電波はEthernetで使われるような銅線ケーブルと異なり、デジタル信号をそのままの形で伝送することはできない。そこで、電波の形で送信できるように信号を変換するために「変調」と呼ばれる技術が使われる。ここでは基本的な変調技術について見ていこう。 データを電波として伝送しやすいように変換することを「変調」という。実のところ、どうして変調という変換作業が必要かというのは意外と知られていないのではないか。そもそも変調とは何のために必要なのだろうか。 電話回線を使うモデムを接続するシリアルケーブルや、プリンタを接続するパラレルケーブルは生のデジタルデータ(電圧変化による信号)を伝送させている。この生のデータは数メートル程度の短い距離を伝送させるのにはまったく問題ない。だが、数百メートルや数キロメートルといった長距離ではちょっとした雑音で信号の電圧変化を正しく検知できなくなり、データが壊れてしまう。