うなぎのかば焼きが宙に浮いた。「表面はパリッと、中身はしっとり」。昨年、国際宇宙ステーション(ISS)で、うなぎをほおばって食レポをする古川聡飛行士の映像が宇宙航空研究開発機構(JAXA)の公式動画に公開された。職人たちが完成までに要したのは、およそ5年。いくつものハードルを乗り越えられたのは、古川さんの言葉があったからだった。 古川さんが口にしたのは、レトルトパック入り宇宙日本食「スペースうなぎ」。長野県の岡谷市と松本市でうなぎ料理店を経営する観光荘(宮沢健社長)が開発した。 愛知県内の養鰻(ようまん)業者と共同開発した「シルクうなぎ」を使用している。かつて養蚕のまちだった岡谷の独自性を生かしたブランドうなぎだ。粉末状にした蚕のさなぎをえさに混ぜて育てている。 JAXAによる宇宙日本食の認証基準や審査では「いつ、どこで、だれによってつくられたか」というトレーサビリティーを必要条件の一つに
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