「大将、なんやったら、全部脱ぎますよ」 先週金曜放送の連続テレビ小説「マッサン」第23回、鴨居商店の「太陽ワイン」の新しいポスターを撮影する場面で、モデルのみどり(柳ゆり菜)の口から出たこのセリフに、ドキッとした視聴者も多かったのではないか。ドラマではこのセリフに、大将こと鴨居商店社長の鴨居欣次郎(堤真一)も「そうしよう!」と応じ、モデルは大胆にも着物をすべてはだけてしまう。 これに戸惑う主人公の亀山政春(玉山鉄二)から、その意図を問われた鴨居は、美容と健康を売りにした太陽ワインの宣伝には、水をはじくほどみずみずしい肌の張りが必要なのだと熱弁をふるうのだった。 鴨居欣次郎のモデルとなったのは、現在のサントリーの創業者の鳥井信治郎である。1899(明治32)年に大阪で鳥井商店を創業し、太陽ワインならぬ「赤玉ポートワイン」で当てた鳥井は、1921(大正10)年に店を株式会社化し、その名も寿屋(