◇検察「上級庁と協議」 正当防衛かどうかをめぐって争われた傷害事件の公判で、甲府地裁は7日、被告側の証言の信用性を認め、無罪の判断を下した。有罪率が99%を超す日本の刑事裁判では、極めて異例のことだ。検察側は「上級庁と協議する」としているが、控訴する場合には、新たな立証を迫られることになる。【中西啓介】 駐車場出入り口ドアの開閉を巡るトラブルから男性を殴り、意識不明にしたとして傷害罪に問われた甲府市中央5、土木作業員、相原幸樹被告(22)に対し、岡田紀彦裁判官は「正当防衛の疑いが残る」として無罪(求刑・懲役4年)を言い渡した。 相原被告は4月20日午後3時40分ごろ、同市中央5の路上で、近くに住む無職、黒木陽生さん(61)の顔を1回殴って転倒させ、後頭部を強打させたとして起訴されていた。黒木さんは現在も意識不明の重体。 公判で相原被告は「先に黒木さんが手を出したので、とっさに身を守