東京電力福島第一原発でため続けている汚染水のタンクが、約3年後には満杯になるとの見通しを東電が示した。新たに選択肢に加わる長期保管を含めて保管を続けることに、東電は課題が多いと難色を示す。期限が区切られた中で、今後、処分ありきの議論になりかねない。 専門家でつくる経済産業省の小委員会は2016年以降、大部分の放射性物質を取り除いた汚染水について、海洋や大気への放出など五つの処分方法について議論を続けてきた。 通常の原発では、除去が困難なトリチウム(三重水素)を含む水は濃度が基準値以下であれば海に流している。福島第一原発で海洋放出となれば、すべてを処分するには長年にわたって海に出し続けることになる。昨年8月、小委員会が地元で開いた公聴会では、保管を続けるべきだという意見が相次いだ。風評被害による漁業などへの打撃が懸念されるためだ。直前にタンクの水に取り除くべき放射性物質が排出基準を超えて残っ