幸せの定員(創作小説) ***+6*** 「キャンプは来週だけど、その間くらい自分で食事作れるよね、和くん?」 話題が変わった。佳恵は心に溜まっていたものをすべて和幸に吐き出して、すっきりしたようだ。 「食事作るなんて全然大丈夫。心配しないでいいよ。僕の方こそ、その間キャンプ生活をエンジョイするんだから。今まで秘密にしてたけど、僕が作る直火焼きのキャンプ飯、最高に美味いんだよ」 「そうよね。レトルトのカレーでも外で食べると途端に美味しくなっちゃうものね」 「馬鹿にしたなーー。直火焼きの薪は斧で薪を割るところからちゃんと準備するんだから」 「帰ってきたらお家が丸焦げだった、なんていうことだけはないようにしてね」 言いながら、ころころと笑い声をあげている。佳恵の機嫌はすっかり直ってしまったようだ。佳恵の笑顔はいつだって和幸の心をじんわりと温めてくれた。 佳恵は鼻歌を歌いながら食事の後片付けにと