日銀が1月末から始めたコマーシャルペーパー(CP)買い入れが、劇的な効果をもたらし始めた。企業が発行する際のCP金利は先月後半から急速に低下、ついには短期国債を下回った。効果絶大とはいえ、リスクフリーの国債よりCPの金利が低い「官民逆転劇」は、市場機能に照らすと理屈に合わない。介入が効き過ぎてしまい、局所的な「バブル」が発生したと言えよう。市場機能を最も重視する日銀が、皮肉なことにそれを破壊してしまった。 日銀が買い入れ方針を表明した昨年末以降、CPの発行金利は低下を続け、とりわけ2月後半から下げが顕著に。その頃、0.8%前後で発行されていた銘柄は3月に入ると、0.2%台前半まで急低下。11日に大手自動車メーカー系ファイナンス会社は3カ月物を0.20%で発行し、同期間の短期国債利回り(0.25%前後)を下回った。 金利が下がれば、発行企業の資金調達は楽になる。日銀のCP買い入れは、3月末決