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ブックマーク / blog.a-utada.com (12)

  • グーグルが電話会社の仕事を奪うとき: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    グーグルがなぜこんなことをやっているんだろう」と思う さまざまな電話サービスをアメリカで始めている。 それらを通してみると、グーグルの次の戦略が見えてくる。 ●なぜケータイを家の中で持ち歩かなければならないの? アメリカグーグルは、「グーグル・ボイス」と名づけたおもしろいサービスを始めている。 グーグルが割り振った電話番号にかけると、自宅の電話だろうと会社の電話だろうと、あるいは携帯電話であろうと、登録している電話すべてが鳴り、受けることができるのだ。 かけてきた人によってどの電話を鳴らすかも決められる。イヤな相手はそのまま留守電にまわしたり、「この番号は使われていません」と受信を拒否してしまうこともできる。かけてくる人に応じた応答を録音しておくことも可能だ。グーグルは、迷惑電話をかけてくる人間のリストを作って、迷惑メールと同じようにシステム側で処理してしまうことも考えているらしい。

  • 「ネット失望の時代」がやってきた: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    「ウェブは進化し、社会の発展をうながす」というのは誤りか? 時代の歯車がまたひとつ回った、ということなのか、 楽天的なウェブ観が消えようとしている。 ●ウェブは貧乏人とヒマ人の集まり? ネットの潮流が変わってきた。 90年代のネットは、ひと言で言えば「解放区」だった。会社などでは上司がネットのことをよくわからず、若い社員が好き勝手にやれる解放区だった。 ネット・ベンチャーの隆盛もこうした流れの延長にあった。ネット・ベンチャーたちは、長髪や金髪で背広やネクタイもつけず、どこでも遠慮会釈なく入っていった。これからの時代はこういったものだと自信満々で、パソコンを駆使してプレゼンし、頭の固い人々を煙に巻き、「時代に遅れてはならない」という「大人たち」の不安感を逆手にとってビジネスを拡大していった。 こうした流れの象徴がライブドアだった。 世の中は「失われた時代」が続き景気は悪かったが、硬直した世の

    mino64
    mino64 2009/06/29
  • 近未来のニュースメディア: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    近未来のニュースメディアの雛型を見せてくれるのは、どういうサイトなのか。 新聞社には期待できず、むしろ意外な小サイトが可能性を示しているように思われる。 ●新聞社に過大な期待はできない 新聞やニュースの未来についてここ何回か書いてきて、はっきりわかってきたことがある。 それは、少なくとも日の大手新聞社を見ていても、ネット時代のニュースメディアの将来は見えてこないだろうということだ。 できるだけ長くできるだけ多くの社員にできるだけ高い給料を払うためには、1000万部とか800万部も出ている新聞は、できるだけ長く印刷版の新聞を出したほうがいい。ネットをあまりに使いやすくしてしまえば、印刷版の読者が減ってしまう。以前から言われていたことだが、共いはやはり起こる。紙の新聞が苦しくなっていくことは避けられないが、とはいえ「死」を早めるようなことをするのはメリットがない。ネット広告が十分に得られる

  • 「新聞崩壊」後のニュースメディア: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    アメリカでは、日以上に「新聞崩壊」が進んでいるが、 ネットのニュースメディアはどのようなものになるのか。 一足早く予測してみよう。 ●「すべてはいったん灰に帰する」 前回まで新聞の危機的状況についてあれこれ書いてきたが、結局のところ新聞は、これからどうなっていくのだろうか。 アメリカの新聞サイトでは、「新聞はどうなる?」とか「有料化すべきか」などの議論が飛び交っているが、ロサンジェルスタイムズは、二人のジャーナリストに意見を戦わさせている。 有料化について、「発行元はネットでも課金する必要があるし、消費者は支払うべきだ」と一人が言うのに対し、もう一人は、「『べきだ』という理屈で組み立てられたビジネスでうまく行った試しがあるのか」などと反論している。後者のジャーナリストは、新聞がなくなり、しばらくは地元のニュースが伝えられなくなる地域も出てくるだろうが、「われわれはニュースを集め共有できる

  • リンク機能が生んだニュースメディアの危機: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    ウェブのリンクは、この時代の最大の発明のひとつだが、 この機能がそもそもニュースメディアの生き残りをむずかしくしているのかもしれない。 ●ネットへの移行準備が進む新聞 我が身にやって来なくても、失業や倒産のニュースには気が重くなる。海の向こうの話であってもそうだ。 アメリカではいまや大量の記者がクビになって路頭に迷っている。 3月12日のニューヨークタイムズによれば、アメリカで数少ない全国紙USAトゥデイなどを出している全米最大の新聞発行会社ガネットは、07年と08年の2年間で全体の22パーセントにあたる8300人のクビ切りをしたという。90年代に記者がもっとも多い新聞社のひとつだったロサンジェルスタイムズも1200人の記者を半分にした。ワシントンポストは、6年前に900人以上いた記者を700人以下にした。マイアミ・ヘラルドはすでに減らしている人数からさらに19パーセント減らした。サンフラ

  • 「新聞の終焉」が見えてきた: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    印刷版の新聞がなくなり、ネット版だけになるのは時代の必然とも言えるが、 実際にそれはどう進むのか。 アメリカで、そうした移行のプロセスが見えてきた。 ●新聞と週刊誌の最終戦争? 朝日新聞と週刊新潮の戦いが緊迫している。週刊新潮が、朝日新聞阪神支局襲撃犯の犯人と称する人物の告白手記を載せたのに対し、朝日は、裏付けのない手記を載せたと批判し、訂正と謝罪を求めた。告白した人間が実行犯でないことを認めてしまい、週刊新潮は4月23日号でだまされたと謝罪したが、「だまされたですむことではない」と朝日は追及の手をゆるめていない。 朝日新聞と総合週刊誌は、ずっと奇妙な関係を続けてきた。 「朝日たたきは売れるコンテンツ」ということか、朝日批判記事がしばしば書かれ、当の朝日にもその記事を大見出しにした週刊誌広告がたびたび載った。広告の内容にやたらに介入するのは言論の自由の点からも問題で、気に入らない広告だから

  • ニュース記事を有料に戻す方法: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    「新聞の危機」を超えてもはや「ニュースの危機」だとまで言われ始めたアメリカの大新聞で、有料化実現のために「談合を認めろ」という声まで上がっている‥‥ ●未来の喪失 経済危機によって、「この半年ほどのあいだにまったく別の世界になってしまった」と思っている人は現在、世界中に数多くいるだろうが、ニューヨークタイムズの幹部もまたそう思っているにちがいない。 少なくとも昨年前半までは、アメリカの大手新聞や雑誌はネットの広告収入に自分たちの未来を託そうと、無料で読める記事を大幅に増やす方向に向かっていた。この欄でも紹介したように、ニューヨークタイムズは2007年9月に有料課金を基的にやめ、過去の記事についても1851年から1922年までと87年以降は無料でアクセスできるようにした。タイムやニューズウィーク、スポーツ・イラストレイテッド、ポピュラー・メカニクスなどの雑誌も何十年分もの記事に無料でアクセ

  • 「ネットは無料」の潮目が変わろうとしている?: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    ネットのニュース記事を有料化しようという動きがアメリカで出始めた。 新聞をめぐる状況がここまで危機的になれば、 そうした動きが出てくるのも当然か。 ●ウェブだけでほんとうにやっていける? 前回、「フリー」というを出版しようとしている米ワイアード誌編集長クリス・アンダーソンの「95パーセント無料、5パーセント有料で黒字転換がウェブ2・0企業では望ましい」という説を紹介した。ニコニコ動画の決算を見たらそんなふうな数字になっていて、何やら説得力があった。 しかし、これはあくまでも「ウェブ2・0企業」、つまりコンテンツを作らず、投稿によって成り立っている場合だろう。コンテンツを作るメディア企業の場合には、これですむのかどうか。 すんでいるのかどうかはともかく、米ウォールストリートジャーナル紙も「5パーセント有料」に近い数字になってきたようだ。同紙は、無料で読める記事を大幅に増やしたものの、いまも

  • 「何でも無料」時代のネットのビジネスモデル: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    「95パーセント無料、5パーセント有料で黒字転換する」というのが、 ウェブ2・0時代のネットでは望ましいと 「ロングテール」の著者がブログで書いている。 ●オープンソース・プロジェクトがときに独裁的な理由 「ロングテール」という言葉を流行らせた米ワイアード誌の編集長クリス・アンダーソンが今年夏前に出す新刊を前回とりあげたが、彼のブログもおもしろい。3月12日には、オープンソースとソーシャルメディアは、会社と国のような違いがあると書いている。 会社には利益追求などの目的がある。経営者の強いリーダーシップのもと、ときに独裁的に経営したほうがうまくいく。一方、国は国民の役に立つことが第一だから民主的な運営が合っている。 ブログのようなソーシャルメディアも特定の目的があるわけではない。人びとの役に立つのが目的だから民主的な運営がふさわしい。一方、オープンソースのプロジェクトといえば、リナックスやウ

  • グーグルの黒船がやってきて、日本語の壁が壊れ始めた: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    語のが言葉の壁に守られ、グローバリズムの嵐とは無縁だった時代は過ぎ去ろうとしている。 グーグルという黒船がやってきて大砲をぶっ放した‥‥ ●突然出されたグーグルの「公告」 2月24日に、グーグルが新聞に公告を出した。かなり大きなスペースだったが、文字ばかりで、気がつかなかった人もいるだろう。冒頭に「法廷通知」とあって次のように書かれている。 「米国外にお住まいの方へ:和解は米国外で出版された書籍の米国著作権の権利も包含しているため、貴殿にも影響することがあります。書籍または書籍中のその他の資料等の権利を有している場合には、適時に除外を行なわないかぎり、和解に拘束されることになります。」 日の新聞に載せておいて「米国外にお住まいの方へ」というのはいかにも空々(そらぞら)しいが、米国外で同じ文章を一律翻訳して出したのだろう。日がグローバルな世界に呑みこまれようとしていることを

  • グーグルの新たなビジネス――グーグルは「広告会社」を脱皮する?: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    グーグルは、の電子データ閲覧ビジネスに乗り出そうとしている。 こうした分野は、現在は注目度が低いが、 いずれかなりの規模の市場になるかもしれない。 ●グーグルによって生まれる新たな電子データ市場 グーグルが、アメリカで膨大な絶版データの有料閲覧サービスを始めるつもりだと前回書 いた。大図書館の蔵書をごっそり電子化し始めたグーグルに対し、米出版社協会などが著作権侵害だと訴えた訴訟の和解案で、そうしたことを明らかにしている。500万冊ほどの絶版がすでに電子化されているとのことなので、6月に開かれる最終審理を経て和解案が裁判所に認められれば、アメリカでは、グーグ ルのブック検索で続けて5ページまでは無料で表示され、それ以上は有料で閲覧できるようになる。 この取り決めの最大の問題点は、あまりにもよくできていることだ。争っている両者が譲り合い、たんに妥協点を見つけたというにとどまらず、テキスト

  • グーグルはなぜブラウザを開発したのか : 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    グーグルがまたまた驚くことをやってのけた。 ウワサはあったものの、 いかにもグーグルらしいブラウザの配布を突然始めた。 その理由は何なのか。 ●初心者が使えないブラウザ 9月初めにグーグルが配布を始めたブラウザ「Chrome(クロム)」は、アドレスバーで検索もでき、動きも速い。 「さすがグーグル」と思ったけれど、ただこのブラウザ、使ってみると、けっこう不思議だ。「インストールしてみたけれど、印刷どころか閉じることもできない。困った」とひそかに思ったネット初心者もいるのではないか。 クロムには、「ファイル」とか「編集」「表示」といったメニューバーがない。 URLが表示されているアドレスバーの横のアイコンに気づいてクリックすればメニューが現われるが、右クリックしてメニューを表示させたり、キーボード・ショートカットを使うほうが、これまでのブラウザ以上に楽だ。 「CTRLと Pを押して印刷するなん

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