ジャンル小説というのもいろいろあるけれど、「ファンタジー」ほどつかみどころのない“ジャンル”はそうそうないと思う。 境界線論争始めるとキリがないジャンルとしては「ミステリ」なんてのが目立つけれど、ミステリとその周辺ジャンルなんて、たどっていけばだいたい乱歩か清張にたどり着く。外の境界線は定かではないが、中の核は明確だ。「SF」なら70年代頃の翻訳・同人関係者が作っていたコミュニティ。「歴史小説」なら、まあ吉川・司馬。「時代小説」なら捕物帖まで遡らずとも、池波・藤沢あたりの名前を挙げておけば、とりあえず問題ないだろう。 「ファンタジー」の共通の祖は? というと、これはもうJ・R・R・トールキンまで遡らないといけない。 日本国内で「ファンタジー」という看板をつけられている作品は、だいたい4つの系統に分けられてしまう。 ハードカバーやハヤカワ・創元の“海外文学”系 図書館の児童コーナーでよくお目