文:久野雅志、吉川尚宏 日ごろ、我々は、やれ再生可能エネルギーだ、やれTPPだと、マスメディアでその都度とりあげられる話題に翻弄されている。しかし、10年後の日本を考えた場合に、本当に重要な制度や政策は何なのだろうか。仮に2020年にカメラを置くことができたとすると、2011年の日本はどのように見えるのだろうか。本稿ではさまざまなデータをみながら、現在の日本の政策課題を見直してみたい。1回目は高齢化問題である。 高齢化を逆手にとる「課題先進国」アプローチの賞味期限はあと5年 「課題先進国」とは東京大学の総長であった小宮山宏氏が名づけた言葉である。すなわち、現在の日本の姿は未来の地球の姿であり、日本が抱える現在の課題は、未来の世界が抱える課題であるとの認識をもてば、日本は世界に対して課題解決のソリューションを提供できる、というものである。政府も平成20年版通商白書において「我が国はアジアの課