東京電力は23日、試運転中の福島第一原子力発電所の汚染水処理システムで、弁の開閉状況を示す監視モニターが正しく作動せず、誤ってバイパス用配管の弁を開けたまま運転していたと発表した。 汚染水の一部が吸着剤入り容器を通過しなかったため、装置の浄化能力が低下した可能性があると説明している。 東電によると、問題があったのは米キュリオン社製のセシウム吸着装置内を通過する汚染水の四つの流路のうち1系統。通常、汚染水は各系統でセシウムの吸着剤が入った容器を三つ通過することになっているが、バイパス弁が開いていたため一部が二つの容器を通らず出口まで流れていた。 バイパス弁は吸着剤を交換する時に流路を変えるために使う。監視モニターでは弁は閉まった状態だったが、現場で確認したところ開いていた。操作ミスではなく、装置を組み立てた段階から誤っていた可能性が高いという。この装置で放射性物質の濃度を約1000分の1以下