場面緘黙について、「かんもくネット」代表の角田圭子さんにインタビューしました。「かんもくネット」は、場面緘黙の当事者や経験者、保護者、支援者の情報交換ネットワーク団体です。また角田さんは、臨床心理士として場面緘黙の子どもたちの支援の現場にも関わっています。 イラスト:ウエタケヨーコ 1.場面緘黙とは、一般的にどのようなものですか。人によって症状に違いはあるのでしょうか。 ●場面緘黙とは、家などではごく普通に話すことができるのに、例えば幼稚園や保育園、学校のような「特定の状況」では、一ヶ月以上声を出して話すことができないことが続く状態をいいます。 ●アメリカでは、「話せない症状」に注目した診断基準が用いられています(DSM-5)。典型的には、「家ではおしゃべりで、家族とのコミュニケーションは全く問題ないのに、家族以外や学校で全く話せないことが続く」状態です。 ●子どもが自分の意思で「わざと話