3月17日、天皇皇后両陛下の長女・愛子さまがご成年を迎えられたことを受けて、お一人で記者会見に臨まれた。会見の冒頭で「まずお答えに先立ちまして、昨夜の地震により、亡くなられた方がいらっしゃると伺いまして心が痛んでおります。御遺族の皆様と被災された方々に、心よりお見舞いを申し上げます」と述べられた。 愛子さまは初々しいご様子で宮内記者会からの質問に対して、一問一問丁寧に答えられた。どちらかというとゆっくりとしたお話しぶりからは、堂々とした貫禄も感じられたほどだ。
第100代、憲政史上64人目の内閣総理大臣となった岸田文雄(64)。政治家3世の出自と、生真面目でおっとりした人柄から、自由民主党の名門派閥・宏池会の「プリンス」と呼ばれてきた。だが意外なことに、文雄の祖父や曽祖父、彼らの兄弟らは戦前、故郷・広島を飛び出し「北海道」「台湾」「満州」という新天地で財を成す、果敢なフロンティア精神に富んでいたのだ。 日本領になりたてホヤホヤの台湾へ 岸田家は、安芸国賀茂郡奥屋村(現・広島県東広島市志和町奥屋)で代々「新出屋(あたらしや)」の屋号を持つ農家だった。明治維新とともに生まれた、文雄首相の曽祖父・岸田幾太郎(いくたろう、1867~1908)には商才があったようで、1891年ごろから農機具、種苗、呉服などを開拓地の北海道に卸し、北海道から昆布などの海産物を仕入れて広島などで販売するようになった。 さらなる業容拡大を目指す幾太郎は、1896年2月、妻・スミ
中森明菜が、表舞台から姿を消して4年が経つ。今年は彼女のデビュー40周年目に入る。これを記念して6月には1980年代を中心とした初期の全シングルを収めたボックスセットも発売された。 明菜の長きにわたる“沈黙”は、その才能が開花した80年代への郷愁をいやが上にも誘う。(「文藝春秋」2021年9月号より、全2回の1回目/後編に続く) ◆ ◆ ◆ 80年代は、熱に浮かされた時代だった。 校内暴力の嵐が吹き荒れ、若者はブランドブームを先取りした小説「なんとなく、クリスタル」に熱狂。その一方、マネーゲームに狂奔した男たちが引き起こした戦後最大の詐欺「豊田商事事件」が幕を開ける。 そして85年のプラザ合意を機に、為替相場は急激な円高、ドル安へと向かい、バブル経済が始まった。株価は上昇を続け、89年には日経平均株価が3万8915円の史上最高値をつけた。その空前の好景気は、“ジャパン・アズ・ナンバーワン”
岩場に波が打ち付ける海岸沿いから、穏やかな湾内に入ると、今度は漁船や養殖場の姿が見える。オフシーズンで静まり返った街並みは、海辺ののどかな田舎町と変わらない。 ホテル川久外観 青空に映えるオレンジ色の大きな城は、あたかも海に浮かんでいるようにも見える。一見して西洋風だが、どことなく東洋風でもある。そもそもこの街並みの中で、明らかに浮いていることは間違いない。 なんだったんだあれは? 調べると、城の正体は「ホテル川久」ということがわかった。1991年、バブル絶頂期に誕生したもので、もともとは「旅館川久」として1949年に創業した建物。 当時から私設雅楽団を持ち、連日雅楽を上演したり、猿芝居や、日本で初めての生バンド付きカラオケを開催し、多くの客で賑わった。昭和天皇や皇族も宿泊した歴史があり、このあたりでは屈指の木造純和風旅館だったという。 伝統、情熱、ロマンが凝縮された唯一無二の城 1989
2021年6月18日、札幌市の住宅街にヒグマが出没して、住民ら4人が襲われて負傷した。ヒグマは地元猟友会によって駆除されたが、なぜ人間と接するエリアにクマの出没が相次ぐのか。「2021年の論点」掲載の記事を再配信する。 ◆ ◆ ◆ それは、前代未聞の事件だった。 2020年8月8日深夜、長野県上高地にある小梨平キャンプ場には約250のテントが張られていた。 キャンプ場全体が寝静まった頃、東京から友人とハイキングに訪れ、1人用テントで就寝していた50代の女性は、突然テントが強い力で引っ張られるのを感じて、目を覚ました。思わず「助けてください!」と叫ぶと、移動は止まったが、次の瞬間、テントは一瞬で引き裂かれ、黒いものが襲い掛かってきた。 テントは15mも引きずられていた “犯人”は体重150kg(推定)のツキノワグマだった。 女性はクマの攻撃が緩んだ隙にトイレに逃げ込み、周囲の人の助けで病院に
9月に発足予定のデジタル庁。その舵取りを担うのが、担当大臣の平井氏だ。そうした中、4月7日に内閣官房IT総合戦略室でデジタル庁設置に関するオンライン会議が行われた。平井氏のほか、同室の向井治紀室長代理ら幹部2人が同席し、数十人の関係者がオンラインで視聴していたという。 会議の模様を収録した音声データには、以下のようなやり取りが記録されている。 平井「デジタル庁の入退室管理と、アクセスのね。それはさ、もう新しいシステムを実験的に入れてくれてもいい。松尾先生に言って一緒にやっちゃってもいいよ」 幹部「あっ」 平井「彼が抱えているベンチャー。ベンチャーでもないな、ACES(エーシーズ)。そこの顔認証、はっきり言ってNECより全然いい部分がある。だから聞いて。もうどこから撮ったっていけるし、速い。アルゴリズムがとっても優秀」 平井氏が絶賛するACES(同社のHPより) そして、この直後に朝日新聞が
Appleから登場した、持ち物追跡タグ「AirTag」。バッグや鍵などに取り付けることで、iPhone/iPadなどから置き場所を特定できるようにするこの製品、しょっちゅう持ち物を紛失する人にとっては神のようなツールとあって、iPhoneユーザの中には数個単位でまとめ買いをしている人も多いようです。 もっとも、iPhoneひとつあればその「居場所」が簡単に特定できてしまうことから、セキュリティの問題はどうしてもつきまといます。Appleは対策済みであると説明していますが、身に覚えのないAirTagが、いつの間にか自分の荷物の中に紛れ込んでいたらどういうことが起こりうるのでしょうか。知らないうちに自宅や職場の場所が発信されてしまう危険はないのでしょうか。そうした基本的な知識は、AirTagを使わない人であっても、ある程度知っておいたほうがよいはずです。 今回はそうした、AirTagを使うつも
キャッシュレス決済の利用者が急増している。 PayPay株式会社によると、2021年3月までの1年間で決済回数は20億回を突破。前年度の8億回と比較して2.5倍に増えたという。登録者数は3800万人、加盟店舗数は215万ヶ所から316万ヶ所へと拡大した。 キャッシュレス全体をみても利用者の数は確実に増えている。昨年3月に行われたインフキュリオンの決済動向調査によると、QRコードの決済利用者は1年間で12%から43%へと急伸。電子マネー決済の利用者も49%から60%に増加した。消費税増税のポイント還元でキャッシュレス決済に注目が集まり、その後、コロナ禍で非接触の決済を求める人が増えたことで、利用者が急拡大した。 もはやキャッシュレス決済なくして商売は成り立たない キャッシュレス決済に慣れてしまうと、お札や小銭を使うことが億劫になる。JCBがキャッシュレス決済の利用者に行った調査によると、「飲
新型コロナウイルスの流行にともない、真偽の不確かな医学情報が飛び交った結果、トイレットペーパーの買い占めや、納豆がスーパーの棚からなくなるなどのことが起こった。 そして、今も、ワクチンにかかわる真偽不明な情報がネットを中心に飛び交っている。ビル・ゲイツがマイクロチップを埋め込もうとしている、mRNAワクチンによってDNAが書き換えられる、など、枚挙にいとまがない。 どうして人は、真偽の不確かな情報を信じてしまうのだろうか? 特別にだまされやすい人がいるのだろうか? 性格の問題だろうか? それとも、単純に知識がないからだろうか? わたしは、昨年末、『自身を守り家族を守る医療リテラシー読本』(翔泳社)という書籍を上梓したが、その中で、「特別な人だけが誤情報を信じるわけではない」と書いた。誤情報にはもともと、信じやすくなるような心理的なしかけがある。占いを信じてしまう人の心理とも似ており、いい人
新型コロナウイルス感染症の蔓延により、誰もが「貧困」の当事者になりうる時代へと突入した。 日本の貧困について様々な場で問題提起をしている私のもとにも、2020年4月以降、コロナ禍で仕事を失ったり収入が激減したりで生活が破綻した人々からの連絡が相次いだ。緊急事態宣言下の休業要請で勤務先の飲食店が閉まったきり、そのまま退職を余儀なくされてしまった人。旅行客の足が遠のいたことで廃業に追い込まれた宿泊施設のオーナー。 この1年間、これまで経済的困窮とは無縁のように思われていた人々が、予想だにしていなかったであろう状況に飲まれていくのを嫌というほどに見せつけられた。彼ら彼女らは、何も「不測の事態」に備えて準備をしていなかったわけではない。リスクマネジメントを徹底し、「自助・共助」を尽くしてもなお、それを大きく上回る「個人の力のみでは一切太刀打ちができない打撃」に見舞われただけなのだ。 そんな時節に落
なぜ、美容師はモデハンをするのか。モデハンはなぜ減っているのか。今回はそんなあるある、美容師のモデハンについてです。 美容師とは切っても切れない「モデハン」とは かつて火曜日の原宿や表参道には、モデハンする美容師が溢れていました。ガードレールに腰掛けているお洒落な人は、ほとんど美容師だったんじゃないか、というほど。 ここ数年で街で声を掛けるケースは減ったと思いますが、美容師が声を掛けるのには3つのパターンがあります。 1.ヘアスタイル写真のモデルさん 写真映えする方に声を掛けるパターンです。業界では「サロンモデル」と呼ばれます。 ヘアカタログによく載っている方はプロのファッションモデルとは違いますが、写真を撮られることに慣れている、ポージングが出来るセミプロです。多くはバイトや副職として行なっており、撮影の際のカットやカラーは美容室が負担するためお金がかからず、少額ですが報酬を得ることがで
コロナ禍で、オフィス街のコンビニの売上激減で打撃が ーーオイルショックの際は〈三ツ山〉チロルチョコをひとつにし、駄菓子屋の減少に対してはコンビニエンスストアへの販路拡大と、ピンチをチャンスに変えてきた御社ですが、今回のコロナはさすがに堪えるものがありましたか? 松尾 コロナ禍のテレワーク推奨により人手が減り、オフィス街のコンビニエンスストアにお客様があまり来なくなってしまったんですよね。 弊社はコンビニエンスストアでの販売が、売り上げの大きな部分を占めているのでダメージになりました。去年の頭はそうでもなかったのですが、みなさんが外出を控えるようになった3月、緊急事態宣言が出た4月から5月はガクンと落ちました。 一方で、ファミリーパックみたいな大袋は伸びましたね。巣篭もりで週に1度、スーパーマーケットに買い物に出たお客さんが買ってくれたようです。 近年、チロルチョコが力を入れるミニサイズの「
大衆そば・立ち食いそば屋にあって、老舗そば屋にはないメニューとして、今まで「コロッケそば」、「春菊天そば」をお話ししてきた。去年12月「春菊天そば」について原稿を書いたところ、隠れ春菊天ファンが相当多数(推定4000万人!)いることがわかり、歓喜驚愕した。 実はもう1つ関東の老舗そば屋にはほとんどないメニューがある。それは「げそ天そば」である。 『いやいや、「げそ天」は関西のうどん屋にはあるし、西日本でもよく食べている』、『山形のそば屋では「げそ天」は定番だ』、『げそわさ、げそフライ、げそ唐揚げ、げそバター炒めなどは、居酒屋定番の全国区の人気メニューである』と言われると、おっしゃる通りなのだ。 「げそ」にあった悲しい歴史 しかし、特に、関東の老舗そば屋ではまず見かけない。その理由を紐解いていこうと思う。「げそ天」が立ち食いそば屋の人気メニューになるまでには、げそには悲しい歴史があったようだ
「遠い昔、はるか彼方の銀河系で……」 というタイトルカードと共に幕を開けた第一作「スター・ウォーズ」は、監督・脚本を務めたジョージ・ルーカスが創り上げた映画オリジナルの物語だ。帝国の圧政に立ち向かう姫が悪の手先に囚(とら)われ、伝説の英雄を父に持つ農家の青年が、数々の冒険の果てに敵の究極兵器を破壊することに成功し、自らもまた英雄となる話である。 誰もが共感できる青年ルーク・スカイウォーカーを演じたのは、マーク・ハミル。ミュージカルスターのデビー・レイノルズと歌手エディ・フィッシャーという両親を持つキャリー・フィッシャーが、勝ち気で現代的なレイア姫を演じている。そして、皮肉屋のならず者で、まるで西部劇からそのまま抜け出してきたような出で立ちのハン・ソロを演じたのがハリソン・フォード。 彼ら無名俳優たちの脇を支えたのが名優たちだ。「アラビアのロレンス」(1962年)や「ドクトル・ジバゴ」(19
まずハロプロ楽曲を聴くところから1日が始まる私にとって、たまらなく楽しみにしていた映画が公開される。ハロプロファンの青春を描いた「あの頃。」! ああ、私の「あの頃。」はいつなのだろう。コンビニで初聴きし、フリーズするほど感動した「サマーナイトタウン」。ASAYANでなぜか修行っぽいことさせられていた中澤裕子さんのソロデビュー「カラスの女房」が驚くほどいい曲で、買いに行ったっけ。友達に貸したアルバム「セカンドモーニング」、結局返ってこなかったけど、いいのよいいのよ。今でも愛され聴かれていますように。太陽とシスコムーンは永遠だよね……。 などなど今でも曲を聴けば鮮明に甦るハロプロに彩られた日々。今回は、そのなかでも異質な輝きを放っていた「プラチナ期」の恋愛ソングを軸に、タイムマシンの針を合わせてみようと思う。 「シャボン玉」的なの、もっと下さい! なぜプラチナ期なのかといえば、私が最も繰り返し
銚子電鉄が制作、公開中の映画『電車を止めるな!』を拝見した。正直に言う。おもしろかった。低予算B級映画として、B級らしさという意味でも上出来、後半はじんわりと涙する場面もある。制作者が社名にひっかけて「超C級(銚子級)」と自虐したけれど、それはダジャレを言いたかっただけの謙遜だ。 鉄道映画という狭い分野に閉じ込めてはいけない タイトルをあやかった『カメラを止めるな!』のように大爆笑という展開ではないし、某鬼退治アニメのように涙が溢れるほどではない。それでも物語はしっかりしているし、配役は舞台で活躍する実力派を揃えた。主役の銚子電鉄社長、蔵本勝介役はコウガシノブ。舞台で古賀司照の名で活動する個性派俳優だ。乗客の中心人物「心霊アイドル めむたん」役は末永百合恵。ドラマ『特捜9』にたびたび登場した。 有名人としては中田敦彦(オリエンタルラジオ)、日野日出志(怪奇漫画家)が友情出演。日野は銚子電鉄
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