今年6月、ズズキ中興の祖である鈴木修会長が勇退した。徹底した現場主義で知られ、「ジムニー」「アルト」「ワゴンR」を世に送り出し、スズキだけでなく軽自動車市場を何度も救ってきた鈴木氏。だがいま世界では、EV化の波が押し寄せている。軽自動車業界を文字どおり牽引してきたスズキは、この潮目の変化をどう見るのか。 前編はこちら:「アルト」「ワゴンR」の生みの親・鈴木修が去ったスズキが直面する「電動化」の壁 大量に売るのは難しい価格になる 鈴木修会長の勇退は、時代の流れを反映したものだった。勇退に際して「軽自動車は芸術品」「一にも二にも電動化」と述べている。軽自動車は日本のユーザーにとって、芸術のような優れた商品で、それを守るには電動化に取り組まねばならない。鈴木修会長は、その使命を次の世代に託した。 ちなみに日産と三菱は、2021年8月27日に、軽自動車サイズの電気自動車を2022年度の初頭(202