文協力=グレアム・ハンター、写真=ムツ カワモリ バルセロナに黄金期をもたらした指揮官、ペップ・グアルディオラ。ライカールトの後を継いでベンチに座ったのは、わずか37歳の時だった。宿敵レアル・マドリーの後塵を拝し、どん底にあったチームを彼はいかなるアプローチで“史上最強”にまで引き上げたのか。選手やコーチングスタッフの証言、あるいは過去のエピソードからモダンフットボールを確立した男、ペップの素顔に迫っていく。 5-1と10-6。バルセロナはマンチェスター・ユナイテッド、アーセナルと近年に6度対戦し、それぞれのクラブをこんな合計スコアで一蹴している。ユナイテッドは勝者のメンタリティを、アーセナルは美しいサッカーを常々称えられるが、バルサはその両方を完璧な形で備えている。彼らは昨シーズンのチャンピオンズリーグ決勝でファンタジーの極みとも言えるサッカーを展開し、サッカー史の最高傑作と見なされる