書籍の復刊は新聞書評に載らない仕事です。書評に取り上げられるのは、あくまで新刊書だけです。海外文芸作品の「新訳」なら取りあげられる可能性もなくはありませんが、復刊ではまず無理でしょう。また復刊書がベストセラーになることも滅多にありません。表舞台に背を向けた、決して「主役」にはなれない仕事です。しかし、だからこそ読者の願いを本当に叶えることのできる仕事でもあるのです。 「復刊ドットコム」の活動は今年で12年目を迎えます。これまで5000点以上の復刊を実現させてきました。「復刊ドットコム」で復刊を実現する方法は、二つあります。一つは私たちが出版社交渉によって「ネット書店」として実現する方法。もう一つは私たちが「出版社」として実現する方法です(下図を参照)。 全体では前者が八割、後者が二割の占有率です。前者は投票数というマーケティングデータから、すべて私たちがリスクを負う買切仕入れです。復刊では