1月8日に東京新聞の社説が新しい国家安全保障戦略を批評する趣旨で、以下のように論じた。「戦争とは政治の延長線上にあると指摘したのは、プロイセンの軍事学者クラウゼビッツです。長年読み継がれる『戦争論』の慧眼(けいがん)に学べば、軍事的衝突は政治・外交の失敗にほかなりません」。しかしこの指摘はクラウゼビッツの慧眼とはいえない。 クラウゼビッツは19世紀のナポレオン戦争に衝撃を受け、戦争を哲学的に考察した『戦争論』を記したことで知られている。ただし彼は晩年に考えを変え、原稿を書き直そうとしたが、その前に他界し、夫人の手によって現在の戦争論が出版された。つまり戦争論は未完の書物であり、その内容は難解かつ、矛盾している箇所もある。そのため出版後、多くの軍人や政治家が自分の都合のいいように同書を解釈、実践しており、「クラウゼビッツ読みのクラウゼビッツ知らず」ともいうべき状況が生じている。上記の主張もそ
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