「匠」という言葉を聞いてどんな姿を思い浮かべるでしょうか。ひとつの技術を磨き続けてきた人、あるいは伝統的な技法を守り続けている人をイメージするかもしれません。 しかし、移り変わりの激しいゲーム業界の匠は違いました。『ファイナルファンタジー』シリーズをはじめ数多くの作品のデザインを手掛け、「ドット絵の匠」と呼ばれるスクウェア・エニックスの渋谷員子さんです。 家庭用ゲームの黎明期から35年以上にわたり活躍し続け、業界のレジェンドとも言われる存在ながら、「ドット絵のゲームが消えていっても感傷に浸る暇がない」ほど最先端を走り続けてきたという渋谷さん。新しい技術やトレンドを常に吸収して変化していく姿は、匠の言葉のイメージを見事に覆してくれます。その一方では「絵を描くことが大好き」というピュアな思いを貫く一途さも垣間見えるのです。 今や活躍のフィールドはゲームだけにとどまらず、渋谷さんのドット絵は再び
2022年10月25日、衆議院本会議。選挙演説中に銃撃され死去した安倍元首相に向けた追悼演説が行われた。演説に臨んだのは、立憲民主党の野田元首相。かつて野党時代の自民党総裁だった安倍氏と、首相だった野田氏は、党首討論の場で、衆議院の解散をめぐる“真剣勝負”に臨んだ間柄だ。追悼演説の中で野田氏は「再びこの議場で、あなたと真剣勝負を戦いたかった」「勝ちっ放しはないでしょう、安倍さん」と天上の故人に語りかけた。演説の全文は以下の通り。 本院議員、安倍晋三元内閣総理大臣は、去る7月8日、参院選候補者の応援に訪れた奈良県内で、演説中に背後から銃撃されました。搬送先の病院で全力の救命措置が施され、日本中の回復を願う痛切な祈りもむなしく、あなたは不帰の客となられました。享年67歳。あまりにも突然の悲劇でした。 政治家としてやり残した仕事。次の世代へと伝えたかった想い。そして、いつか引退後に昭恵夫人と共に
このシールテープの巻き方について、時間を見つけて語っておこう。 結論からいうと。 この巻き方は「間違い」。 が、こういう巻き方が正しいと思い込んでしまう技術的事情があり、現代でもこれでないと止まらないケースがある。 それは歴… https://t.co/Yc1Ppwt3Sk
自分が属する組織に未来がないことに気が付いたとき、そのメンバーが選択できる行動は2種類に大別することが可能です。一つ目は組織から逃げ出すこと、もう一つは組織に留まり、内部から声を上げて、変革を促すことです。政治学の研究領域で、この状況をモデル化し、分析した先駆者としてドイツの研究者アルバート・ハーシュマンが知られており、彼の『離脱・発言・忠誠:企業・組織・国家における衰退への反応(Exit, Voice, and Loyalty: Responses to Decline in Firms, Organizations, and States)』(1970)は古典的な価値がある業績です。 Hirschman, A. O. (1970). Exit, Voice, and Loyalty: Responses to Decline in Firms, Organizations, and S
(Image by Wokandapix from Pixabay) 個人的な観測範囲での話ですが、データサイエンティストという職業は「21世紀で最もセクシーな職業」として刹那的な注目を集めた第一次ブーム、人工知能ブームに煽られて火がついた第二次ブーム、そして「未経験から3ヶ月で人生逆転」ムーブメントと折からのDXブームに煽られる形で沸き起こった第三次ブームを経て、何だかんだで社会に定着してきた感があります。 で、このブログを始めた頃からの連綿と続くテーマになっていますが、いつの時代も話題になるのが「データサイエンティスト(になるに)は何を勉強すべきか」ということ。7年前から恒例にしてきた「スキル要件」記事では、基本的には「どれも必要な知識(学識)」であるという前提で分野・領域・項目を挙げてきました。少なくとも、最初の3回ぐらいはそういう認識でスキル要件記事を書いていた気がします。 ところ
自民・福田氏、旧統一教会と党の関係否定 「何が問題か分からない」 2022年07月29日23時24分 自民党の福田達夫総務会長=2021年12月、東京都千代田区 自民党の福田達夫総務会長は29日の記者会見で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と自民党の関係が指摘されていることに関し、「わが党が組織的に強い影響を受けて、政治を動かしているのであれば問題かもしれないが、僕の今の理解だと一切ない」と否定した。「誤解を招くようなこと(報道)はしてほしくない」と注文も付けた。 地方議員、旧統一教会系の行事参加 山口公明代表 福田氏は「僕自身、個人的に全く関係がない」とした上で、「正直に言います。何が問題か、僕はよく分からない」と述べた。 福田氏は同日夜にコメントを発表。「被害者を生み出すような、社会的に問題が指摘されている団体との関係が問題であることは言うまでもない」と補足し、「そのような団体との付
安倍晋三元首相が殺害されるという衝撃的な事件が起きた昨日、テレビは当然のことながらその事件報道一色に染まった。「襲撃されて心肺停止状態」という第一報から、テレビ東京系列を除きほぼ全ての通常編成の番組は予定を変更して特番となり、深夜まで繰り返し安倍元首相殺害関連の事件に関するニュースのみが放送された。 【写真】【独自】安倍元首相を撃った山上徹也が供述した、宗教団体「統一教会」の名前 元首相殺害は断じて許されない。非難すべき犯罪だ。しかし、今日という日は選挙の前日でもあり、私たちはこの事件を冷静に捉える必要もある。そういう意味でも、テレビ報道に関しておかしなことはなかったのか、分析しておく必要があると考えた。 長年テレビ報道に関わってきた筆者が、テレビ報道に感じた「違和感」をみなさまに伝えることにわずかなりとも意義があると思い、この文章を書くことにした。感じた「違和感」はいくつかある。 (1)
ヒトの進化において「協力的なコミュニケーション」が大きな鍵を握ったであろうことは、たびたび指摘されるところである。人がひとりでできることは限られている。単独で野生動物を狩ろうとしても、得られるのはせいぜいウサギくらいだろう。しかし、ほかの人と協力すれば、わたしたちはシカだって野牛だって狩ることができる。また、ほかの人と情報交換すれば、わたしたちは新たな技術などについて伝えあうことができる。というように、その進化史において、協力的なコミュニケーションはヒトに多大なメリットをもたらしたと考えられる。 しかしそれならば、次のような問いがさらに生じても不思議ではないだろう。ヒトはどうやって協力的なコミュニケーションを行うことができるようになったのか。 本書は、その問いに対してひとつの回答を与えようとするものである。そして、本書が導き出す回答は、原書のタイトル(Survival of the Fri
(東大の)社会学系の先生から院生へハビトゥスのような形で伝えられ、そして院生同士でなされるコミュニケーションの特徴として、相手の議論を打ち砕いたり、破ったり、穴を突いたりすることに重きが置かれ、「結局のところ、こういうことでしょ」ということを強い言葉で言える人がその場を制するというものがある。 以下、さしあたりこれを社会学界隈における東大話法と呼ぶことにする(東大院生に限らず、東大社会学講座系の先生の下で学んだ人にも見られる話法である)。この風潮はおかしいとこの10年以上ずっと思っていたが、最近のマイノリティ研究者排除が起きかかっている社会学の現状を思うと、やっぱりこれは深刻な問題点だなと思っている。 東大話法がもたらす問題は、「結局のところ、こういうことでしょ」に行きつくプロセスで、多くの「これが常識」「これが社会というもの」「これが現代」という「常識」の押し付けが発生していることにある
はじめに 桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~ が累計販売本数350万本を突破しました。おめでとうございます。 最新ニュースを掲載しました。 『桃鉄』と「日清焼そばU.F.O.」の異色コラボが実現! ~ 『桃鉄』 の累計販売本数は350万本を突破 ~https://t.co/AGox7AEIDw pic.twitter.com/8yPM7ozeRv — KONAMI 企業広報・IR (@Konami_PR_IR) March 22, 2022 この売上は驚異的なものです。日本において300万本以上売り上げたゲームソフトは、実は「任天堂/ポケモン関連」「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」「モンスターハンター」「妖怪ウォッチ」しかありません。とんでもない化け物IPたちに桃鉄が仲間入りした、ということになります(元から長年の歴史を組んだ化け物IPな気がしますが)。 さて、そんな桃鉄
Takashi Okumura @tweeting_drtaka 理解力が低いと思われる方、「理解しない」のではなく、むしろ「理解力の範囲で理解」するので、表面的な理解に留まったり、引っかけに掛かったり、曲解に疑問を持たずに止まる。そのうえで、その理解を元に少ないサンプルで強固な心証を形成していく。ここを軌道修正するのは、なかなかコストが高い。 Takashi Okumura @tweeting_drtaka 一方、理解力が高い方は、新しい概念に触れたときの反応が全然違う。理解のためにペースが落ちるのではなく、むしろ質問を通じて前進していく感じ。おそらく、既存の知識から類例かメタ概念を引っ張りだしてきて、差分や境界を探ることで理解してる。理解力があるから元々の知識も多く、相乗効果。 Takashi Okumura @tweeting_drtaka 想像するに、こうした未知の知識や概念を体得
「UnityでタクティクスSRPGを作ってみたい!」 「ファイナルファンタジータクティクス・ファイアーエムブレム・タクティクスオウガ・スーパーロボット大戦のような本格的な戦略シミュレーションゲームを作ってみたい!」 「Unityに限らずターン制ストラテジーやシミュレーションRPGのアルゴリズム開発技法をマスターしたい!」 そんなあなたのために本格派タクティカルSRPGの作り方講座ができました! この講座では完全フルスクラッチで0からUnityとC#でSRPGのゲームシステムを開発していきます。 オリジナルの2Dドット絵とUnityの3Dグラフィックを融合させたちょっと新しいタイプの戦略シミュレーションゲームが完成します。2D向けでも3D向けでもそのままSRPG制作のアルゴリズムとして利用可能なように設計されています。 チェスや将棋のようにプレイヤーとAIがターン制でキャラクターを行動させて
震災からしばらくたった2月頭頃、神戸市の職員が避難所に派遣された。ところがどうも初期のころ、ボランティアとぶつかることが多くその日ももめていた。「何をもめているの?」と聞くと、インスタントラーメンを被災者に配りたいのに市役所職員がそれを許さない、と言ってボランティアは怒っていた。 市役所職員によると、被災者全員に公平に配れないのであれば、配ってはいけない、という。味噌ラーメンと塩ラーメンを合計したら被災者全員に配れるのだが、「それだと塩ラーメンが欲しい人に味噌ラーメンが配られたりなど、もめる原因になる、だから配ってはいけない」と頑張っていた。 私は「ちょっと任せてほしい」といって、その市役所職員と話すことに。「救援物資の管理、お疲れ様です。ところで問題のインスタントラーメン、どこから来たかご存じですか?」と尋ねた。「神戸市からですよ」との答えに私は首を振り、「いいえ、違います。私たちボラン
この記事で書きたいことは、ざっくり以下のようなことです。 ・「頭の悪い人がよく使う話し方」というような記事を読みました ・「情報のやり取り」という意味で、対話における聞き手と話し手の立ち位置に本来差はなく、価値の高い対話は双方が協力して作り上げるものです ・それを無視して、「話し手」に一方的にコミュニケーションコストを負わせるのはあまり妥当だと思えません ・聞き手としても価値の高い対話ができるように考えたいですよね よろしくお願いします。 さて、書きたいことは最初に全部書いてしまったので、あとはざっくばらんにいきましょう。 先日、こんな記事を拝読しました。 頭のいい人はそう答えない…「頭の悪い人」が会話の最初の5秒によく使う話し方 以下、一部引用します。(引用部分は無料部分のみですが、当然記事としては全文読んでおります) 質問に対して、小学生のような答えしかできない人がいる。 仕事で講演会
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