韓国ソウルのホテルで、グーグル傘下の人工知能開発企業グーグル・ディープマインドの囲碁ソフト「アルファ碁」と5番勝負の第3局を行う囲碁棋士の李世乭氏(2016年3月12日)〔AFPBB News〕 2016年3月9日に始まった「世紀の囲碁対決」は、韓国社会に大きな衝撃を与えている。新聞は連日1面で大きく報じ、テレビは生中継をする。会社でも、コーヒーショップでも、飲食店でもどこに行ってもこの話題で持ち切りだ。 3月10日木曜日。韓国のある大企業で開かれた週1回の幹部懇談会。CEO(最高経営責任者)が、10人あまりの役員にこう聞いた。 当社にはどんな影響があるのか? 「ところで、AI(人工知能)がどんどん発達すると当社にはどんな影響があるんだね」 筆者の知人はこの会社の企画担当役員だ。前日夕方、李世乭(イ・セドル=1983年生)9段が、米グーグルが開発したAI「アルファ碁」に完敗したニュースを聞