五木寛之『青年は荒野をめざす』を読んだ。桜庭一樹『荒野(の恋*1)』の第一部を読み終わったあと、いうタイミングである。このタイミングこそが大事だった。 『荒野(の恋)』の第一部のラスト、主人公の少女・荒野は、恋の相手である少年・悠也から彼の愛読書であった『青年は荒野をめざす』を押し付けられるのだ。一部と二部の間には一年の時が流れている。多分、荒野はこの一年の間に、この本を読んだに違いない。その気持ちとシンクロできたら素敵だと思ったのだ。 結果、そんな“不純な”動機なんて吹き飛ばすぐらいに『青年〜』は面白かった。それはそれで、素敵なことだ。 昔から、小説というものはリンク集みたいなものだと思っている。一作の小説から、次へ次へと派生して、広がっていくことができるからだ。野村美月の「文学少女」シリーズなんてその際立った例だと思う。そしてまた、リンクされた行き先は、小説とも限らないとも思う。 『荒
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