なくとも非正規の労働市場では、各地で名目賃金の明確な上昇が生じ始めているからである。
  • 政府債務はどこまで将来世代の負担なのか | 野口旭 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    <増税などを早期に行って日の財政を健全化すべきという主張には、政府債務の将来世代負担論=老年世代のい逃げ論がある。今回は、その問題を考察する> 政界や経済論壇では、増税の是非をめぐる議論が再び活発化している。これまでの増税必要論の多くは、日財政の破綻可能性を根拠としていた。筆者はコラム「健全財政という危険な観念」(2017年6月27日付)において、そのような批判は基的に的外れであることを論じた。 日の政府財政が当に破綻に向かっているのであれば、そのことが国債市場に反映されて、リスク・プレミアムの拡大による国債金利の上昇が生じているはずである。しかし現実には、1990年前後のバブル崩壊以降の持続的な「財政悪化」にもかかわらず、日国債の金利は傾向的に低下し続けてきた。これは、少なくとも市場関係者たちの大多数は、日の財政破綻というストーリーをまったく信じていないことを意味してい

    政府債務はどこまで将来世代の負担なのか | 野口旭 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
    maturi
    maturi 2017/07/21
    ラーナーの議論の最も重要なポイントは、「将来の世代の経済厚生にとって重要なのは、将来において十分な生産と所得が存在することであり、政府債務の多寡ではない」という点
  • 健全財政という危険な観念

    <インフレ・ギャップが拡大してもいない中で行われる増税などの緊縮策は、1997年や2014年の日の消費税増税がそうであったように、経済を確実にオーバーキルし、時には致命的な景気悪化をもたらす> 経済の一ジャンルに、「財政破綻」とか「国債暴落」というものがある。その内容はどれも大同小異であり、債務の対GDP比などを示しながら、日の財政状況が他国と比較していかに悪いかを読者に印象付けた上で、日経済には近い将来、国債の暴落、金利の急上昇、政府財政の破綻、円の暴落、預金封鎖、ハイパーインフレなどが起きると「予言」するというものである。 こうしたの多くは、事実上は「トンデモ」に近いものではあるが、それらをすっきりと論破することはなかなか難しい。というのは、質的に同様なストーリーを語っておきながら、表面的には真面目な専門書として書かれているようなも数多く存在しているからである。さら

    健全財政という危険な観念