女の子の部屋に行って壁に架けてあるのが動物写真のカレンダーなんかだったら害がなくていいのですが、ラッセンの絵が貼ってあったら僕は「うわ、趣味悪いな」と思わずにはおれないでしょう。決して「この子は自分とは好みが違うんだな」ではない。口では「僕とは好みが違うかなぁ」と言うかもしれないけど、実際には「趣味が悪い」と思うのであって「自分と違う」と思うのでは絶対にない。 ある作品なり何なりを良いと思うかどうかは人によって違いますが、それが人気があるかどうかということと同様に、それが優れたものであるかどうかということもまた別の話です。「優れているかどうか」という評価も人によって差があることは確かですが、それはある程度までであって、完全に相対的ではありません。つまり、駄目なものがあり、駄目なものを好む人がいる。 趣味の悪さを指摘されると「自分の価値観を押しつけるな」などと言う人がいるわけですが、そうでは