【エルサレム=井上亜希子】イスラエルのアリエル・シャロン元首相が11日、テルアビブ郊外の病院で死去した。85歳だった。 首相在任中の2006年1月に脳卒中で倒れてから約8年間、昏睡(こんすい)状態だった。 対パレスチナ強硬派として知られた。01年首相に当選。パレスチナとの国境を一方的に画定する分離政策を提唱した。その一方、05年に占領地ガザからユダヤ人入植地を撤去し、イスラエル軍を撤退させた。ガザ撤退に反対する与党リクード内の勢力との対立で離党し、中道政党カディマを結成したが、総選挙で信任を得る前に倒れた。 ロシア系移民の農場主の長男として生まれ、10代で国軍の前身となった武装組織ハガナに参加。4度の中東戦争の戦功で名をはせた。1973年に政界に転身し、国防相として82年のレバノン侵攻を指揮したが、この侵攻作戦で起きた難民キャンプ虐殺事件で国防相を辞任した。 ヨルダン川西岸へのユダヤ人入植