「オルセー美術館特別協力 生誕170周年 エミール・ガレ」展が、6月29日から8月28日まで、東京・六本木のサントリー美術館で開催される。 19世紀後半から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパ都市部を中心に沸き起こった装飾様式「アールヌーヴォー」。絵画や彫刻、建築に限らず、生活の隅々にまで良質な芸術性を求めた同様式は、幅広いジャンルの美術工芸品を発展させた。こうした中、フランス東部ロレーヌの古都ナンシーで、ガラス、陶器、家具の3分野において独自の表現世界を展開したのがエミール・ガレだ。 ガレの創造性を5つの柱から捉え直す本展では、ロレーヌ十字やナンシーの紋章アザミなどを確固たる意思をもって意匠に施したガレの祖国に根付いた美意識をはじめ、中国や日本などの異国の美術品からの影響、また、植物や昆虫のモチーフを作品に多用したガレの植物学や生物学への深い造詣、そして、シャルル・ ボードレールやヴィクトル