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  • 第66回国立大学図書館協会総会に参加して感じたオープンサイエンスへの潮流 | 大隅典子の仙台通信

    全国の国立大学附属図書館等を束ねる国立大学図書館協会(JANUL)という組織があり、その第66回総会が岡山にて開催され、館長として参加しました。全国86の国立大学、放送大学および5つの大学共同利用機関、計92の図書館が会員となっているので、各会員館から1〜3名程度が参加すると、総勢200名以上の大きな会合となります。伝統的にこの手の集まりには地区ブロックに分かれての活動と、各種委員会としての活動があります。 2日目の研究集会のテーマが今年は「オープンサイエンス」であったので、種々の現状を知ることができました。歴史的には図書館は、いわゆる「文系」的な立ち位置にありますが、そもそもは理系も文系も無いプトレマイオス朝の時代からアレクサンドリア図書館は存在していたので、ある意味、ディジタル時代に図書館が情報科学と近づいたのは古典回帰のようなものでもあると思います。すでに「国立大学図書館協会ビジョン

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  • 学術雑誌の行方 | 大隅典子の仙台通信

    一つ前の告知記事で今年の最後にしようと思っていましたが、日、大晦日、学術雑誌の未来についての論考を掲載します。関連して、来年4月に日学術会議主催で「危機に瀕する学術情報の現状とその将来 Part 2」というフォーラムが開催される(リンク先はPDF)ことの告知と、過日のSPARC Japanセミナーの報告サイトについてもお知らせします。(東北大学附属図書館としての見解ではなく、個人の一意見です) 学術雑誌の始まりはおよそ17世紀。厳密に言えば最古ではないとのことですが、現在でも続いているのが『ロンドン王立協会紀要(Transaction of Royal Society of London)』という雑誌で、王立協会の事務局長であったHenry Oldenburgという方が始めたのだそうです(詳しくは、赤松幹之博士が「情報管理」に載せた書評「学術雑誌はいかにして始まったのか」(リンク先はP

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  • 附属図書館長になりました | 大隅典子の仙台通信

    世界最古の図書館は、紀元前300年、プトレマイオス朝の頃にエジプトのアレクサンドリアに作られたものとされています。以来、種々の文書を集めた場所こそが学術の殿堂と考えられてきましたが、今世紀に入ってヴァーチャルな情報の量も重要性も増し、図書館の役割も変化してきています。 数年前に改修された学附属図書館館は、一階のスペースのかなりの部分は、机と椅子とPC端末が置かれ、学生さんが調べ物をする、グループ学習するなどの目的に使われるようになりました(「ラーニングコモンズ」と呼ばれています)。

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  • 価値ある博士号取得者に必要なのは「問題解決力」以上 | 大隅典子の仙台通信

    昨日、生化学若い研究者の会(通称:生化若手の会)主催のフォーラム「価値ある博士号取得者になるために必要なこと」に呼ばれてお話をしてきました。 3人の講演の前に「生命科学夏の学校」で行ったアンケート「質の高い博士号取得者はどのような素養を身につけた人材であるか」の結果として、上位に「問題解決力」「コミュニケーション力」が挙げられたということが紹介されました。講演後のパネル討論ではそれを受けての議論があったのですが、「問題解決力は<普通>であり、質の高い博士号取得者を目指すのであれば、それ以上でなければならない」という点において登壇者の意見が一致していました。 「問題解決力」という言葉からは、「問題はどこかから・誰かから与えられる、それを解決する」というような意識を感じます。おそらく、大学受験、大学院受験までは、そういう能力を鍛えるように訓練されているのだと思います。でも、大学院以降は、一流の

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  • 科学者は競争的すぎる環境に付いていけない | 大隅典子の仙台通信

    では平成7年に「科学技術法」が制定され、国の施策の基に科学技術を据えることにしました。5カ年ごとに「科学技術計画」が定められ、現在は平成23年に閣議決定された「第4期科学技術計画」の元に施策が立てられています。平成28年からは第5期の開始となるので、そろそろ次の計画をどうするか、という話も出始めているようです。 1990年代からいわゆる「大学院重点化」が開始され、科学技術を支えるには博士号を持った人材が必要であるという観点から、大学院生の定員が増やされてきました。そのような大学院生の次のキャリアパスとして博士研究員(ポスドク)がありますが、平成8年からの第1期の計画において「ポストドクター1万人支援計画」が策定され、ポスドクの数も増えることになりました。このようなポスドクの多くは、プロジェクトごとに雇用される有期雇用者です。したがって、5年などの任期が終了すると、次の就職

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  • 森口騒動と大学広報 | 大隅典子の仙台通信

    まぁ、絶妙のタイミングであったために、人の意図以上に注目を集めることになった森口氏の捏造騒動だが、この件は医学系研究科の広報室長を務める身としても、なかなかに考えさせられることが多かった。 いくつかの国内外の科学不正が問題となった後、2006年に日学術会議から「科学者の行動規範(PDF)」が表出されたが、年になって発覚したケースが、京都大学の研究費不正使用、東京大学や東邦大学の論文捏造と相次いでいるのはなぜなのか? ここでは研究費不正使用の話はとりあえず脇に置いて、森口氏の論文捏造の方を考えてみる。 今回の森口氏のケースの最初の告発は、近い研究分野の研究機関に所属する方が「iPS細胞を使った世界初の心臓移植手術」という10月11日の報道に疑義を挟み(下記リンク参照)、同日のうちにハーバード大学からの否定、国際会議での発表取り下げとなったのだが、さらに、ただちにこれまで発表された論文に

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  • ガードン卿と山中博士の受賞対象論文から考察するノーベル賞 | 大隅典子の仙台通信

    アルファブロガーのChikirinさんのツイートに以下のようなものがあって、我が意を得たり、と思いました。 メディアには「日からノーベル賞受賞者が出たら、これとこれを報道すればいい」みたいな “型”がある。1,生い立ち、2.挫折経験、3.技術の説明、4.将来どう役立つかのイメージ、みたいなね。もうちょっとゼロから何を報道すべきか、自分のアタマで考えてほしいと思ったりもするよね。 だから、という訳でもありませんが(笑)、あまり報道されないようなことを拙ブログに載せておこうと思っています。 なお、拙ブログの文章は正式な論説というよりも、いつかそういうものを書くことがあったら、の叩き台と思っていますし、どなたかが私のブログにヒントを得て、もっとしっかりしたものを書かれてもまったく構いません。 日はタイトルのとおり、ガードン卿と山中博士の受賞対象論文を比較します。 ノーベル財団のHPに掲載され

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  • 山元町事前調査&小谷元子先生の本棚フェア@書泉グランデ | 大隅典子の仙台通信

    日は、早朝から亘理郡山元町の公民館で行われた集団検診におじゃましてきました。 東北メディカル・メガバンク事業で来年度から格的に行うゲノム・コホート事業の事前調査を行う疫学の先生方やコメディカル・スタッフさんに、広報担当として同行しました。 当は朝、5:45に大学集合でバスに乗って行くはずが、大寝坊……orz(皆様ごめんなさい) 自力で仙台駅〜(常磐線30分)〜亘理駅〜(タクシー15分)〜山元町公民館というルートで向かいました。 検診は7:15開始ということで、すでにその時間には多数の住民が集まっていたとのこと。 検診を待つ間に、東北メディカル・メガバンク事業について、どの程度知られているか、事業に参加してもいいか、などをアンケート用紙に記入して頂きました。 回答は150くらい集まっていたと思いますが、概ね「是非、参加したい」か「参加しても良い」でした(追ってきちんとした報告が為される

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  • 日本のアカデミア人材育成が危ない・その2関連資料など【追記】 | 大隅典子の仙台通信

    「日のアカデミア人材育成が危ない・その1」のポストにコメント頂きましたので表示しております。 ご質問に調べてお答えする時間が今、取れませんが、追って対応致します。 Facebookの方に頂いたコメントを掲載致します。 ***** 榎木 英介 「博士漂流時代」http://www.amazon.co.jp/gp/product/4887598602 にも書きましたが、大学院重点化(1990年台初頭)はこれから科学技術人材の需要は増えるという予想が立てられていて、ポスドクが増やされたころは、博士がヴェンチャー企業などを作るだろうと甘い観測があったようですが、1998年の時点ですでにこの問題は気づかれていて、結局15年近く格的な解決策がないままという悲惨な状況です… 榎木 英介 http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpaa199101/hpaa

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  • 日本のアカデミア人材育成が危ない・その1【コメント表示】 | 大隅典子の仙台通信

    「今年は空梅雨」なんて嘯いてごめんなさい……。 昨日などは、しっかり梅雨でした。 ところで、先日、元三重大学学長の「つぼやき」ブログのアクセス数がものすごいことになった、というお話でしたが、関連したデータを示しておきます。 この10年間で若手教員のポストがいかに減ったか、これをなんとかしないと日教育も研究も科学技術振興も駄目になりますよ、ということです。 資料の元はこちら。 いろいろな問題というのは、一つの原因だけで生じるものではありません。 アカデミアポストの減少減少に至った要因には以下のようなものが考えられます。 ・少子化による学生数減少に対応するため+日の研究力を増すために「大学院重点化」政策が撃ちだされた。 ・大学院重点化により、大学院生の定員を増やすために大学院生の指導ができるとみなされる「教授」ポストを増やす必要が生じた。 ・教授を増やすために、教員の定員枠の助手(当時)

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  • 史上最大の論文捏造:量か質か? | 大隅典子の仙台通信

    前言撤回、やっぱり、梅雨です……(苦笑)。 でも、ジメジメ、ジトジトしているというよりは、仙台は梅雨冷えですね。 昨日、医学系の論文捏造のニュースが載った。 元准教授の論文捏造172…例のない規模(YOMIURI ONLINE、6/30) すでに、調査が始まる段階でも報道があったが、今回は、捏造論文の著者である東邦大学医学部の元准教授が会員である日麻酔科学会が、29日に調査結果を公表したことが報道のきっかけとなっている。 それによれば、史上最多、172の論文が捏造とされる。 調査対象となった国内外の専門誌に発表した論文212のうち、「シロ」判定だったのは、共著者として関わった3だけ、ということなので、ほとんど筋金入りである。 決着のついているケースでいうと、「数よりも質」で格段に上を行っているのは、高温超伝導研究の分野においてなされたヤン・ヘンドリック・シェーンによるものだろう。

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  • 任期付ポジションについて考える | 大隅典子の仙台通信

    私の所属する東北大学大学院医学系研究科では、教員すべてが任期付ポジションだ。 これは平成14年に開始され、私も平成23年の時点(任期終了の1年前)に審査を受けた。 教授の任期は10年で再任可、准教授と講師は任期7年で1回のみ再任でその任期は5年、助教は任期6年で1回のみ再任でその任期は4年となっている。 幸い、私は次の10年も東北大で教育と研究をする権利を得ることができた。 このような制度が採用された10年少し前は、「人材を<流動>させるために任期付にする」というのが「流行」だった。 日では(多くの会社も含め)終身雇用が一般的であり、大学でも一度、助手(今なら助教)で採用された場合には、順調に成果があがっていれば講師、助教授(今なら准教授)、教授と昇進して、定年退官まで勤めあげる、というのが伝統的には理想形とみなされていた。 もちろん、A大学の助手からB大学の講師になり、C大学の助教授を

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  • パブコメ「学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想 ロードマップの改訂(案)」 | 大隅典子の仙台通信

    文科省からのパブコメ募集が締切りまで残り2週間となりましたので、こちらに記載しておきます。 科学技術・学術審議会学術分科会の下に置かれた研究環境基盤部会学術研究の大型プロジェクトに関する作業部会のまとめた「学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基構想 ロードマップの改訂 -ロードマップ2012-」に関するものです。 生命科学系の研究は、大型の加速器やら望遠鏡を作って皆でそれを利用する、というスタイルではないので、どのようにして政策誘導型ではない基礎研究を盛り上げていくのか、とても重要な課題です。 趣旨: 科学技術・学術審議会学術分科会研究環境基盤部会学術研究の大型プロジェクトに関する作業部会(主査:飯吉 厚夫(中部大学総長))では、日学術会議が策定したマスタープランを踏まえ、学術研究の大型プロジェクト推進に当たっての優先度を明らかにする観点から、学術研究の大型プロジェクトの推進に関す

    パブコメ「学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想 ロードマップの改訂(案)」 | 大隅典子の仙台通信
  • 日本で発行される英文科学雑誌の意義 | 大隅典子の仙台通信

    インドで体調を崩してから、すべての締切りが後手後手になって、ブログ更新どころではなくなっていた。 そんな間に、元学生さんの論文が1つEMBO Journalという雑誌に受理され、さらに「ハイライト記事」(Have you seen?というコーナー)に選ばれたということを、そのコメンタリーを書いてくれる方からの「おめでとう」メールで知ったのはとても嬉しかった。 苦節7年、雑誌をいろいろ変えて投稿している間に震災があったり、果てはリバイスの間にEMBO Jの担当編集者が変わったり、まったくドラマティックなプロセスだったが、ともあれ、終わり良ければ全て良し。 筆頭著者ほか関わったすべての人たちの思いが実ったのは何より。 さて、東京出張の間に『科学嫌いが日を滅ぼす』(竹内薫著、新潮選書)を読んで、日における科学技術振興と英語問題について考えた。 竹内薫氏は同世代の(というか、同い年だと初めて知

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  • 岡本先生の『種の起源』初版本【ちょこちょこ加筆】 | 大隅典子の仙台通信

    日、東京にて用務があったので参加できなかったのだが、東北大学附属図書館の百周年記念式典が開かれた。 当は4月に行うはずだったと思うのだけど、震災の影響で順延されたもの。 この式典に合わせて、ダーウィンの『種の起源』の初版(最初に刷られた1250部のうちの1冊)の贈呈式も行われた。 この稀覯書を贈呈されたのは、東北大学医学部名誉教授の岡宏先生。 贈呈式でのスピーチ用のPowerPointに載せるために、先日、広報室での撮影を行うことになり、たいへん光栄なことに立ち会うことができた。 (この画像はiPhoneにて撮影したスナップです) 糖尿病に関するご研究で日学士院賞も受賞されている岡先生は、ダンディーでお洒落であるとともに、なかなかの趣味人でいらっしゃるのだけど、古書の収集もされていらして、この『種の起源』も長いこと探していらしたらしい。 「ノーベル賞なんて、コペルニクスやガリ

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  • 研究者のアウトリーチ活動について考える(その6):可能性はたくさんある | 大隅典子の仙台通信

    シリーズでポストしている「研究者のアウトリーチ活動について考える」の第6弾として、どんな活動があるかについて考えてみたい。 なお、より広い「科学コミュニケーションの主体」は、市民であったり、初等中等教育の理科教師であったり、サイエンスライターであったり、必ずしも現役の「研究者」であるとは限らないし、そういうシームレスな連携が重要であると思う。 だが今回の議論の発端が「研究費年間3000万円以上の研究者は〈国民との対話〉(アウトリーチ活動)をせよ」というお達しだったので、じゃぁ「アウトリーチ活動って何ですか? やり方は? 意義は?」という問題について、自分が関わってきたアウトリーチ活動を中心に述べてきた。 日は、同じく、この問題の検討委員会の委員である、北大で長く科学コミュニケーションに携わってこられた杉山先生が委員会資料として用いられたものについてもご紹介したい(ご人の了承済み)。 ま

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  • 研究者のアウトリーチ活動について考える(その5):科学雑誌ってどうよ? | 大隅典子の仙台通信

    日はうちの大学院生の一人が学位審査を受け、とりあえずステップがまた一つ進んだところ。 研究者人生双六において、結構、試練が続く期間。 大学によって基準は異なるが、論文投稿、学位申請、第一次審査、論文再投稿、などなど……。 なので、抱えている大学院生が多ければ、教育(=科学人材育成)にかかる時間も多い訳で、それが教員としての務の中ではプライオリティーの高い事項となる。 さて、日の「研究者のアウトリーチ活動」の例は、科学雑誌を介して。 日の科学雑誌といえば、今なら「Newton」と、「日経サイエンス」(日語版Scientific American)が二大巨頭だろうか。 (今、ウェブサイトを見たら、紅組と青組だったのが面白い) 個人的には「Newton」よりも岩波書店の「科学」や「日経サイエンス」を読むことが多い。 かつては「科学朝日」「Quark」「科学と学習」の「〜年の科学」などが

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  • 研究者のアウトリーチ活動を考える(その4):タダで行ってばかりでいいの?(追記あり) | 大隅典子の仙台通信

    研究者のアウトリーチ活動を考える(その4):タダで行ってばかりでいいの?(追記あり) 2010年 11月 04日 研究者のアウトリーチ活動についての事例の続きを。 昨年の政権交代を受け、年6月19日付けで科学技術政策担当大臣および総合科学技術会議有識者議員の名前において「〈国民との科学・技術対話〉の推進について(基的取組方針)」が提出されたことを受け、検討会が発足し、その委員を仰せつかっている。 検討会は、「科学技術と社会との対話(研究者のアウトリーチ)」に関する問題意識を、行政・科学技術コミュニティ・市民・産業界が共有し、望ましい方向を模索し、これらの成果を政策等のあり方などに反映させることを目標としています。 私の立ち位置としては、 3,000万円以上の公的研究資金を獲得した研究者に国民との科学・技術対話(アウトリーチ活動)を義務づける なんて乱暴なことにならないように議論の行く

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  • 研究者のアウトリーチ活動を考える(その2):CREST市民公開シンポジウム | 大隅典子の仙台通信

    この3月末までお世話になった戦略的創造研究CREST「脳の機能発達と学習メカニズムの解明」の第6回公開シンポジウムが開催された。 今回で最後ということもあって、当は最初からすべて聴きたかったのだが、午前中は元学生のお父様の会葬参列に出かけてきたので、午後からの参加。 ちょうど「研究者のアウトリーチ活動」について考えたいところなので、日はこちらをご紹介。 数日前に書いた拙ブログには、歴代記録を塗り替えるアクセス数があった。 研究者のアウトリーチ活動を考える(その1):サイエンスカフェをしなきゃいけないの? ことの発端は今年6月に行われた「3,000万円以上の公的研究資金を獲得した研究者に国民との科学・技術対話(アウトリーチ活動)を義務づける」という総合科学技術会議の決定なのだが、繰り返すが、公表されている文章の中には「義務づける」とまでは書かれていない。 「国民との科学・技術対話」の推進

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  • 研究者のアウトリーチ活動を考える(その1):サイエンスカフェをしなきゃいけないの? | 大隅典子の仙台通信

    研究者のアウトリーチ活動を考える(その1):サイエンスカフェをしなきゃいけないの? 2010年 10月 27日 論文のリジェクトが一度に2つ届いていたという憂な朝だったが、9時からは東北ーリヨン・オータムスクールin 仙台の講義が入っていて、くよくよ考えている場合ではなかった(苦笑)。 多様なバックグラウンドの学生達(修士課程くらいが中心)20人弱を相手に英語での講義だったが、あっという間に75分くらい過ぎ、その後10分くらいを質疑応答にした。 いくつかジョークも盛り込み、途中での質問なども入れ、むしろ日人学生さんよりもノリが良いところもあって、まぁまぁの仕上がりだったかな。 もうちょっと洗練されたボキャブラリーが増えると良いのだけど、今回はフランス他、英語がネイティヴではない方々相手だったので、それでもまぁ大丈夫だったかも。 その後ラボに行って学生さんとディスカッションした後、東京へ

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