富士山噴火に備える 出版社: 岩波書店 発売日: 2023/2/21 万葉集が編まれた頃、富士山の頂上から噴気がなびいていた。つまり、当時の人々は富士山が「生きている」ことを知っていたのである。その後は何回も噴火を繰り返したが、最近の富士山はいたって静かである。 そして前回の噴火は江戸時代中期の1707年だから、日本人は300年ほど富士山の活動を目撃していない(小山真人著『富士山』岩波新書)。 日本最大の活火山である富士山は、現在「噴火スタンバイ状態」にある。もし近い将来に大噴火すれば、首都圏を含む関東一円に大きな被害を及ぼす恐れがある。実際、富士山は災害規模でも日本一なのだ。 本書は岩波書店の月刊誌「科学」に書かれた富士山の記事を編集したもので、火山学の最新知見とともにハザードマップの見直しや防災の課題などを一般読者向けに分かりやすく解説する。 第1部「富士山噴火に備える」、第2部「大噴