名古屋土産として知られる「納屋橋まんじゅう」などの和菓子について、製造販売の中止を公表していた「納屋橋饅頭万松庵」(名古屋市中区大須2)は10日、販売の最終日を迎えた。名古屋・大須に2カ所ある店舗には早朝から大勢の客が訪れ、惜しむように最後のまんじゅうを買い求めた。 大須本町通店では午前8時のオープン前、130人ほどの客が行列をつくった。1時間半並んで買った同市中区の会社員花本香織さん(40)は「いつでも食べられると思っていたのに。お店をどうするか悩まれた末の決断だと思うが、いつかは復活してほしいです」。 同市西区の会社員増田英幸さん(61)はまんじゅうを30個購入した。大好物という母(85)の影響で、幼少期から親しんだ味だという。「寂しいけれど、母と昔の思い出話をしながら一緒に食べ納めをしたい」と話した。