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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/ikedanobuo (34)

  • 空気読め - 池田信夫 blog

    今年の流行語大賞の候補のトップに「KY」があがっている。これは最初は「空気読め」の略だったが、最近は「空気が読めない」と他人をあざける意味で使われるという。今週の『SAPIO』で曽野綾子氏と対談したときも、戦時中の「空気」の正体が話題になった(*)。沖縄で集団自決が起こる前にも、サイパン島の「バンザイクリフ」で1万人もの民間人が投身自殺したが、これを「軍の強制」だという人はいない。沖縄でも、同じことが起こったと考えるのが自然だろう。軍が強制しなくても、人々にみずからの命を絶たせるほど強力な空気とは、何だったのだろうか。 これについては、山七平の『「空気」の研究』という有名ながある。連合艦隊の軍令部次長だった小沢治三郎が、戦艦大和の特攻出撃について「全般の空気よりして、当時も今日も特攻出撃は当然と思う」と戦後30年もたってから語っているのだ。山は、この空気とは何かを考えるのだが、「お

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    mind 2007/11/17
    「複数均衡」状態では どの解が本当に正しいか解らないが、人々がバラバラに行動は最悪なので、「正解」はどれだけ多くの人々がそれを「正しい」と解するかに依存 ――□p⊃p な、ぐるぐる。合理的期待/美人投票もKY。
  • 池田信夫 blog 食料自給率という幻想

    松岡利勝の記事のコメント欄で、料自給率をめぐって論争が続いている。特に先月、農水省が日の自給率(カロリーベース)が40%を割ったと発表したことで、民主党が「自給率100%をめざす」などと騒いでいる。 しかし、この問題についての経済学者の合意は「料自給率なんてナンセンス」である。リカード以来の国際分業の原理から考えれば、(特殊な高級農産物や生鮮野菜などを除いて)比較優位のない農産物を日で生産するのは不合理である。そもそも「料自給率」とか「料安全保障」などという言葉を使うのも日政府だけで、WTOでは相手にもされない。 料の輸入がゼロになるというのは、日がすべての国と全面戦争に突入した場合ぐらいしか考えられないが、そういう事態は、あの第2次大戦でも発生しなかった。その経験でもわかるように、戦争の際に決定的な資源は料ではなく石油である。その99.7%を輸入に頼っている日

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    mind 2007/09/02
    ――自国のみに注目する自給自足率よりも、仮想敵を含めたplayerたちとの間で各種インフラ相互依存率を深めることが、安定に繋がる地に着いた平和主義。それが周辺国へのアピールにもなる。 >>FTA
  • 日中戦争とソフトパワー - 池田信夫 blog

    今年は、日中戦争の開戦からも70周年だ。これについても多くのが書かれているが、書の視点は明確だ。第1のポイントは、副題にもあるように、日軍が日清・日露戦争において短期の殲滅戦で勝ったため、消耗戦や総力戦の体制ができていなかったという点だ。 おそらく、それを認識していたのは石原莞爾ひとりだっただろう。しかし彼にとっては来るべき対ソ戦に備える橋頭堡だった満州から、南に戦線が拡大する予想外の展開になったとき、戦局は彼にもコントロールできなくなった。しかも系統的な補給を考えなかったため、南京事件のような略奪を各地で繰り返した。ここでも、「首都南京を叩けば、蒋介石は戦意を喪失して降伏する」という殲滅戦の発想が抜けなかった。 これに対して蒋介石は、南京を脱出して首都を重慶に移し、消耗戦の構えをとるとともに、南京で日軍の行なった「大虐殺」を海外にアピールする宣伝戦を展開した。この結果、それま

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    mind 2007/08/05
    ――ソフトーパワーとは言っても、戦争に向けても平和に向けても使えるわけだな。 //出世するのが調整型のイエスマン ――彼らのもソフトパワーだけど、内輪だから普遍的じゃないと。
  • パンドラの箱が閉じるとき - 池田信夫 blog

    私はPCで作業している時間の8割ぐらいはパンドラを聞いているのだが、今日その創業者から次のようなメールが来た:Today we have some extremely disappointing news to share with you. Due to international licensing constraints, we are deeply, deeply sorry to say that we must begin proactively preventing access to Pandora's streaming service for most countries outside of the U.S. インターネット・ラジオは災難つづきだ。7月からは、著作権料を大幅に引き上げる法律が施行される予定で、これを差し止める緊急立法が提案され、それに賛同を求める署名運

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    mind 2007/05/04
    インターネット・ラジオは災難つづきだ。7月からは、著作権料を大幅に引き上げる法律が施行される予定… ――レジスタンスは地下に潜る、と。
  • Moral Sentiments And Material Interests - 池田信夫 blog

    エゴイズムを正面きって肯定し、個々人が欲望を最大化する結果が「見えざる手」によって最適の結果をもたらす、というのがアダム・スミス以来の経済学のセントラル・ドグマだ。しかしスミスには、もう一つの(ほとんど読まれない)『道徳感情論』というがある。ここで彼は、他者への「共感」がなければ社会秩序は維持できないとした。 経済学は後者の議論を無視し、利己的な動機だけで秩序(均衡)が成立することを数学的に証明しようとしたが、一般均衡理論はかえって現実的な条件では均衡は存在しえないことを証明してしまった。超合理的な「代表的個人」を想定する合理的期待仮説も、実証的に棄却される。経済学者の多くも、合理主義的な経済学に未来はないと思いながらも、学生にはそれを教えている。系統的な理論は今のところそれしかない、というのが彼らの言い訳だ。 しかし最近では、行動経済学や実験経済学の結果を理論的に説明しようという試

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    mind 2007/04/30
    ルールに違反した者は(個人的コストが高くても)処罰する強い互酬性(strong reciprocity)。…異なる文化的条件で同じ実験を行なった結果、社会生物学の主張する遺伝的決定論は誤りで、文化的な要因の影響のほうが大きい
  • デジタル家電の足を引っ張るデジタル放送 - 池田信夫 blog

    デジタル放送のコピーワンスをめぐる議論が迷走している。情報通信審議会の検討委員会では、コピーワンスの条件を緩和する話し合いが行なわれたが、「回数限定で1世代のみコピー可」とすることは合意したものの、そのコピー回数について意見がまとまらなかったという。 昨年のDVDレコーダーの国内出荷台数は、前年比18%減となった。世帯普及率はまだ40%台なので、これは市場が飽和したためとは考えられない。その最大の理由は、関係者が一致して指摘するように、コピーワンスのおかげで操作が複雑になり、普通の視聴者には扱えない機器という印象が広がったためだ。たとえば、あずまきよひこ.comで紹介されているように、番組をPCで見るためには、DVD再生ソフトやDVDドライブなどをすべて買い換えなければならない。 しかし、もう一つの関係者が気づいていない問題がある。それはVTRでも不自由しないということだ。わが家のテレ

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    mind 2007/04/21
    copy-once 番組をPCで見るには、DVD再生ソフトやDVDドライブなどをすべて買換え ――>< //今月、初横長かつ初デジタルTV(26i)を導入。とくにU局の画質は歴然。//これを92年型VTRに繋ぐと…まぁ、近視の人にはそんなに変わりないw
  • 池田信夫 blog 人類史のなかの定住革命

    人類史上最大の革命は、産業革命でも情報革命でもなく、1万年前に遊動生活から定住生活に移った「定住革命」だった。普通これは農耕による糧生産にともなうものと考えられ、「新石器革命」などとよばれているが、著者はこの通説を批判し、定置網による漁業が定住生活のきっかけだったと論じる。つまり農耕は定住の原因ではなく、結果なのである。 1万年ぐらいの間では遺伝的な変化はほとんどないので、われわれの能は遊動時代のノマド的な生活に適応していると考えられる。しかし1万年間の定住生活によって、農業・漁業に適応した文化が形成された。この遊動的能と定住的文化の葛藤が、人間社会の根底にある。 その一つが、公平の感情である。行動経済学でよく知られるように、たとえば1万円を2分割する提案をし、相手がその提案を拒否したら両方とも0円になる最後通牒ゲームでは、「合理的」な提案は相手に1円を与える(自分が9999円と

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    mind 2007/04/20
    (自分勝手な)行動は(相手の気持ちがわからない)自閉症患者と経済学部生にしか見られない…相手が「むかついて」拒否するに決まってる ――自閉症者は共感できなすぎて失敗し、経済学者は合理的に考えすぎて失敗し?
  • 弁護士免許は必要か - 池田信夫 blog

    行政書士を「街の法律家」と紹介するポスターに、日弁連が異を唱えている。「法律家というのは、法律事務についての代理権を持つ弁護士らに該当する表現」だという。彼らは六法全書は読んでも、辞書は読んだことがないらしい。『広辞苑』によれば、法律家とは「法律の専門家」のことで、弁護士だけをさすわけではない。行政書士も、法律を知らなければできないのだから、立派な法律家だ。 こういういやがらせの背景には、いわゆる「非弁活動」の規制緩和に対する日弁連の警戒感があるのだろう。しかし実際の弁護士の仕事には、企業の顧問や示談の調停などの法廷以外の業務が多いので、特に手続き的な仕事は行政書士や司法書士などにまかせ、弁護士は法廷の仕事に専念したほうが合理的だ。さらにいえば、フリードマンが"Capitalism and Freedom"で問うたように、弁護士免許って必要なんだろうか?資格認定で十分じゃないのか? 規

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    mind 2007/04/15
    ――三百代言,事件屋示談屋暴力団…が跳梁跋扈してたという伝説?に根拠付けられてはいるけど。 //専門家を見極めるリテラシを培うのは、専門家になるぐらい難しい(情報非対称性)というジレンマ。 cf. 政治家の質とか
  • ウィキペディアのガバナンス - 池田信夫 blog

    ウィキペディアの"Comfort women"をめぐる議論は、混迷が続いている。その最大の原因は、ほとんどの参加者が問題を理解しないで、孫引きの資料だけで議論しているからだ。ウィキペディアのルールによれば、問題の真偽を明らかにすることは目的ではなく、記述が最終的に「信頼できる情報源」にリンクできるかどうかが信頼性の定義なのだという。この信頼できる情報源は別途定義されていて、たとえばNYTやBBCは信頼できるが、ウィキペディアは信頼できない。 こういう形式主義は、ウィキペディアが仲間うちのメディアだったときはうまく行ったのかもしれない。編集合戦などの紛争を解決するとき、それが当かどうかを議論していると泥沼になるからだ。しかし今回のように「信頼できる情報源」が信頼できないことが事実によって証明されたら、この手続き論は崩れてしまう。NYTもBBCも、ウィキペディアの定義では信頼できるが、それ

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    mind 2007/03/31
    …「オリジナルな研究は使うな」ウィキペのローカルルールは、正しい情報を棄却する ――「唯一の目撃証人としてのジャーナリスト」はwikipeに記事を載せられないのか>< >>{反対尋問可能性(という手続的正義)の問題へ
  • 共産主義が見た夢 - 池田信夫 blog

    著者は、ソ連史の第一人者である。レーガン政権で対ソ政策の顧問をつとめた経歴からも想像されるように、書の共産主義についての評価は全面否定だ。特にロシア革命について、「レーニンは正しかったが、スターリンが悪い」とか「トロツキーが後継者になっていたら・・・」という類の議論を一蹴する。一部の陰謀家によって革命を組織し、その支配を守るために暴力の行使をためらわなかったレーニンの残虐さは、スターリンよりもはるかに上であり、ソ連の運命はレーニンの前衛党路線によって決まったのだ。 しかし共産主義がそのようにナンセンスなものだとしたら、それがかくも広い支持を受けたのはなぜだろうか。著者も認めるように、財産や所有欲を恥ずべきものとする考え方は、仏教にもキリスト教にもプラトンにも、広くみられる。ハイエク流にいうと、それは人類に遺伝的に植えつけられている部族感情のせいだろう。つまり人間は個体保存のために利己的

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    mind 2007/03/28
    利己的だと仮定して制度設計しておくほうが安全…フリードマン。コミュや慣習…も弱まるので警察力が必要…「小さな政府」にはならず司法…警察国家に ――近くの人には共感できるけど遠くの人にはできない。
  • 池田信夫 blog はてなとdigg

    先週の議論は、ブログ界ではちょっとしたイベントになったようだが、内容的にはおよそ論争とはいえない一方的なものだった。それは、もとになった記事がお粗末だったということもあるが、中立的な論争の場がないことも一因ではないか。山形氏のブログにはコメント欄がないため、当ブログのコメント欄が議論の場になり、1日100近いコメントが来て迷惑した。 アメリカでは、こういう場合にdiggで議論されるが、日ではそういうメディアは、スラッシュドットと「はてなブックマーク」ぐらいだ(他にもあるがマイナーで使えない)。スラッシュドットは取り上げる話題が限られているので、diggに匹敵するのは、はてなだが、これはコメント欄が100字以内と小さく、議論もできるようになっていない。ついているコメントも、ひとりごとみたいなものばかりだ。 私の記憶では、はてなのブックマーク・サービスが始まったのはdiggより早かったと

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    mind 2007/02/19
    中立的な論争の場がない…山形氏のブログにはコメント欄がないため、当ブログのコメント欄が議論の場になり…迷惑した ――対称性問題と、{観客/裁判員の立ち位置問題 //ブクマコメの字数が広がれば、応用も広が…
  • メディアの合理的バイアス - 池田信夫 blog

    高木さんの棒グラフの話をからかったら、意外にまじめな反論が来て驚いた。テレビが中立・公正な報道をしている(はずだ)と信じている人がまだ多いようだ。日のメディアもまだ捨てたものではないが、これは民主主義の健全な発展のためにはよくない。メディアは質的に物事を歪めて伝えるものだからである。棒グラフの話も、その一例としては意味がある。 まず認識しなければならないのは、これまで何度も書いたように、ニュース価値は絶対的な重要性ではなく限界的な珍しさで決まるという事実である。経済学の教科書の最初に出てくるように、ダイヤモンドの価格が水よりはるかに高いのは、それが水よりも重要だからではなく、限界的な価値(稀少性)が高いからだ。同じように、人が犬に噛まれる事件よりも犬が人に噛まれる事件のほうが、重要性は低いがニュース価値は高いのである。 時系列でも同じだ。普通の人が事故死する原因として圧倒的に重要な

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    mind 2007/01/31
    ニュース価値は…限界的な珍しさで決まる ――cf. 情報理論 この意味ではジャーナリズムの対極? /やはり地に着いたモノサシも関係。 //多様性 ――無作為抽出だと結局偏り。色々なモノサシを強制すべき?
  • テレビに「期待」してはいけない - 池田信夫 blog

    ところで問題の「女性国際戦犯法廷」だが、東京高裁も期待権を認める判決を出した。メディアでは、原告の要求を是認するような論調が多いが、この事件は最初からの経緯を知らないと質を見誤る。 最大の間違いは、そもそもこの企画が通ったことである。NHKには「チャイナスクール」と呼ばれる中国べったりの一派があり、その代表である池田恵理子氏(私とは関係ない)が問題の番組の企画者だった。彼女はVAWW-NET JAPANの発起人で、「戦犯法廷」の運営委員だった(この事情は、形式的には彼女の部下が番組のプロデューサーになったことで隠蔽されている)。つまり主催者が実質的なプロデューサーなのだから、もともと中立な報道などできるはずがなかったのだ。 しかし教育テレビの提案会議は、ほとんど現場にまかせきりで、編成などがチェックするのはタイトルぐらいだから、この最初のボタンの掛け違えが気づかれなかった。教育テレビ

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    mind 2007/01/31
    {編集権 vs 期待権 ;リテラシーを持たない原告 ――具体的な当事者間の(継続的)信頼関係に基づく、信義則上の権利 という話では? →事実上の共同制作/共同編集であった場合には認めても良いような…。
  • 「有罪率99%」の謎 - 池田信夫 blog

    映画「それでもボクはやってない」が昨日から公開され、話題になっている。私は見てないが、ちょうどそのストーリーを裏書するように、強姦事件で有罪判決を受けて服役した人が実は無実だったと富山県警が発表した。まるで日では、無実の人がバンバン犯罪者にされてしまうみたいだが、これは当だろうか。 こういうとき、よく引き合いに出されるのが、有罪率99%という数字である。たしかに日の裁判で無罪になる率(無罪件数/全裁判件数)は94件/837528件=0.01%(2004年)で、たとえばアメリカの27%に対して異常に低いように見える。だが、アメリカの数字は被告が罪状認否で無罪を申し立てて争った事件を分母にしており、同じ率をとると日は3.4%になる(ジョンソン『アメリカ人のみた日の検察制度』)。 これでも十分低いが、これは日では「逮捕されたらすべて有罪になる」ということではない。送検された被疑者

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    mind 2007/01/22
    日本では裁判官と検察官の間に有罪性についての(共通感覚)があるので、無罪になりそうな事件は検事が予め振るい落とし… ――そこで裁判員制度、ってわけだけど、素人ばかりでは、審議会みたく追認に加担させられる??
  • ネットvs.リアルの衝突―誰がウェブ2.0を制するか - 池田信夫 blog

    書の前半は、いま話題のWinnyに関する話だ。ほとんどは知られている話だが、1次情報に取材している点で信頼性が高い。特に著者が指摘するように、2ちゃんねるで、金子氏と目される「47」氏が個人的な意見ですけど、P2P技術が出てきたことで著作権などの 従来の概念が既に崩れはじめている時代に突入しているのだと思います。 お上の圧力で規制するというのも一つの手ですが、技術的に可能であれば 誰かがこの壁に穴あけてしまって後ろに戻れなくなるはず。 最終的には崩れるだけで、将来的には今とは別の著作権の概念が 必要になると思います。などと述べ、著作権で情報を守るビジネスモデルを崩壊させる目的で開発したと受け取れる発言をしている点は重要である。デジタル情報が自由にコピーできる時代に、それを警察力で禁止することによって辛うじて支えられているビジネスモデルは時代錯誤ではないか。かつてWWWがアンダー

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    mind 2006/12/18
    かつてWWWが…国家がそれを規制しようとしたときにはもう後戻りできなかったように、P2Pも「壁に穴」をあければ… /コメ欄: 最初からP2Pの中のひとつの領域としてmedia communicationがあった ――cf. IPとp2pは切り離せない。
  • ムーアの法則による創造的破壊 - 池田信夫 blog

    一昨日の「過剰の経済学」という記事には、予想外に多くの反響があったので、少し続きを書く。この問題は拙著のテーマなので、理論的な詳細に興味のある読者は、を読んでください。 情報処理デバイスの価格が急速に低下し続けると、それ以外のすべての生産要素の相対価格が上がる。つまり他の生産要素で行っている作業をデジタル化するコストが低下する。たとえば動画(NTSC)をデジタル伝送するには270Mbpsの帯域が必要で、当初はデジタル化は不可能だと思われていたが、圧縮技術の進歩によって現在では1Mbpsあれば伝送できるようになった。映像をデジタル伝送・蓄積・再生するコストが圧倒的に低くなったため、アナログ技術のコストが相対的に上がり、コンピュータに代替されたのである。 このように特定の目的のための固有技術をコンピュータのような汎用技術が駆逐する現象は、今に始まったことではない。かつて蒸気機関、鉄道、自

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    mind 2006/12/16
    いま情報処理に投入されている人的・物的資源の99%が過剰に… ――program組める人間の生産能力も、(組めない人に比べて)指数的に増大するとも考えられ…? 模索的発明分野に投入されることになるのかな。
  • Winny事件の社会的コスト - 池田信夫 blog

    Winny事件の一審判決が出た。私は法律の専門家ではないので、判決の当否についてのコメントは控えるが、こういう司法判断がどういう経済的な結果をもたらすかについて少し考えてみたい。 今回の事件の特徴は、P2Pソフトウェアの開発者が逮捕され、著作権(公衆送信権)侵害の幇助が有罪とされたことである。これは世界的にみても異例にきびしい。たとえばアメリカで起こったGrokster訴訟では、P2Pソフトを配布した企業の民事責任が問われただけで、刑事事件としては立件されていない。ドイツでは、P2Pソフトのユーザーが大量に刑事訴追されたが、開発者は訴えられていない。 日の警察が、さほど凶悪犯罪ともいえない著作権法違反事件に、なぜこうも熱心なのかよくわからないが、その結果、日では著作権にからむリスクがもっとも大きく、したがって萎縮効果も大きくなった。先日、話題になった検索サーバが日に置けないという

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    mind 2006/12/15
    日本の裁判所は行政の裁量を広く認め、違憲判決なんか出さないから、行政にたてついても勝てないのです。 ――最高裁判所裁判官国民審査はきちんと「政治的に(好き嫌いで)」審査しましょう。
  • 裁判と社会―司法の「常識」再考 - 池田信夫 blog

    の「国のかたち」を考える場合、重要なのは「大きな政府か小さな政府か」といった問題ではなく、明治以来の行政中心の国家システムを改め、立法や司法とのチェック・アンド・バランスを機能させることだ。この点で日と対照的なのは、英米の司法中心のシステムである。書は、この違いをアメリカ人の著者が実証的に検証したものだ。 法社会学では、日のように裁判所が行政の裁量を広く認めるのを「司法消極主義」、英米のように裁判所がしばしば行政の決定をくつがえすのを「司法積極主義」と呼ぶが、書ではこれを「裁判所による政策決定」と呼ぶ。書では通説と異なって、日の裁判所も公害事件や雇用関係訴訟では司法的な救済の道を開いたとしているが、これは行政をチェックするというよりはそれを補完する役割に近い。 この原因は、日では実質的に官僚が立法機能も果たしているため、内閣法制局で法律の整合性や違憲立法の審査が行われ

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    mind 2006/12/09
    官僚が立法機能も果たしているため、内閣法制局で法律の整合性や違憲審査が行われ…法制局長官は、「最高裁が違憲と判断したら、私は切腹」と。法律が集権的につくられるため、そのコードは… ――monolithicな法体系。
  • 池田信夫 blog:過剰の経済学

    クリス・アンダーソンのブログに、"Economics of Abundance"という記事が出ている。内容は『ロングテール』にも出ているが、要は従来の経済学が稀少な資源の効率的な配分を考える学問であるのに対して、ムーアの法則によって計算・記憶能力が事実上「自由財」になったので、こうした過剰な資源をどう利用するかを考える経済学が必要だという話だ。 これは、もとはジョージ・ギルダーが『テレコズム』でのべたことである。彼は「豊かな資源を浪費して不足するものを節約する」という経済原則にもとづいて、トランジスタを浪費する(Carver Mead)ことがマイクロコズム(コンピュータ世界)の鉄則であり、帯域が毎年倍増するという「ギルダーの法則」によって、帯域を浪費することがテレコズム(通信世界)の鉄則だと主張した。 この預言を信じて、ノーテルやルーセントは光ファイバーに巨額の投資を行い、JDSユニフ

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    mind 2006/10/29
    …情報生産においては、資本主義の法則が逆転し、個人の関心(時間コスト)を効率的に配分するテクノロジーがもっとも重要になった ――<フラット化もポモ化に含まれるのか /ウルトラモダニズム…
  • 池田信夫 blog 1段階論理の正義

    貸金業規正法の改正案がさらに手直しされ、特例措置の高金利を廃止して、消費者信用団体生命保険を借り手にかけることも禁じる方針が与党で決まった。前者については、当ブログでも何度か書いたので、ここでは後者について考えてみよう。 この保険は、債務者の生命保険でサラ金を返済させるもので、「人の命を担保にとるのは非人道的だ」という批判を浴びて、業界では自粛していた。今回の規制では、これを法律でも禁止するようだ。これは一見、債務者を自殺に追い込んで借金を取り立てるサラ金の悪逆非道な行為を防止する人道的な規制のようにみえる。 しかし問題はまず、そういうことが起こっているのかどうかということだ。金融庁の調査によれば、この保険の総受取件数のうち、自殺を原因とする受取件数は9.4%。これは死亡原因(20〜69歳)のうち自殺の占める率9.04%とほぼ同じである。つまり、この保険に入ることによって自殺が増えると

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    mind 2006/10/25
    「命を担保は許せない →保険やめさせ」といった1段階論理による規制が、日本の法律には多い。 ――法律家は法律オカシイと「立法論」と言って逃げたりw それより、政治家が有権者に説明するときに難しいでしょうね。