用語「モラベックのパラドックス」について説明。機械学習モデルを含むAI(人工知能)やロボット工学において、大人が行うような高度な知性に基づく推論よりも、1歳児が行うような本能に基づく運動スキルや知覚を身に付ける方がはるかに難しい、という定説を示す。 連載目次 用語解説 モラベックのパラドックス(Moravec's paradox)とは、機械学習モデルを含むAI(人工知能)やロボット工学において、例えば「明日の販売数量を予測する」「将棋を指す」といった大人が行うような高度な知性に基づく推論よりも、例えば「おもちゃをつかむ」「興味深いものに注意を払う」といった1歳児が行うような本能に基づく運動スキルや知覚を身に付ける方がはるかに計算資源を要する(つまり難しい)、というパラドックス(逆説)のこと(図1)。例えば人間にとって、高度な大学数学を計算するよりも、近所の公園をランニングする方がはるかに簡
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