3年前、熊本県芦北町で死産した双子の赤ちゃんを自宅に遺棄したとして、死体遺棄の罪に問われたベトナム人の元技能実習生の裁判で、最高裁判所は執行猶予のついた有罪とした1審と2審の判決を取り消し、逆転で無罪を言い渡しました。 無罪を言い渡されたのは、ベトナム人のレー・ティ・トゥイ・リンさん(24)です。 リンさんは、技能実習生だった2020年11月、死産した双子の赤ちゃんの遺体を段ボール箱に入れて芦北町の自宅に放置したとして死体遺棄の罪に問われました。 死産したあとの行動が死体遺棄罪の「遺棄」に当たるかが争点で、24日の判決で、最高裁判所第2小法廷の草野耕一裁判長は「習俗上の埋葬とは認められない形で死体などを放棄したり隠したりする行為が『遺棄』に当たる」という考え方を示しました。 そのうえで、リンさんの行為について「自宅で出産し、死亡後まもない遺体をタオルに包んで箱に入れ、棚に置いている。他者が
自分の子どもが性犯罪の被害に遭い、その加害者が、自分の夫だったと分かった時のショックは計り知れない。妻としては、子どもを連れて離婚するという選択肢が現実味を帯びてくる局面だ。 とはいえ、夫が一家の経済的な支えとなっている場合、なかなかそれも難しい。別れを選択しない妻も、これまで法廷で見てきた。そしてこの事件でも、妻は夫との別れを選択することなく、共に生きる道を選んだ。住宅ローンのためだった。(ライター・高橋ユキ) ●妻の出勤中に被害 被告人は今年4月、当時5歳だった実の娘に口淫をさせ、その様子を動画撮影したほか、昨年10月、11歳の女児に乳房や陰部を撮影させそれを送信させたという児童ポルノ禁止法違反、強制性交等、児童福祉法違反の罪に問われていた。 東京地裁立川支部で公判が開かれていたのは今年の秋。法廷前に貼られている開廷表に、被告人の氏名は掲載されていない。被告人の名が明らかになることで被
自分の子が犯罪を犯した時、親としてどう接していくかは悩むところだ。繰り返すことがないよう厳しい目を持つと同時に、子を信じる力も試される。 複数の女子高校生らに対するわいせつ行為などに問われていた男の裁判員裁判が、今年8月から9月にかけて東京地裁立川支部で開かれていた。公判には男の父親が証人として出廷し、被告人を見守っていくことを約束していたが、その監督能力に疑問を呈されていた。 被告人には同種の服役前科があり、父親は前回の裁判でも、同じように息子の監督を誓っていた。にもかかわらず、被告人は仮出所から1年も経たずに再犯に及んでいたのだ。(ライター・高橋ユキ) ●仮釈放からほどなく、のぞきを開始。半年後には盗撮 被告人(公判当時40)は、2020年から翌年にかけて、東京都下でウーバーイーツの配達員をやりながら、盗撮やわいせつ行為を繰り返していた。 起訴されていたのは、女子高校生3名に対する強制
聖路加国際病院(東京都中央区)で難病治療に伴うケアを受けていた女性患者が、スピリチュアルケアを担当する日本基督教団所属の牧師(チャプレン)A氏から性被害を受けたとして、牧師と病院を運営する聖路加国際大学を訴えていた裁判で10月7日、原告の女性、被告のA氏、女性看護師、男性医師による尋問が行われた(東京地裁・桃崎剛裁判長)。 訴状などによると、女性は2016年12月に同病院へ転院後、17年5月、2度にわたって院内で牧師と面会中、性被害にあったとしている。牧師は18年9月、強制わいせつの容疑で書類送検されたが、同12月に嫌疑不十分で不起訴処分となっている。原告の女性は、日本基督教団や日本スピリチュアルケア学会、病院の使用者責任に関与する日本聖公会にも救済を求めたが、誠実な対応がなされず二次的、三次的に苦痛を受けたと主張。真相究明と尊厳の回復を求め続けている。 A氏は7日の本人尋問で、「職業倫理
聖路加国際病院のチャプレンである日本基督教団の牧師A氏が強制わいせつ容疑で書類送検されたとの報道を受けて、A氏が所属する単立横浜聖霊キリスト教会(横浜市港北区)は9月19日、主任牧師である深谷美枝氏と「A牧師を支えて守る会一同」の名義で、「被害者とされる患者さんと加害者とされるチャプレンとの証言が全く一致せず、『何が事実であるのか』という輪郭すら全く定められない」とする声明を発表。「被害者の話を一方的に取り上げてチャプレンを凶悪な性的虐待者に仕立て上げ、未だ書類送検の段階で大きな社会的制裁を加え」たとして一部マスコミを批判した。 全文は以下の通り。 聖路加国際病院チャプレンA牧師強制わいせつ事件についての声明 この事件は、真面目に患者に寄り添ってきたチャプレンが無実の罪を着せられたものであり、チャプレンは一貫して無実を主張し、示談ではなく司法による判断を求めております。私たちも、そして弁護
安倍元総理大臣の銃撃事件から2か月。この事件で殺人の疑いで捜査が進められている山上徹也容疑者(41)は、母親が多額の献金をしていた旧統一教会に恨みを募らせ、団体と近しい関係にあると思った安倍元総理大臣を狙ったとみられています。その背景が、容疑者の伯父や関係者の証言からさらに明らかになってきました。 伯父 NHKのインタビューで語ったことは 奈良市で演説をしていた安倍元総理大臣が銃で撃たれて死亡した事件から2か月となるのを前に、逮捕された山上容疑者の伯父が自宅でNHKのインタビューに応じました。 (記者) 「山上容疑者を知る立場として、なぜこの事件は起きたと考えますか」 (伯父) 「兄の葬式の時に徹也が遺体に覆いかぶさって大泣きしたと親戚から聞いている。これが今回の事件の1番のおおもとだと思う」 (記者) 「容疑者の兄が亡くなったことが、事件につながるというのはどういうことですか?」 (伯父
安倍元総理大臣が奈良市で演説中に銃で撃たれて死亡した事件で、逮捕された容疑者の母親が「会見をして皆さんに謝りたい」などと話していることが親族への取材で分かりました。 先月8日、奈良市で演説をしていた安倍元総理大臣が銃で撃たれて死亡した事件で、警察は市内に住む無職の山上徹也容疑者(41)を逮捕して殺人の疑いで捜査しています。 警察のこれまでの調べで、山上容疑者は母親が多額の献金をしていた「世界平和統一家庭連合」、旧統一教会に恨みを募らせ、団体と近しい関係にあると思った安倍元総理大臣をねらったとみられることが分かっています。 親族によりますと、容疑者の母親は3日前に、「事件から1か月もすぎるので、会見をして、皆さんに謝りたい」などと話したということです。 母親はその後、身を寄せていた親族の家を出て、旧統一教会に関わっていた知人から支援を受けていて、会見の日程や詳細は不明だということです。 親族
安倍元総理大臣が銃撃されて死亡した事件で、逮捕された容疑者は母親が入信している「世界平和統一家庭連合」、旧統一教会への恨みから事件を起こしたとみられていますが、容疑者の母親が検察の聞き取りに対し、旧統一教会に迷惑をかけて申し訳ないという趣旨の話をしていることが分かりました。 今月8日、奈良市で演説をしていた安倍元総理大臣が銃で撃たれて死亡した事件で、警察は、奈良市に住む無職、山上徹也容疑者(41)を逮捕して殺人の疑いで捜査しています。 容疑者は「母親が旧統一教会にのめり込み多額の寄付をするなどして家庭生活がめちゃくちゃになった」と供述していて、旧統一教会に恨みを募らせた末に安倍元総理大臣が近しい関係にあると思って事件を起こしたとみられています。 この事件の捜査で、容疑者の母親に対しては検察が聞き取りを行っていますが、立ち会った親族への取材で、母親が旧統一教会について「事件で批判にさらして迷
全国の信者へメッセージを配信した田中会長、 「一番苦しいのはお母様」場面では感極まる様子も (教団配信映像より) 安倍晋三元首相銃撃事件の渦中にある統一教会(天の父母様聖会・世界平和統一家庭連合)の“神”日本・田中富広会長が7月17日、東京の松濤本部の本部教会から全国の信者へ向けてメッセージ『説教「神様は私たちと共にある」』を配信した。本紙はその発言内容を独占入手、田中会長の発言内容のポイントを挙げる。 ◆「血の引く思い」田中会長 ・予想だにしなかった前代未聞の惨劇が発生・改めて安倍晋三元首相に心からの哀悼を表するとともに冥福を祈る・あらゆる意味で戦後最大の事件と言っても過言ではない・地球規模の大きな衝撃が走った・犯人・容疑者が家庭連合と関係があると報じられた瞬間、血の引く思い・一部メディアで旧統一教会の名。本部は即、容疑者の特定に入った ◆記者会見は「天の声」 ・7月10日、「表に出なさ
THYMEクラウドファンディングリターン講演として、12/3(日)に完全オンラインウェビナー形式で無料講演を行います。 後援はさむら脳神経クリニック様です。 講演テーマ 性暴力 PTSDからの回復~支援者・周囲の人にできること~ 開催日時 12/3(日) 16:00~17...
千葉県流山市の自宅で引きこもり生活を18年間続けた41歳の男は、2020年大みそかの夜、母=当時(72)=と姉=当時(42)=を殺害した。法廷では終始淡々とした様子で、マスク越しでも分かるほど表情を一切変えず、どこか人ごとで諦めにも似た無気力さを漂わせた。男が凶行に至った原因は何か。千葉地裁で1月28日まで開かれた計4回の公判証言から浮かび上がったのは「安定した低空飛行だった引きこもり生活をつぶされた」という理由だった。(共同通信=広根結樹) ▽「昔から小ばかにされていた」 男は姉と妹の3人きょうだいで、両親に育てられた。母は子育てを機に編集関係の勤め先を辞め、在宅で校閲の仕事を始めた。デザインの仕事をする姉は同僚と婚約し公私とも充実。明るく社交的で、言いたいことをはっきり言う性格だった。 一方、男は幼少期から周囲との違和感を抱いていた。母と姉についても、昔から小ばかにされ、否定されたと話
◆ ◆ ◆ 就活で上京した神戸在住の女子大生(当時)が、羽田空港のトイレで産み落とした赤ちゃんを殺害し、遺体を新橋のイタリア公園に埋めたとして逮捕されたのは2020年11月。事件発覚から1年後だった。 殺害遺棄前後の女性の行動は不可解で強烈だった。飛行機の中で陣痛に耐え、空港のトイレで産んで窒息死させると、女性は殺害後に袋に入れた赤ちゃんの遺体を持ったまま空港内のカフェでアップルパイと飲み物を注文し、写真をSNSにアップしていた。さらに、殺害動機を「赤ちゃんの存在に困った」「就活の邪魔になると思った」と供述した。加えて女性が裕福な層が通うイメージの大学の出身で、赤ちゃんの父親がアルバイト先である風俗の客だったなどのエピソードは、人々の好奇心と加罰意識を刺激した。 ◆ 性的欲求がわからない 被告は、自身をアセクシュアルだとしている。LGBTQのひとつで、他者に対し性的欲求を抱かないセクシュア
殺害遺棄前後の女性の行動は不可解で強烈だった。飛行機の中で陣痛に耐え、空港のトイレで産んで窒息死させると、女性は殺害後に袋に入れた赤ちゃんの遺体を持ったまま空港内のカフェでアップルパイと飲み物を注文し、写真をSNSにアップしていた。さらに、殺害動機を「赤ちゃんの存在に困った」「就活の邪魔になると思った」と供述した。加えて女性が裕福な層が通うイメージの大学の出身で、赤ちゃんの父親がアルバイト先である風俗の客だったなどのエピソードは、人々の好奇心と加罰意識を刺激した。 2021年9月24日、懲役5年の実刑判決が下り、裁判長の「就職活動への影響を避けるべく、自らの将来に障害となる女児の存在をなかったものにするため殺害した。身勝手で短絡的(な犯行)」〔※( )内は筆者加筆〕との言葉とともに、共同通信は次のように報じた。 ◆ 〈被告は公判で、動機について「頭が真っ白になった。自分でも分からない」と説
NHKに寄せられた1通のメッセージ。 そこに書かれていたのは「被害者は私の娘、19才-」。性犯罪の被害に遭った知的障害などのある女性の母親からでした。 被害を訴える娘が直面した「大きな壁」を知ってほしいという母親の声。 詳しく話を伺うと、障害につけ込む悪質な性暴力の現実と、それに加えて、障害者が受けた性被害を立件することの難しさが見えてきました。 (大阪拠点放送局 記者 谷井健吾) 「被害者は私の娘、19才。障害者の性被害がなかなか立件されないなか、被害者が証言を頑張り、起訴まで持ち込みました」 去年9月、NHKの情報投稿サイト「ニュースポスト」に届いたこのメッセージは、娘のえりさん(仮名)が性被害に遭ったという、大阪に住む母親の和子さん(仮名)から寄せられました。 決して許されない、性暴力。 しかも、その性被害を刑事事件として立件することが障害者の場合は難しいとはいったいどういうことなの
埼玉県ふじみ野市において、訪問診療をしていた医師が患者の息子に散弾銃で撃たれ死亡するという事件が起きた。患者である母親が亡くなったことがきっかけになったという。事件については報道でしか存じ上げないし、これから新事実が出てくるかもしれない。この記事は、医療職と患者家族の関係の難しさの一端について知ってもらうのが目的であって、個別の事件において真相はこうだったのかもしれないといった推測ではない。 また、以下に述べる事例は、私の見聞きした経験をもとに改変したものであり、事実そのままではない。仮に当事者が目にしたとしてそれが自分たちのことであるとはわからないようにまで変えてある。ただし、問題の本質については伝わるはずだ。ご理解をいただきたい。 患者さんがよいケアを受け、病状が改善することをご家族が願うのは当然だ。ただ、その願いがきわめて強い患者家族がいらっしゃる。介護のためにご家族が仕事を辞め、ず
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