昨年度、JRA賞馬事文化賞を受賞した 「馬産地80話―日高から見た日本競馬」 。札幌大学経済学部の岩崎徹教授が記した異色の競馬書籍だ。学術書でもなければ、ノンフィクションでもない。その中間のスタンスに立ち、平易な文章で一章ずつ競馬を紐解いていく。著者は農業経済の視点から四半世紀に渡って、馬産地・日高を見つめてきた。この本が高い評価を受けた理由は、数々の統計資料とフィールドワークから馬産地の遍歴を振り返ることで、日本競馬の置かれている状況を炙り出すことに成功したからではないだろうか。 内容はテーマごとに80話に分かれ、どこからでも読み始められるようになっているが、競馬ファンが面白く感じるのは序盤の話が終わった19話以降だろう。競走馬経営、繁殖、育成、取り引きと、足を運んで得た日高の実態を客観的な事実を積み重ねて提示していく。例えば繁殖馬については、自己馬、仔分け馬、預託馬の3つの所有形態を図
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