一時は開催期間中の台風上陸が危惧されたものの、終わってみればほぼ連日快晴に恵まれた2015年の『FUJI ROCK FESTIVAL '15』。動員数も2015年は11万5千人と、少々不振だった昨年の10万2千人から増加した。 さて、アーティストたちのステージレポートは専門メディアに一任するとして、2015年の「フジロック」は少し冷静に振り返ってみたい。なぜなら今年のフジロックは、近年の日本における音楽のあり方、聴かれ方の変化、言い方を変えれば、シーンや業界の脆弱化が象徴的に映し出された年だったからだ。今年の動員数の増加は、喜ばしいことではあるが、一方で、無難に「置きにいった」結果という見方もできる。 もうすぐ20周年を迎えるこのユートピアが今回、変わりつつある日本の音楽シーンの構造、運営陣にとっては厳しい現実と言えるその状況と向き合うため、または回避するために舵を切ったことは、必然とはい
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