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ブックマーク / shokenro.jp (16)

  • 偽文士日碌 二〇一一年 九月二十三日(金)

    昨日は台風のために増水した川を次つぎに眺めながら、新幹線で上 京。 午後二時に、講談社から独立して星海社の重役となった「ファウス ト」の太田克史が、アニプレックスの岩上敦宏を伴ってやってきた。 この岩上君も、三年前に来た時よりも出世していて執行役員、第二企 画制作グループの代表である。太田君はわが「ビアンカ・オーバース タディ」第二回が掲載されている「ファウスト」の八号を、印刷所か ら直接持ってきた。つまり原稿を渡してから今日まで、なんと三年も の月日が流れているのだ。あまりのことに、「君は月日的にはまった く信頼できない」と言うと、しきりに謝っていた。 そのくせビアンカの続きをできるだけ早くと催促する。「ファウス ト」は次号で解散らしいが、もう続きを次号に掲載するため三年も待 つことはできないから、勿論、最終回のみは書下ろしで単行となる のだ。来年早早ににしたいので、年内に書いてくれ

    偽文士日碌 二〇一一年 九月二十三日(金)
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    mickn 2011/09/30
    笑犬楼大通り 偽文士日碌 九月二十三日(金)
  • 笑犬楼大通り 偽文士日碌 二〇一〇年 十一月二十三日(火)

    三時、丹羽君が迎えに来てくれて、お台場のカルチャーカルチャー へ四時前に到着。ゼロアカ道場以来である。オールの山田君、平石・ 尾川両君もすでに来ている。朗読に備えてのど飴を頼んだら、山田君 は近くに店がなく駅まで買いに行ってくれた。わが作品名を冠した飲 物のメニューがあり、客に供するらしい。最高級有機質カレーなど というのもある。われわれもウィークエンド・シャッフルというノン アルコールのジュースを頼む。 ちょっとしたリハーサルののち五時開場。店長の横山シンスケが、 先に席の確保をと声を枯らすが客はすぐに物販の前に黒山の如く立っ て署名が飛ぶように売れて行く。我われは楽屋でモニターを見なが ら、あっ、ジュヴナイルのセットが売れただの、誰それが来ているな どと騒ぐ。カメラマンの山元君、朝日の大上朝美も到着。そして六時 開演。 まずはウィキペディア修正。丁寧にやっているとダれるのであっさ

    笑犬楼大通り 偽文士日碌 二〇一〇年 十一月二十三日(火)
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    mickn 2010/11/25
    ビアンカ・オーバースタディの続きの話が
  • 笑犬楼大通り 偽文士日碌 二〇一〇年 十月十三日(水)

    午後二時、文藝春秋・丹羽君が出版メディア担当の目崎敬三と、東 京カルチャーカルチャー店長の横山伸介をつれて来宅。十一月二十三 日の火曜日(勤労感謝の日)お台場の東京カルチャーカルチャーに て行われる「筒井康隆作家生活五十周年記念~現代語裏辞典ライブ」 の打合せである。これは飲しながらのトークイベントであり、開場 十七時・開演十八時・終演二十時で定員は百二十名。前売券が二千八 百円から三千円。たちまち売切れになりそうである。来られない人は 生ライブのネットから参加していただくことになる。 まずはスクリーンにウィキペディアの「筒井康隆」を修正できる状 態で映し、この間違いを生ライブで修正しながら、作家生活五十年を 振り返る。次いでネットやツイッターで集めた「筒井康隆への質問」 におれが答えるというトーク。続いて「現代語裏辞典テスト」という のを行う。これはに収録されている項目、収録されてい

    笑犬楼大通り 偽文士日碌 二〇一〇年 十月十三日(水)
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    mickn 2010/10/15
  • 偽文士日碌 二〇一〇年 七月二十三日(金)

    「漂流」で紹介したため、丸谷才一「女ざかり」が以前の増刷では間 に合わないほど売れているらしい。丸谷さんからは一度、お礼のはが きを頂戴したのだが、その後文藝春秋の村上和宏からメールで、さら に増刷するので、あの「ただごとでない面白さ」というのをオビに使 わせてくれと言ってきた。丸谷さんもそれを希望しているというので 了解したところ、また丸谷さんからお礼のはがき。他にも何やかやと 申し上げるべきことがあったので、返事を書いて封書で投函。 「漂流」は最終回のハイデガー「存在と時間」を脱稿し、発送。これ にて無事「漂着」。大上朝美からは打上げの日時などを訊ねてきた。 暑い中、それも午後の二時に文藝春秋の丹羽君が「現代語裏辞典」 の見刷りを持ってきてくれる。造、装丁、共にすばらしい。彼は おれの名前でTWITTERを開設し、毎回「裏辞典」の一項目をと りあげてつぶやいているらしい。ツイッター

    偽文士日碌 二〇一〇年 七月二十三日(金)
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    mickn 2010/07/26
  • 偽文士日碌 二〇一〇年 七月六日(火)

    今朝、深夜の一時ごろ、誰かがドアチャイムを鳴らした。ただ者で はあるまい。光子はモニターを見て「あの子だ」と言う。われわれ夫 婦の上京前の三十日、庭仕事を頼んでいる庭師の野末さんが仕事して いると挙動不審な青年がやってきて、いつまでもチャイムを押し続け た。野末さんが応対すると、おれの熱烈なファンだと言い、おれとは 始終電波で交信しているなどと言い、果ては家の前の道路中央に土下 座して祈るなどの行為に及んだという。野末さんは警察に電話して来 てもらい、青年は保護された。野末さんが向かいのビルの警備員から 聞いたところではこの青年、それまでにも二度来ていたらしい。野末 さんから男の年格好を聞いていた光子は、おそらくその男性がまた来 たのだろうと言う。ほっとけば帰るだろうと思ってほっておいたとこ ろいつまでも帰らず、二時ごろまで断続的にチャイムを鳴らし続け、 さらには庭に入ってきたらしく砂利を

    偽文士日碌 二〇一〇年 七月六日(火)
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    mickn 2010/07/14
  • 笑犬楼大通り 偽文士日碌 二〇〇九年 十一月十二日(木)

    表参道、年末の欅並木の電飾、今年からまた復活するということを 聞く。不景気なので盛りあげようとしているのだろうが、あれをやる と夜はタクシーの猛烈な渋滞となり、わが家に入ってこられなくなる のだ。困ったものである。 午後二時、新潮新書編集長の後藤裕二、わが担当の阿部君、「yo m yom」誌の担当・楠瀬君が来宅。後藤さんは「バカの壁」で養 老さんの聞き書きをやり、ベストセラーを出した人である。阿部君に は「アホの壁」の続稿二十枚ほどを渡し、第四章「人はなぜアホな計 画を立てるか」と第五章「人はなぜアホな戦争をするのか」の参考資 料を受取る。楠瀬君には短篇「アニメ的リアリズム」を渡す。あまり いい出来ではないことをことわり、これがわが最後の短篇となるであ ろうことを通告する。実際、もう短篇は書けないと思う。どんなアイ ディアを思いついても過去のいずれかの作品に似ているのだ。 しばらく歓談。な

    笑犬楼大通り 偽文士日碌 二〇〇九年 十一月十二日(木)
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    mickn 2009/11/16
  • 笑犬楼大通り 偽文士日碌 二〇〇九年 七月二十四日(金)

    角川書店の新名新が迎えに来てくれて、日比谷のワーナー・ブラザ ース試写室へ。マスコミ関係者で満杯だ。聞けば五十人ほどが入場で きず、ことわったというから、えらい評判である。大劇場での試写会 には二千人が入り、立ち見や通路に座るなどして、終るとすごい拍手 であったともいう。ここでも入れない客が出て、二回上映したとやら である。 細田守監督の新作「サマー・ウォーズ」は、のっけからワーナーの タイトルでわくわくさせられてしまう。出だしも自信たっぷり、面白 いぞという期待を否応なしに抱かせようという魂胆。 今回は予算もたっぷりあるため、コンピューター内の仮想世界の映 像も思いっきり凝っている。さらには地方の旧家の豪邸も、多過ぎる ほどの親戚もよく描けている。そのたくさんのキャラクターの描き分 けがまた、みごとである。富司純子が声をやっているお婆ちゃんなど は特にキャラが立っている。 旧家を中心とし

    笑犬楼大通り 偽文士日碌 二〇〇九年 七月二十四日(金)
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    mickn 2009/07/27
  • 笑犬楼大通り 偽文士日碌 - 二〇〇九年 七月十四日(火)

    もうあの笑顔は見られないのか。悲しくてしかたがない。 行けなくて残念だったが、昨日は平岡正明の葬儀だった。山下洋輔 が素晴らしい弔辞を読んだらしい。 煙草もやらず酒も飲まず、大山倍達と友達だったというほど太極拳 に打ち込んでいた平岡正明が、まさか六十八歳で死ぬとは思わなかっ た。聞けば高血圧で悩んでいたという。そう言えば効果があると聞い て蓴菜を送ってやったこともあったなあ。 いつも言うことだが、年下の友人に死なれるくらいこたえることは ない。山下洋輔、どんな弔辞を読んだのだろう。 今日は二時に毎日新聞の宮辻政夫がインタヴューにやってきた。平 岡正明の話も出る。宮辻政夫も昔なじみだが、彼もまた酒も煙草もや らないと言う。今日のテーマは老人問題だったが、話は多岐に及び、 ついうかうかと今考えているアイディアをいくつか話すが、聞けば関 西だけでなく、せっかくのインタヴューだから全国版に載せよう

    笑犬楼大通り 偽文士日碌 - 二〇〇九年 七月十四日(火)
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    mickn 2009/07/14
  • 偽文士日碌 二〇〇九年 六月九日(火)

    新聞に連載を始めると、一週間経つのが実に早い。「マテオ・ファ ルコーネ」が載って、もうすぐに次の、手塚治虫「ロスト・ワールド 〈前世紀〉」のゲラが出て、しかも新聞の最終校了は木曜日だから、 直して三日で掲載されるわけであり、なんだかおちおちしていられな い。「朝のガスパール」の時にはこんなに気ぜわしくもなく、間違い も少なかったように思うが。 と、いうわけで、次のトオマス・マン「ブッデンブロオグ一家」を 入稿したあと、今日はサバチニ「スカラムッシュ」を書き、ウェルズ 「宇宙戦争」の下調べをし、宮沢賢治「風の又三郎」を読み返す。み な中学生時代に読んだきりだから、忘れている部分が多いのだ。さら にテレビ東京「ジャパン・オールスターズ」の「日人ならこれを読 め」で、一昨日は新田次郎「八甲田山死の彷徨」をやったので、次の 横光利一「機械」も読み返し、勉強しておかなければならない。さて 「機械」

    偽文士日碌 二〇〇九年 六月九日(火)
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    mickn 2009/06/09
  • 偽文士日碌 二〇〇九年 四月二十四日(金)

    草彅剛が公園で、全裸になって叫んでいて逮捕された。よほどスト レスがあったのだろう。テレビドラマ「フードファイト」で共演して いて親近感があったので、可哀想でならない。マスコミの正義感ぶっ た騒ぎかたはひどいもので、麻薬でもやっていたかのような糾弾ぶり である。たかが裸ではないか。おれも学生時代は酔っぱらって京都御 所内で裸になったし、今だってホームレスが全裸になり、公園でから だを洗ったりしている。なんで草彅だけがと思う。たしかに昔から芸 人の酒の上での失敗は大きく報道されたが、それは面白がって報道さ れたのであって、今回みたいに番組降板なんて不粋なことにはならな かった。つくづくいやな世の中になったもんだと思う。 今日は新たな契約のための来客があった。またしても「時をかける 少女」の映画化の契約である。いったいこの少女、どこまで稼いでく れるのやら。もうすでに撮影に入っていて、「今後の

    偽文士日碌 二〇〇九年 四月二十四日(金)
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    mickn 2009/04/27
  • 偽文士日碌 二〇〇九年 二月十九日(木)

    朝日ネットの山社長、森田真基、市川恵理が、梅村守と一緒にや ってきた。梅村氏は朝日ネットをやめてすぐ、葉子夫人と共に豪華客 船で世界一周旅行に出かけ、帰ってきたばかりで、今日はその挨拶で ある。森田君と市川さんはこのブログの面倒を見てもらっている人た ちだが、縦書きソフトがなくなったことを嘆くと、社長ともども開発 を考えると言ってくれた。実現すれば有難いことだ。 夜は光子と世田谷パブリック・シアターへ大駱駝艦の公演を見に行 く。案内状をくれた村松卓矢は伸輔の友人で、武蔵野美大時代、一緒 にインド冒険旅行をした仲である。今は大駱駝艦で麿赤児の次の座を 占めている踊り手であり、自分のグループも持ち、その演出をし、ニ ューヨーク公演もしている。 病気の後なので心配していたのだが、麿赤児、よくからだが動いて いた。踊りは相変わらず怖い。そして滅茶苦茶面白い。若い連中がた くさん育ってきているのも

    偽文士日碌 二〇〇九年 二月十九日(木)
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    mickn 2009/02/23
  • 笑犬楼大通り 偽文士日碌 - 十二月一日(月)

    ほうら見ろ。裁判員候補予定者に選ばれたということを公表するや つが次つぎにあらわれている。家庭内や職場内で話すのはよいとされ ているのをよいことに、SNS「mixi」の日記や自分のブログで 自分の名前を公表している者がいる。おれが危惧したのはこれだ。こ ういう浮かれたやつが、いずれ正式に裁判員となった暁、裁判の内容 をうかうかと書くのではないかということだ。いうまでもなく守秘義 務に違反した者は有罪とされ、六か月以下の懲役、五十万円以下の罰 金である。 一方では、辞退したいという電話もたくさんかかっているそうだ。 おれとしてはこうした人びとの方がよく理解できる。こういう人たち にまで「国民の義務」を口実に理解や協力を得ようというのはおかし い。国民的行事と謳うのはよいが、参加希望者に限るべきだ。おれの 場合は七十歳以上ということで辞退はできるらしいが、どうしても出 頭せよということであれば

    笑犬楼大通り 偽文士日碌 - 十二月一日(月)
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    mickn 2008/12/02
  • 笑犬楼大通り 偽文士日碌 : 九月十日(水)

    今までに何回か登場の、読者コメント九月六日の藤岡さんは、ミス テリ作家の藤岡真さんだった。あっ。なんということだ。十五年前、 おれと井上ひさしが小説新潮新人賞を与えた人ではないか。あのう、 作家の皆さんは、ここへ来られた時は名乗ってくださいね。こっちは そろそろ耄碌が始まっており、名前だけでは誰が誰だかわからなくな っております。 星新一のお嬢さんの星マリナさんからメールが来た。星新一公式サ イトのために書いた思い出話の礼状である。マリナさん、盗作問題で 頭を痛めているらしい。小学館から出た間瀬元朗の「イキガミ」とい う漫画が星さんの「生活維持省」に酷似していて、しかもそれが今度 は映画になるらしいのである。なんとかしてあげたいが、問題の「イ キガミ」という漫画を見ていないので、何とも言えないのは残念なこ とだ。マリナさん、父君の著作権を守るため、老齢のお母さんにかわ って努力している。感

    笑犬楼大通り 偽文士日碌 : 九月十日(水)
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    mickn 2008/09/11
  • 偽文士日碌 二〇〇八年 七月三十日(水)

    「銀齢の果て」が早くも文庫版となって出た。オビを見ると後期高齢 者うんぬんという記載がある。これを書いたのは三年前であって、そ の時には後期高齢者なんてことばはなかったわけで、だからこれは担 当編集者の石戸谷君が、時節に便乗すると同時に作家の予言力を誇示 して書いたのであろう。小説の通り、まさに「老人は死ね」という時 代になってしまった。そういえばおれも来年は後期高齢者である。後 期高齢者というのはつまり「もうその先はない」ということである。 いやはや何という身も蓋もない命名だ。 今日は「ビーバップ・ハイヒール」収録の日である。いつものよう に車が迎えに来る。最初の収録の前に、たむけんが皆に「お騒がせい たしました」と謝っているので、何かあったのかと訊ねると、彼の焼 肉店の名古屋支店で中毒が出たのだという。「何人死んだ」と訊く と、ひとりも死んでいないとのこと。なんじゃつまらん。それでも

    偽文士日碌 二〇〇八年 七月三十日(水)
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    mickn 2008/07/31
  • 笑犬楼大通り 偽文士日碌 七月十一日(金)

    この日碌へのコメントはレベルが高いので驚く。ドイツ在住の人が 「おれの血は他人の血」の独訳に対する現地の評価を紹介してくれた り、その他貴重な情報が多いのはありがたいことだ。 さて今日は、田中啓文のミステリー・ジャズ小説集「落下する緑」 (創元推理文庫)が送られてきた。著者は自身テナーサックスを吹く ジャズマンでもあり、ジャズの好きなSF作家の堀晃の紹介で山下洋 輔が解説を書いている。さらにこの田中啓文は、SF作家で役者でも ある北野勇作とのデュオでサックスと朗読のライヴもやっている。そ してその北野勇作の新作「レイコちゃんと蒲鉾工場」(光文社文庫) も送られてきた。読む楽しみができたことよりも、なんとなくわが人 脈とそのつながりに思いを馳せてしまう。山下、堀、北野三氏とも、 わがネット会議室のメンバーなのである。 さらに、さらに、今日はおれが推薦文を書いた八代嘉美の「iPS 細胞 世紀の

    笑犬楼大通り 偽文士日碌 七月十一日(金)
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    mickn 2008/07/11
  • 偽文士日碌

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