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ブックマーク / yoghurt.hatenadiary.com (35)

  • カフェでよくかかっているJ−POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生/渋谷直角 - 未来の蛮族

    帯には「誰かをバカにするマンガと思ったら大間違いだ!」という久保ミツロウ先生の力強いお言葉があるし、著者である渋谷直角氏はあとがきで「彼らに対して、こちらの何かの一つの価値観や上から目線をもって小馬鹿にしたり、それじゃダメだ、と断定して描いているのではなく」とはっきりと記していて、それはけっして嘘ではないのだろうけども、この作品を読んで感じたのは、やはり強烈な悪意、だった。小さな世界でもがくサブカル民を単に馬鹿にするのではなく、ある種の愛情をもって描いていることは、特攻の拓の天羽セロニアス時貞に匹敵するほど感動的な宮沢賢治使いをみても明らかなのだけど、散りばめられた固有名詞の群れからは、それを上回るほどの悪意を感じてしまう。 「バンプオブチキンと空の写真ばかりアップしているブロガーの恋」や「ダウンタウン以外のお笑い芸人を基認めていないお笑いマニアの楽園」は、そもそもタイトルに固有名詞が入

    カフェでよくかかっているJ−POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生/渋谷直角 - 未来の蛮族
    mereco
    mereco 2013/09/05
  • 祖父の長い長い旅 - 未来の蛮族

    それにしても、人類はなんと恐ろしいものを思いついてしまったのだろう。 その建物を前に、僕は人類の業の深さにおののいていた。 国会図書館。ここには、この国で発行されたほとんどの出版物が収まられているという。 インターネットは確かに偉大な技術だし、はじめて納豆をべた人間の勇気は永遠に称えられるべきだと思うけれど、人類史上最もヤバい思いつきをひとつだけあげるとするなら、やはりそれは「文字」にほかならないだろう。約五千年前に発明されたというこのテクノロジーは、はるか彼方の人間に声を届けることができるだけではなく、死者の声すら地上に留めおくことができるのだ。 時間と空間を超越し、生と死を弄ぶ。まさしく、神をも恐れぬ所業。人類の狂気の生み出した産物である。 僕は想像する。暗闇の中で、何百万もの生者と死者が、暗闇の中でじっと聴き手を待ちつづけている姿を。 何とも恐ろしい話だが、さりとて怖がってばかりも

    祖父の長い長い旅 - 未来の蛮族
    mereco
    mereco 2012/12/10
  • 祖父の長い旅 - 未来の蛮族

    土曜の夜は、祖父母の家で夕を過ごすことになっていた。 波の上という街に住む祖父母の家には、泊大橋という橋をこえていかなければならない。橋から見下ろす港にはたくさんの貨物船が止まっていて、なぜかそれらの甲板には決まって大きな犬がいた。 どうすれば船のうえで犬を飼うことができるのだろう? 子供ながらにそう思っていたし、それは今でも解くことのできない疑問だ。もしかすると、あれは夢でみた風景だったのかもしれない。 祖母がくれるお菓子はいつも亀田製菓の「雪の宿」だったこと、テレビにはクイズダービーが映しだされていたこと、祖父母と同居するS叔父が僕たち兄弟に折り紙を教えてくれたこと、幼い時分の記憶はどれも断片的で、はっきりせず、たよりない。 なかでも祖父の記憶はおぼろげだ。 僕がかろうじて覚えているのは、部屋の片隅で、しずかに泡盛を飲む祖父の姿だ。ほんとうに水のように酒を飲む人で、それで乱れるという

    祖父の長い旅 - 未来の蛮族
    mereco
    mereco 2012/12/03
  • 旅なんてしない人 - 未来の蛮族

    的に、おれは旅先での思わぬ出会いを喜ぶような人間ではない。もちろん、全く喜ばないわけではないのだけれども、最終的にはわずらわしいと感じてしまうことの方が多いのだ。大して興味のない話にほおほおと相づちを打つのも面倒だし、話が盛り上がったら盛り上がったで、今度は話を打ち切るタイミングに頭を悩ませることになる。 これはおれの経験則から言うのだけれども、そもそも、見ず知らずの人間に積極的に声をかけてくるような人間には、現役時代にテンプルを打たれすぎたような方も少なくない。 昔、オフ会で小旅行に出かけたときの話だ。おれたちは、真の天皇家を名乗る奇妙な男に絡まれ、小一時間ほど彼の偉大な念能力にまつわる素晴らしいお話を拝聴する事態に陥ってしまった。彼の念能力はおそらく操作系に属するもので、対象の血族(九代先の子孫をも含む)をまるごと発狂させるという、凶悪極まりない性能を持つのだという。彼の話そのもの

    旅なんてしない人 - 未来の蛮族
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    mereco 2011/11/07
  • 東京の砂漠(OHT.6) - 飲めヨーグルト

    砂漠を、なめていた。ミルクを流したような霧が視界を覆うこの天上世界では、方向音痴なおれの感覚など全くあてにならないから、おれは石で記された登山道から一歩も外れることができなくなってしまう。吹きすさぶ砂塵が、おれのカメラのAFを狂わせる。無限遠では、もうまるっきりピントがあわない。ダストリダクションでも排除することのできないゴミがセンサーにへばりついてゆく。 目の前の光景は信じられないくらいに美しいのに、それらをうまく写真におさめることはできそうもない。三脚をおさめたザックが疲れた身体に重くのしかかる。三脚と雲台、あわせて2キログラム。おれはひどくのどが乾いている。残った水は、500ミリリットルのペットボトルに半分ほど。使いもしない三脚を置いてくれば、代わりに水を2リットルも持ってくることができたはずだ。おれは思う。どうしてこうなった……。 金曜の、夜。残業を放棄したおれは部屋に戻ってシャワ

    東京の砂漠(OHT.6) - 飲めヨーグルト
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    mereco 2011/08/05
    おはようゆめ地獄についてくわしく…
  • それからの十日間 - 未来の蛮族

    あの地震のあとには、あらゆるものの見え方が変わってしまった。というのはやはり言い過ぎで、変わるものもあれば変わらないものもある。今日の気分はどちらかといえば、変わっていない、という方向に流れているかもしれない。それでも、風のにおいや空の色は確実に変わってしまったような気がしているのだけども、きっと変わってしまったのは、おれの方なのだと思う。被災に遭われた方々のことを思えば、こんなのんきなことを記していくのはおかしいし、拙い上に何の実用性も持たないこの文章だって、電力によって記録され、送信されているのだから、ほんとうに申し訳ないと思うのだけど、最近のおれはよく空をみるようになったし、桜のつぼみが開きはじめたことにも気がつくようになった。 ▽ もちろん、それは地震から一週間以上経った今だから言えることだ。地震の翌日、3月12日には、ずっとテレビとネットを眺めていた。翌々日の3月13日もそうだ。

    それからの十日間 - 未来の蛮族
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    mereco 2011/03/21
  • 黄金町バザール - 未来の蛮族

    ピンぼけもやむをえないほどの愛らしさ。 高架下に、意味ありげなしるし。 意味なさげな雑巾。 ※参考 今年の黄金町バザールは、とにかく日ノ出竜宮へ 「黄金町バザール」とは結局なんなのか

    黄金町バザール - 未来の蛮族
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    mereco 2010/10/05
  • (我が家の)ゼア・ウィル・ビー・ブラッド - 未来の蛮族

    ずっと、母方の祖父のことが好きではなかった。 そう言い切ってしまうのも実際とはやはり違っていて、より正確に表現するならば、好きだとか嫌いだとかいう以前の問題で、おれは祖父の生き方を全く理解することができなかった、と言うべきなのだろう。おれにとっての彼は、ほとんどエイリアンのようなものだった。たとえば、母方の祖父はかつて家庭にほとんどお金を入れることがなかったという。これで祖父が酒や博打に現をぬかす放蕩者であったなら、まだ人間的な理解を行う手だてもあったかもしれない。しかし、タチの悪いことに、実際の彼は非常に勤勉な男だった。日が昇る前に畑に出かけてゆき、日が落ちても月明かりの下で働く。それが祖父の生活であった。それほどまでに必死で働いていながら、家庭にはまるでお金を入れない。奇妙な生き方だ。 祖父はいったい何のために働いていたのだろう? 母の話によれば、祖父は畑仕事で得たわずかな利益の全てを

    (我が家の)ゼア・ウィル・ビー・ブラッド - 未来の蛮族
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    mereco 2010/07/27
  • 足尾銅山には早すぎる(OHT.5) - 未来の蛮族

    レベル上げ、というものを一切やらない子供だった。おれは。ゲームは一日一時間、という昭和の家庭にありがちなルールに縛られていたおれにとっては……レベル上げなんて時間がもったいなくって、とても出来たもんじゃなかった。でも、そのうち、弱いままで荒野を旅することが楽しくなってきた。貧弱きわまりないおれのパーティにとっては、「さまようよろい」辺りのモンスターであっても恐ろしい強敵で、新しい町を探すことさえもが毎回いのちがけの挑戦だった。この一撃で相手が倒れなければこちらが全滅する、というシチュエーションでカンダタを倒したときの興奮は、今でも忘れられない。 そんなこんなで味をしめてしまったおれは、長じてからも出たとこ勝負を好むような人間になってしまった。そう機転の利くタイプでもないくせに、計画と準備なんてカッコ悪いね、なんて風に思うようになっていた。のんきなおれはすっかり忘れていた。ゲームと現実は違う

    足尾銅山には早すぎる(OHT.5) - 未来の蛮族
  • おれたち秘境探検隊―大電波塔に眠るまぼろしの美獣― - 未来の蛮族

    とある事情で、東京都民と暮らしている。僕のようにわがままな人間が他人と共同生活を営もうというのだから、そりゃあ、不満は当然のようにたまってくる。 何よりも腹が立つのは、都民が何かにつけて僕を田舎者呼ばわりすることだ。確かに、僕の地元はひどい田舎にあって、屋もCDショップもレンタルビデオ屋も無いような文化的砂漠だったけれども、だからといって都民にバカにされるいわれはない。 だいたい、この都民は都民といっても足立区民なのだ。別に足立区をバカにするつもりはないけれど、やはりどうしても引っかかるものがある。足立区なんて、ほとんど埼玉みたいなもんじゃないか。いや、別に埼玉をバカにするつもりも毛頭ないのだけれども……。 とにかく、僕はムカついたのだった。 「何を言っているんだい、君は。だいたい、日で一番田舎なのは、どう考えても東京なんだぜ」 売り言葉に買い言葉というやつで、僕はそんなことを口走って

    おれたち秘境探検隊―大電波塔に眠るまぼろしの美獣― - 未来の蛮族
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    mereco 2010/02/12
    ファーファ…/東京タワー水族館、コブに血管の透けた醜悪な魚がミッチリ薄暗い水槽に押しこめられていて、ヤバすぎて帰ってから熱を出したんよ…
  • 夢見るブロガー、木造校舎で怪魚と闘う - 未来の蛮族

    突然、何もかもが嫌になってしまったので、たらい舟に乗ってid:hey11popさんと佐渡が島に行ってきました。 たらい舟を縦横無尽に操るガール。正直なところ、どういう原理で前に進んでいるのかさっぱりわかりません。 しかし、どういう原理で前に進んでいるのか分からないのは我々の人生も全く同じ。 前に進む、と言えば聞こえはいいものの、実際のところは、いつかは訪れる死に向かって漫然と流されているだけに過ぎません。 このままではいけない。 そう思えばこそ、我々は佐渡を訪れることを決意したのです。 古の人々は黄金を求めて佐渡に渡ってきたといいますが、我々は彼らよりもずっと欲深です。 我々の求めるものは、黄金以上に価値あるもの。 すなわち、このクズ社会で失ってしまった我々自身の心にほかなりません。 「失った心を取り戻したい」 そう願う我々は、たらい舟ガールとともに、ある小学校に辿り着いていました。 木造

    夢見るブロガー、木造校舎で怪魚と闘う - 未来の蛮族
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    mereco 2009/11/19
  • おれたち秘境探検隊vol.3―死の海岸と秘境の果て― - 未来の蛮族

    海に行くつもりじゃなかった。嘘だ。完全に行くつもりだった。行くつもりで、行った。 我々には、海に行かなければならない理由があったのだ。 話は前回の探検にまで遡る。 「何も山奥ばかりが秘境じゃない。どこだって秘境なのだ。自分が生まれ育った実家でさえも……。」 隊員Aはこの世界をあまりにも正しく理解してしまった。 この世界の当の姿。それはとうてい常人に耐えられるような代物ではない。。 酷薄なまでの真理が、隊員Aの神経をギリギリの領域まで追い詰めてしまった……。 「ねえ、ヨグ原さん、どこだって秘境、自分の家だって秘境だって言うのなら……僕たちはもう、どこにも行かなくてもいいんじゃないですかねえ? もう、どこにも行けないんじゃないですかねえ……」 隊員Aは、もはや僕の目を見ようともしなかった。まるでつまさきにでも語りかけているかのように、彼はうつむいていたのだった。 秘境は、真理と引き替えに、彼

    おれたち秘境探検隊vol.3―死の海岸と秘境の果て― - 未来の蛮族
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    mereco 2009/08/04
    かっこいい写真だ…
  • おれたち秘境探検隊vol.1―東京の廃村― - 未来の蛮族

    幼児性の抜けきっていないおれは、傘を持つたびに自分を剣士だと錯覚してしまう。しかも、実際は幼児以下であるところのおれは、自分がどのような剣士であるのかさえもあやふやなままで、一歩ごとにサムライになったり、ナイトになったりする。もちろん、おれは剣士ではない。誰だって剣士ではない。しかし、傘を持ったときでさえ剣士になれないような石ころ野郎に、いったい何の用があるというのだろうか。少なくともおれはそんな人間には興味がない。 そんな事ばかり言っているから、おれの周りからまともな人間がどんどん離れていってしまったのだろう。今では、視界に入るのは妙ちきりんな人間ばかりだ。妙ちきりんといっても、彼らは、そしておれは、妙ちきりんなままでこの社会を生き抜くことなどできないことを知っている。 おれたちはきっと、陸に上がった魚のようなものなのだ。海の不在に口をぱくぱくさせながら、大地に点在する沼地を渡り歩くこと

    おれたち秘境探検隊vol.1―東京の廃村― - 未来の蛮族
    mereco
    mereco 2009/05/18
    ひゃー!カッケー!
  • 動物たちの春だから - 未来の蛮族

    チンパンだって、春だから。 爬虫類だって、春だから。

    動物たちの春だから - 未来の蛮族
    mereco
    mereco 2009/04/06
    春!!!!!
  • メタルな風景 - 未来の蛮族

    福満しげゆきが弁当ってそうな階段。

    メタルな風景 - 未来の蛮族
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    mereco 2009/03/21
    チュンチュン階段
  • 静林の如く、女を語れ! 第二章 ともさかりえ - 未来の蛮族

    はじめに断っておくが、僕はともさかりえに恋したことはない。それどころか、僕は彼女について、何一つ語るべき言葉を持っていないのだ。かろうじて、顔がうつみ宮土里に似ているナア……というような感想を持つくらいである。僕にとって、ともさかりえは「語るもの」ではなくて、常に「語られるもの」だった。椎名林檎は、彼女を評して、「きれいで儚い人」だと語った*1。伊集院光は、「微妙な顔なのに美人扱い」「顔が曲がっている」といったような、かなりひどいことをラジオで喋っていた。(深夜の馬鹿力でそのようなことをよくネタにしていたように記憶している)。そのどちらも、僕にはいまいちピンと来なかったのだけれど、不思議に心の隅にひっかかってしまって、今日に至るまで忘れることができなかった。ともさかりえ自身よりも、ともさかりえについて語る彼らのことが気になっていた。僕には、彼らがともさかりえにかこつけて、他の何かを語ろうと

    静林の如く、女を語れ! 第二章 ともさかりえ - 未来の蛮族
    mereco
    mereco 2009/02/25
    ともさかりえ鏡の法則や!
  • デイドリームはチャイナタウンで - 未来の蛮族

    春節*1の横浜中華街に行ってきました。 北京ダック。 もちろん、そのような高級材を注文するお金などあるはずもなく、 僕はトランペットを前にした少年のように、ただひたすらショウウインドウを眺めていました。 実際に僕がべたのは、海老ワンタンと牛の牡蠣油炒め。美味しかった! 昼を終えたあとも、僕は調子に乗って饅頭だのゴマ団子だのをべ歩いていたので、 太陽が傾きはじめるころには、お腹がはちきれんばかりのありさまになってしまいました。 くちくなった腹が頭の働きを鈍らせ、眠気を誘い出してゆきます。 僕は朦朧とした意識のまま、街をさまよい歩きました。 ……歩いていたように思います。 そうして、気がつくと、不思議な路地に迷い込んでいたのです。 「台」「南」「小」「路」と書かれた提灯の上に、台湾の国旗がひらめく。 春節で賑わう中華街の喧騒も、この路地までは届いてこない様子で、夢の中に迷い込んでしまっ

    デイドリームはチャイナタウンで - 未来の蛮族
    mereco
    mereco 2009/02/04
    中華街って胃の容量的にどう考えても選べない選択肢をせまられて発狂しそうになるわ…
  • オバマ - 未来の蛮族

    大暮維人はアクロバティックなストーリー展開に定評のある漫画家ではあるけれど、さすがにここ最近の「エア・ギア」の展開にはちょっと空恐ろしいものを感じる。オバマ次期大統領が登場したかと思ったら、主人公のチームメイトの女の子と脈絡もなく「オレがオマエでオマエがオレで」になってしまったのである。この漫画の中のオバマは、スゴいローラースケートで夜の街を駆け抜けるカッコいい大人として描かれており、どうやら自由のために闘う闘士でもあるらしい。 極東の島国の漫画にまで、わけのわからない登場をしてしまうオバマ。こんな大統領もなかなかいないだろう。ブッシュ大統領もよく漫画に登場する人物であったが、多くの場合、彼は漫画の中では典型的な権力者、腐敗した独裁者として描かれていて、エア・ギアの主人公イツキから「イカスね この人 俺らなんかより よっぽどガキだぜ!」なんて賛辞を贈られるような扱いを受けたことはほとんどな

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    mereco 2009/01/17
  • 悪の海岸 - 未来の蛮族

    僕がまだ若く、心がいまよりもずっとざわめいていたころ、海岸には巨石が林立していて、若者たちはそこで各々のささやかな悪を育くんでいた。波にえぐられ、きのこ状に形を変じた岩陰は、野暮天な大人たちや、洒落の通じない警官どもから身を隠すにはもってこいの場所だったのだ。もちろん僕も、そうした若者のひとりであったので、夏が来るたびにあの岩陰に出向き、ここではとても書けないような悪の実践に励んでいた。 岩陰は無数に存在していたけれど、自分のお気に入りの実践場を見つけることは、決して簡単ではなかった。海岸には、日語、英語中国語、ハングル、あるゆる言語が刻まれたゴミが流れ着いてくる。そうした中で、潮風と海流に守られた、ゴミを寄せ付けない場所を探さなければならないのだ。その他にも、草の生え方や、岩の丸められ方など、考えるべき要素はいくらでもあって、それらの条件を全て満たした場所となると、長い海岸線の中にも

    悪の海岸 - 未来の蛮族
    mereco
    mereco 2009/01/12
    わたしの高校時代はカラスが酔っ払いのゲロをつついてる通学路と皮膚病のボラが泳ぐドブ川とともにあったので、海のある高校生活がうらやましいです
  • さよなら飲むヨーグルト - 部屋から一歩も外に出ないガイドマップ〜沖縄編〜

    いよいよ夏休みですね。僕の地元である沖縄県にとってはまさにかきいれ時!絶対に稼がねばならない時期であるわけです。地元愛がピースなヴァイブスによって溢れんばかりにエンハンスされているid:yoghurtとしては、ここは当然、観光客増加に益するようなエントリを書きたい!そう思っていたのですが、私は沖縄人であるとともに一人のはてな市民でもあるわけです。はてな市民の90%は自分の地元に対していい感情を抱いていないとの統計結果はあまりにも有名ですが、かくいうおれもまた自分の生まれ故郷に対しては愛憎相半ば反す*1といった状態であり、そもそも僕の実家は観光産業でっているわけではないので、観光客が増えたところで、道が混雑するばかりでメリットなどあるかといえば、とくにない……。 しかし、そのような狭い視点で物事を捉えていては良いはずがない。道が混むからといって「わ」ナンバーを遠ざけていては、沖縄のような孤

    さよなら飲むヨーグルト - 部屋から一歩も外に出ないガイドマップ〜沖縄編〜
    mereco
    mereco 2009/01/09