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『分水嶺』専門家たちの葛藤を描いた傑作ノンフィクション - HONZ
何か不測の事態を前にすると、本読みの習性でつい本に手が伸びてしまう。 中国・武漢で発生した原因不明... 何か不測の事態を前にすると、本読みの習性でつい本に手が伸びてしまう。 中国・武漢で発生した原因不明の肺炎に世間が注目し始めた頃、読み直さねばと書棚からひっぱり出したのは、『パンデミックとたたかう』という本だった。 この本は、SF作家の瀬名秀明氏が東北大学医学系研究科教授(当時)の押谷仁氏と新型インフルエンザについて議論を交わしたものだ。2009年に出た本だが、押谷氏の発言に教えられるところが多く、その名が強く印象に残っていた。 付箋を貼っていたところをいくつか抜き出してみる。 「感染症の危機管理の基本は、わからないなかで決断をしなくてはいけないことです。その最終的な判断は、やはり政治家がすべきだと私は思います」 「ウイルス性肺炎は、現代の医療現場でも、治療するのが非常に厳しい肺炎です」 「重症者が多発した場合の治療の課題は、医療体制の問題として、日本はICUのベッドや人工呼吸器が限られてい
2021/04/20 リンク