【国会ここに異議あり】 立憲民主党の枝野幸男代表は、党首討論の趣旨を理解していないのではないか。枝野氏は6月9日に行われた2年ぶりの党首討論で、予算委員会での質疑と同じように、菅義偉首相(自民党総裁)を追及することに主眼を置いた。だが、そこは政権を「追い詰める」ための場ではない。 【表でみる】次の首相にふさわしい政治家は 党首討論は、英国下院のクエスチョンタイム(QT)をモデルに、立憲民主党の前身、民主党が主導して2000年に始まった。政権交代可能な選挙制度導入を機に、野党の政権担当能力をアピールする狙いがあった。 このため、与野党党首が国家的な課題について、首相の質問権も認めたうえで深く議論することが求められる。党首としての基本的な考え方をアピールすることに目的がある。いわば、国家観や歴史観を含めた「党首力」を競う場なのである。 枝野氏は本来ならば、人類と感染症の歴史的考察などを踏まえて