現在の「AI(人工知能)」は、日本語でいうところの「知能」とか「知性」とはまだ程遠い。これは世界のAI研究者の間では「常識」であるが、日本ではいまだ「誤解」が蔓延している。 AIが人間の頭脳を上回り、スーパーインテリジュンスが誕生する。シンギュラリティと呼ばれる現象だが、確かにそうした超知性が将来実現する可能性はあるだろう。しかし、それは未来の理想形の話であり、あたかも現在において、実現に限りなく近づいているかのように錯覚している日本人が多いことに唖然とする機会が増えてきている。 「AIは万能」であるという錯覚 私は「AI×フィンテック」の専門家であり、グローバルの大手金融機関を相手に、AIを搭載したシステムを販売しているが、特に日本において顕著なAIへの誤解があらゆる混乱を生み、企業のAI開発の現場で混乱が起きる例を目にすることは少なくない。 なぜこのような事態に陥っているのだろうか。そ
![日本を覆う「AI万能感」の危ない正体(荻野 調) | マネー現代 | 講談社(1/4)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/f4e442cc07b9bd28a8a392311dd1470f203bdcbe/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Ff%2Fb%2F1200m%2Fimg_fbd3c0b21dcff9d350d2990e6b6a768864414.jpg)