川崎市で5月に起きた殺傷事件では、通学中の児童らが狙われました。登下校時の子どもの安全について、あらためて考えた保護者も多いことでしょう。学校運営などが専門の教育研究家、妹尾昌俊さんに通学中の安全は誰が守るのか、考えを聞きました。 通学路の「指定」は学校、「安全確保」は保護者 ―こうした事件や事故のたびに、文部科学省や教育委員会が学校に安全確保を求めます。 通学路は各学校が決めるので、より安全な経路を指定する責任は学校にあります。ただ、日常的な安全確保は保護者が責任を持つ領域。教師が登下校中に付き添うようにと呼び掛けるのは、予算もかからずすぐできますが、教師の本来業務ではありません。学校にできるのは、通学中に気を付けるべき箇所を保護者と共有することくらいです。 ―通学中の安全確保は学校や教師の役割ではない? 学校での事故によるケガなどを補償する災害共済給付制度では、登下校中も「学校管理下」
PTAは前年度踏襲、上意下達の場だと思われがちだが、「もっと自由な自治の場だ」と指摘する政治学者がいます。自身も東京都内の小学校でPTA会長を務める専修大教授の岡田憲治さん(57)。仲間をつくり、その力を引き出す「生活圏の政治」であるというPTAとの向き合い方を聞きました。 会長を引き受けて「だまされた」…旧態依然としたシステム ―PTA会長を引き受けた理由を教えてください。 息子が小学校のサッカークラブの指導や送迎で仲間の親たちにお世話になっている。お互いさまで、僕も何かお返しして、親として成熟したいという気持ちで受けた。 引き受ける過程で、おかしいと思うことがたくさんあった。次期役員を選ぶ選考委員会は独立組織なのに、現役役員の意向が反映されそうになったし…。一度は断ったけど、ずっと生活者目線で民主主義を考えてきた自分にとっては、この現場は生きたデータだと腹をくくったの。 ―やってみて、
PTA改革に取り組みながら、道半ばで挫折する人も少なくありません。2007年から2年間、東京都内の小学校でPTA副会長を務めた小説家の川端裕人さん(55)も、自ら「負け組」と認める一人です。2008年刊行の著書「PTA再活用論」(中公新書ラクレ)で活動の負担や問題点を訴えた川端さんに、改革に失敗した理由や、当時からの変化とPTA問題の現在地を聞きました。 良心を放棄しないとやり過ごせないような現場 ―改革に失敗したのは、なぜなのでしょうか。 周囲を納得させられませんでした。「入退会は自由だ」と僕が言っても、役員ですら「聞いたことがない」という人ばかりで、説明しても「そんなはずはない」「そうは言っても現実は違う」と言われるような状況でした。「そんなに不満なら、転校する手もある」という提案も受けました。 委員のなり手がいなくて強引に決めざるを得ない状況を止めようにも、かつてその「被害」に遭った
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