争点らしい争点もないままに参議院選挙が終わり、政治の季節は過ぎ去ったような気持ちになっていたが、こんどはアメリカの経済があきらかに変調をきたしはじめた。いや、そんなことはとっくに分かっていたのだが、トランプ大統領の勢いに圧倒されて、国際経済の鉄則もかすんだかにみえていただけのことである。いま目にしているのは、来るべくして来たものにすぎない。ここに再掲載するのは、かなり前のもの(2018年10月15日付)だが、内容的にあまり古くなっていないところが、悲しいといえば悲しい。【以下再掲載】 安倍晋三首相は、10月15日の午後、臨時閣議を開いて、来年10月から消費税を8%から10%に引き上げる方針を正式に表明した。これはショックを緩和するため、早目に対策を提示することが目的だと言われ、すでに、引き上げの場合の対策費が軒並みならんでいるが、いまの日本および世界の状況を見誤っていないだろうか。 まず、