ブックマーク / blog.livedoor.jp/route408 (30)

  • 赤はなぜ色褪せるのか

    9月6 赤はなぜ色褪せるのか カテゴリ:有機化学構造 街を歩いていると、色あせた古い標識を見かけることがあります。 この標識は来鮮やかな赤色の矢印なのですが、ご覧の通りかなり褪色して薄いピンクのような色合いになっています。これに対し、国道のおにぎりマークや縁取りの青はまだ鮮やかさを保っています。このタイプの標識は、1995年から設置されるようになったものですので、20年ほどで赤だけがずいぶん色褪せてしまっているということになります。 このように、赤色が他の色より褪色しやすいというのは、ちょくちょくみかける現象です。ひどくなると下の写真のように、肝心なところがきれいに抜けて読めなくなったりします。大事なことは赤で書きたくなりますが、時の流れを考えるとあまり得策でないことがわかります。 さて、なぜ赤色はさめてしまいやすいのでしょうか?これは偶然ではなく、それなりの理由があります。まず赤い塗料

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    mdr52 2015/09/06
  • アントラキノンと「完璧な赤」 : 有機化学美術館・分館

    6月15 アントラキノンと「完璧な赤」 さて前回は、アントラキノン骨格を持った染料アリザリン(アカネ)について書きました。日を含め、世界各国で赤色のもととして重用された化合物です。 アカネ色素アリザリン しかしそれを上回るほどもてはやされたのが、16世紀にアメリカ大陸からもたらされた「コチニール」という染料です。これをヨーロッパに持ち帰ったのは、アステカ帝国を征服したスペイン人エルナン・コルテスでした。 コルテスの肖像(wikipediaより) コチニールは布への定着性が高く、鮮やかで深い赤色に染まるのが特徴です。ボイルの法則で知られ、化学という分野を切り拓いた一人であるロバート・ボイルは、「コチニールからは”完璧な緋色”が得られる」と絶賛しています。この色は「カーマイン」と呼ばれ、そのもととなる化合物は「カルミン酸」(carminic acid)と名付けられています。 カルミン酸。背景

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    mdr52 2015/06/15
  • まつ毛が伸びる薬・グラッシュビスタ日本上陸 : 有機化学美術館・分館

    11月22 まつ毛が伸びる薬・グラッシュビスタ日上陸 カテゴリ:医薬 「日薬局方解説書」というものをご存知でしょうか。日で用いられるあらゆる薬の詳細を解説したで、その厚さは20センチ以上にも及びます。そのくらい、医薬というものは多くの種類があるわけです。 しかし、このほどその薬局方にもない全く新しいジャンルの薬、「睫毛貧毛症治療薬」というものが登場しました。睫毛貧毛症などと言われると、いったい何の病気かと思ってしまいますが、要するに塗るだけでまつ毛が伸びるという薬です。日での商品名は「グラッシュビスタ」だそうで、なんだか名前まで医薬というよりは化粧品のような響きです。 この薬の化合物名は「ビマトプロスト」で、下のような構造です。その筋の方なら一見してわかる通り、プロスタグランジンの誘導体です。 ビマトプロスト(グラッシュビスタ) プロスタグランジンはいわゆるホルモンの一種で、構造

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    mdr52 2014/11/22
  • 覚せい剤を検出する試薬 : 有機化学美術館・分館

    9月8 覚せい剤を検出する試薬 最近、「警察密着24時」みたいなドキュメント番組をよく見かけます。これでよく出てくるのが、覚せい剤などを不法所持している人を捕まえるシーンです。警官が怪しげな薬を見つけ出し、検査キットで調べると試験管内の液体が青く変化し「あ、これ覚せい剤だね」と宣告、所持者がうなだれる――という流れです。 メタンフェタミン(上)、合成麻薬MDMA(下) しかしこの、覚せい剤と反応して青く変わる試薬の正体は何なのでしょうか。ちょっと気になったので調べてみました。「シモン試薬」と呼ばれるものなのだそうです。その中身は以下の通り。 ・炭酸ナトリウム水溶液 ・ニトロプルシッドナトリウム水溶液 ・アセトアルデヒド-エタノール溶液 ニトロプルシッドナトリウムというのは、ペンタシアノニトロシル鉄(Ⅲ)酸ナトリウム(Na2[Fe(CN)5(NO)])二水和物のことだそうです。さてこれらが、

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    mdr52 2014/09/08
  • 「コク味」の分子 : 有機化学美術館・分館

    8月26 「コク味」の分子 カテゴリ:味・におい においや味に関する表現というのは、なかなか他人に伝わりづらいものです。たとえばの話、「コクがある」という表現はよく使われますが、それって何?と聞かれると、わかるように説明するのはとても難しいのではないでしょうか。 ちょっと調べてみると、コクは基五味(甘味、塩味、酸味、苦味、旨味)に分類されるものではなく、味の深み、濃度感、充実感といった感覚のようです。いくつかの味が絡まりあったり、同じ味でも長い時間感じていると「コクがある」という感覚になるものだそうで、言葉にするには大変ややこしい、書き手泣かせの味覚です。 化学屋としては、じゃあそのコクってのは分子レベルでいうとどういうことなの?と思ってしまいます。と、実は「コク」を与える化合物というものが存在しているのだそうです。へえっ、と思ってしまいますが、そのコク味の担い手がグルタチオンだというの

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    mdr52 2014/08/26
  • 安息香酸のこと : 有機化学美術館・分館

    5月25 安息香酸のこと 某ミュージシャンの覚醒剤使用騒動に伴い、「アンナカ」という言葉がマスコミに流れるようになりました。アンナカは「安息香酸ナトリウムカフェイン」の略称ですが、単独の化合物名ではありません。興奮剤であるカフェインに、溶解性を上げるための安息香酸ナトリウムを混ぜたもので、これ自体は別に違法なものではありません。処方箋さえあれば販売可能ですが、最近ではあまり使われない医薬品のようです。ただし昭和の時代には、覚醒剤の混ぜ物あるいは代用品として出回ったことがあるとのことです(参考:弁護士小森榮の薬物問題ノート) カフェイン このニュースを見た人から「安息香酸って不思議な名前だけど、なんだろう」という声があったので、ちょっとその話を書いてみます。化学者にとってはおなじみの名前ですが、由来を知っている人は少ないのではないでしょうか。 安息香酸の構造は下図に示す通り、ベンゼン環にカル

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    mdr52 2014/05/25
    Say Yes!
  • STAP細胞の「不正」とは何だったのか : 有機化学美術館・分館

    4月11 STAP細胞の「不正」とは何だったのか STAP細胞の騒動が世間を揺るがせています。特に4月9日、小保方晴子氏が久方ぶりに姿を表し、記者会見を行ったことで、騒ぎは最高潮に達した感があります。 ブログではこの件に関し、今まで何も触れてきませんでした。専門外でもありますし、あまりよい話題でもないですし、筆者は他人の不正をあれこれ論評できるような偉い人間でもありません。 ただ、9日の会見を見て、「小保方氏の発言に納得した」「彼女の言うことを信じた」という人が多数派であったのには驚きました。ネットでのアンケートでもそうですし(※)、テレビ番組での調べでも、6〜7割の人が小保方氏を支持するとの結果が出ていました。これはずいぶんとずれが生じているかなと感じたので、思い切ってこの件について書いてみます。 (※)4月12日現在では投票結果が逆転し、「納得できなかった」が多数派となっているようで

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    mdr52 2014/04/11
  • 化学家紋 : 有機化学美術館・分館

    2月10 化学家紋 カテゴリ:雑記 さて先日、ツイッターで「現代家紋」というのが流行っていました。まあこんな感じ↓で、どこかで見かけたようなマークや記号を、家紋風にアレンジして遊ぼうというものです。秀逸な作品も多く、まとめもできています。 西村備山@lipoyang頭合セ三ツWiFi #現代家紋 http://t.co/BFHfaat93n2014/02/06 21:31:48 ということで、化学版の家紋というのもあると面白いかなということで、いくつか考えてみました(筆者は決してヒマを持て余しているわけではありません)。 ・亀甲 有機化学の基はやはりこれ。日の伝統文様とも違和感なくなじみます。 ・丸にフラーレン みんな大好きフラーレン。五員環を黒く塗ったほうが、紋様としては引き立つかもしれません。 ・丸に三つ水分子 水素結合している方がよいという声がありましたが、筆者の腕ではまとまりが

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    mdr52 2014/02/11
    これは!!
  • フェアリーリングが世界を救う? : 有機化学美術館・分館

    1月27 フェアリーリングが世界を救う? 子供向けのアニメか何かみたいなタイトルですが、ちゃんとした化学のお話です。「フェアリーリング」というのは、下の写真のようにキノコが輪の形になって生えてくる現象を指します。西洋では、妖精が輪になって踊った跡だという伝承があり、この名で呼ばれているのでそうです。 オーストラリアで観察されたフェアリーリング(ウィキペディアより) フェアリーリングを作るキノコは一種類ではなく、今まで50種ほどがこうしたリングを作ることがわかっているそうです。直径は大きなもので600mにもなり、700年も成長している例が知られているといいます。科学的な文献に初めて登場したのは1675年で、古くから知られている現象ですが、詳しい成長のメカニズムなどは完全にわかっていないようです。 このフェアリーリング、まず草が異常に成長し、それが枯れてからキノコが生えてくるケースもあります。

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    mdr52 2014/01/27
    アザヒポキサンチン(早口言葉)
  • ベンゼン環を引きちぎる : 有機化学美術館・分館

    1月18 ベンゼン環を引きちぎる カテゴリ:有機化学 よく「亀の甲」などと呼ばれるベンゼン環の正六角形構造は、有機化学の象徴と呼ぶべきものです。グラファイト、PETなど身近な物質、フラーレンやカーボンナノチューブといった先端炭素材料も、このベンゼン環の安定性を基礎に出来上がっています。一面で、PCBやダイオキシンなど、環境中からなかなか消えてゆかない有害物質の頑丈さも、このベンゼン環の安定性に由来するものです。 PCB(上)とダイオキシン(下)。いずれも一例 ベンゼン環の持つこの安定性は、6つの炭素が持つπ電子が共鳴し、全体に行き渡って(非局在化)いることによります。図の上では単結合と二重結合が描いてありますが、実際には全てのC-C結合は1.5重結合というべき等価なものになり、安定化しています。この効果こそが、有機化合物の世界を格段に幅広く、奥深くしているといっていいでしょう。 ベンゼン

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    mdr52 2014/01/18
    ダメだ、シクロブタジエン見るだけで笑う
  • 汗の臭いを防ぐ法 : 有機化学美術館・分館

    1月8 汗の臭いを防ぐ法 夏場、満員電車などで強制的に嗅がされる汗の臭気というものは、なかなかたまったものではありません。あの独特の動物的な臭いの正体は何かというと、ヘキサン酸などのカルボン酸類です。実験でこうしたカルボン酸類を使う機会の多い方なら、構造式を見ただけでうえっとなるのではないでしょうか。 この化合物は正確には「汗の臭い」ではなく、汗をかいたときの湿気と温度によって皮膚の細菌が繁殖し、これが皮脂を分解して生じるものです。銀杏の臭いなどにも含まれるそうで、最も不快な臭気のひとつでしょう。 さてこのほど花王の研究グループが、このヘキサン酸の臭いを消す技術を開発したとのことです(プレスリリース)。ある3種の香り成分を組み合わせることで、鼻の中のヘキサン酸の臭いを感じる受容体をブロックしてしまうというものです。 ある化合物の臭気というものは、においの分子が鼻の中の受容体に結合し、その刺

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    mdr52 2014/01/09
  • 有機化学美術館15周年 : 有機化学美術館・分館

    12月26 有機化学美術館15周年 有機化学美術館というサイトは、1998年12月26日にスタートしております。ということで日、開設より丸15年ということになりました。よくぞ続いてきたものと思います。みなさまのご愛顧に感謝いたします。何かキャンペーンでもやればよかったのですが、筆者も数日前まで気づいておらず、何の準備もしておりません(笑)。 なぜこの日に始まったかというと、年内に始めようと思っていたのがずるずる延び、年末ギリギリになってしまったという、ダメな小学生の夏休みみたいな理由です。以来15年、20代の若手研究者であった筆者は、見事43歳のおっさんになりました。 2006年より、旧サイトからこのブログに移行しました。タイムリーな情報のみブログで書こうかと思っていたのですが、更新の手間などブログの方がずっと便利で、居着いてしまって今に至ります。始めた当初は全くの趣味でしたが、それを書

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    mdr52 2013/12/27
    俺15年後もブログやってる気がしないわー
  • マイケル・ジャクソンを殺した薬 : 有機化学美術館・分館

    12月11 マイケル・ジャクソンを殺した薬 化学の世界に長いこと身を置いてくると、化合物の構造を見ただけで、それが何に使われるものかだいたいわかるようになるものです。これは大環状だから抗生物質かなとか、ヘテロ環がつながってるから有機エレクトロニクス系の分子かなとか、見慣れてくればだいたい外れることはありません。 ではこの化合物は、どんな用途に用いられるものかおわかりでしょうか? プロポフォール フェノールのオルト位にイソプロピル基が2つついただけの、比較的簡単な化合物です。筆者は、かさ高い配位子として使うのか、あるいは酸化防止剤BHT(下図)に似ているので、何かその類にでも使う化合物だろうかと思ってしまいました。 ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)。ラジカルを捕捉する作用を持つ。 これは全くの外れで、上の化合物(2,6-ジイソプロピルフェノール、通称プロポフォール)は、外科手術の際の全身

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    mdr52 2013/12/11
  • 塩味のペプチド : 有機化学美術館・分館

    10月16 塩味のペプチド カテゴリ:有機化学 某所で、味のある有機化合物の話を書いておりました。味があるといっても、目立たないがいいところで渋い働きをしてくれる化合物とかではなく、甘いとか酸っぱいとかの話です。 甘い化合物の話は、今までにも何度か書いております(こちらなど)。アミノ酸2つがつながったアスパルテームがその代表選手ですが、グリシンやセリンも甘いし、D-6-クロロトリプトファンなどは砂糖の約1300倍という驚くほどの甘さを示します。 アスパルテーム。砂糖の180倍ほどの甘さ。 これらが注目されるのは、やはり甘味という味が特別だからです。他の味はとめどなくうということはありませんが、甘味だけは誰もが好む味です。しかし砂糖の摂り過ぎは、肥満や糖尿病など恐ろしい病気の原因となりますから、これに代わりうる化合物を創れば、大いに商売になるのです。このへん、「炭素文明論」というとても面白

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    mdr52 2013/10/17
    ぺぷちど!
  • ンで始まる化合物? : 有機化学美術館・分館

    8月30 ンで始まる化合物? カテゴリ:雑記 さて先日、J. Org. Chem.の新着を眺めていたら、nhatranginという化合物の合成の論文が載っていました。構造としてはさほど難しいものではなく、下のようなものです。 nhatrangin ただ、これは日語で書く時はどう表記するんだろう?と思いました。で、ツイッターでちょっとこのことをつぶやいてみたわけです。 この化合物、日語で書く時はどうなるんだろ。ンハトランギン?/Total Synthesis of Nhatrangin A http://t.co/Pjnlps7NU0— 佐藤健太郎 (@KentaroSato) August 28, 2013 すると、何人かの方からご教示をいただきました。ベトナムのリゾート地に「Nha Trang」というところがあるので、おそらくそこで発見された化合物であろう、ベトナム語で「nha」は「

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    mdr52 2013/08/30
    「ンジャメナ!(チャドの首都)」
  • 誰でもできるポリフェノールコート : 有機化学美術館・分館

    8月26 誰でもできるポリフェノールコート ポリフェノール類は、果物や茶、ワインなどに含まれる成分で、フェノール性水酸基(ベンゼン環からOHが生えた構造)をたくさん持つことを特徴とします。これらは抗酸化作用、抗菌作用など有益な作用を持つので、健康品として人気を集めています。 茶に含まれるポリフェノールの一種・タンニン酸 ポリフェノール類は、ベンゼン環に酸素が多数ついているために電子密度が高くなっています。ここに酸素がやってくると酸化を受け、ラジカルが発生して互いにくっつき合います。こうして、多数のポリフェノール分子が結合した複雑な重合体を形成します。これは、先日紹介したドーパミン由来の接着剤と同じ原理です。 カテキンが多数結合した分子の例 これを利用し、器などの表面に抗菌コーティングを施す技術が発表されました(論文。オープンアクセスなので誰でも読めます)。実はこれは特別なことではなく、

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    mdr52 2013/08/26
  • 美白と接着剤とドーパミン : 有機化学美術館・分館

    8月1 美白と接着剤とドーパミン カネボウ化粧品が販売していた美白化粧品が問題になっています。「ロドデノール」という化合物を含む54製品が、使用した際に肌がまだらに白くなるケースがあるとして、全てを回収すると発表しました。同社のウェブサイトによれば、これまで確認された被害者は2250人に上るということです。症例の写真など見るとかなり目立つもので、ちょっと心配になります。 さてそのロドデノールとは何かというと、下図のような比較的シンプルな化合物で、白樺の樹皮などから得られるそうです。偶然なのかどうかはわかりませんが、やはりカネボウが「脂肪を減少させる効果がある」として10年ほど前に売り出した「ラズベリーケトン」とも非常に似通った構造です。 上がロドデノール、下がラズベリーケトン さてロドデノールにどういう効果があるのかというと、肌の色のもとであるメラニン色素の合成を抑えてしまうというものです

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    mdr52 2013/08/02
  • 炭素文明論 : 有機化学美術館・分館

    7月27 炭素文明論 カテゴリ:書籍 お知らせしました通り、筆者の7冊目の単著”炭素文明論: 「元素の王者」が歴史を動かす ” が昨日より店頭に並んでおります。今回は新潮選書というレーベルで、ちょっと大きめの書店に行かないと売っていないかもしれません。 で、考えてみれば新著が出るよというお知らせだけしてましたが、肝心の中身はどんなかお伝えしていませんでした。ということで簡単に紹介しておきます。 表紙はこちら。 要するに、いくつかの化合物を取り上げ、それがいかに歴史を動かしてきたかを書いております。新潮社の紹介文は次の通り。 料・ドラッグ・エネルギー――「炭素」が世界を支配する! 農耕開始から世界大戦まで、人類は地上にわずか〇・〇八%しか存在しない炭素をめぐり、激しい争奪戦を繰り広げてきた。そしてエネルギー危機が迫る現在、新たな「炭素戦争」が勃発する。勝敗の鍵を握るのは……? 「炭素史観

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    mdr52 2013/07/27
  • 分子画像の描き方 : 有機化学美術館・分館

    7月6 分子画像の描き方 カテゴリ:雑記情報 先日、ツイッターで「分子の画像はどうやって描いているのですか」という質問にちょっと答えたら、けっこう☆がついたようです。なんだ、知りたかったなら早く聞いてくれればよかったのにってなことで、今回は分子描画ソフトについて書いてみます。なお記述は全てWindows用で、筆者はVista・7・8で動作を確認しています。 筆者が使っているのは、「ChemSketch」と「Discovery Studio3.5」(以下DS)というソフトの組み合わせです。いずれもフリーですから、実にありがたい世の中になったものです。以下の説明は、ChemSketchでなくChemDrawでも同じようにできるはずですので、お持ちの方&お金持ちの方はそちらをどうぞ。DSについては「Weblab Viewer」という名前であったころから使っていますが、バージョンアップを重ねて機能

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    mdr52 2013/07/22
  • 波打つ炭素材料「ワープド・ナノグラフェン」登場 : 有機化学美術館・分館

    7月16 波打つ炭素材料「ワープド・ナノグラフェン」登場 カテゴリ:炭素材料 フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェンといった炭素材料、いわゆる「ナノカーボン」の可能性については、ブログで何度も取り上げている通りです。これらの材料は、球状で自己完結しているフラーレン類が0次元物質、直線的にどこまでも伸びるカーボンナノチューブが1次元、平面的に広がるグラフェンが2次元と見ることができます。 となると、3次元ナノカーボンという物質を想像したくなります。ナノカーボンは芳香族の6員環が基ですが、これだけだとどうあがいてもナノチューブかグラフェンのような物質にしかなりません。立体要素を導入するには、5員環や7員環を導入する必要があります。 5員環を入れると、全体はお椀のように丸みを帯びます。また7員環が入ると、鞍のように反り返った形状になります。 コランニュレン 7-サーキュレン こうした環

    波打つ炭素材料「ワープド・ナノグラフェン」登場 : 有機化学美術館・分館