1. 現大統領はどのような司法改革を望んでいるのか 10月に退任するロペスオブラドール大統領は、最高裁判所を含む全ての裁判官を国民投票で選出することを望んでいる。また、裁判官の任期を短縮し、給与に上限を設け、同じく国民投票で選出される司法懲戒機関の創設を提案している。 大統領は長い間、最高裁と対立。最高裁は大統領のアジェンダの重要な一角を阻止してきた。大統領は11日の記者会見で、司法改革は「急務」だと明言した。 憲法改正には議会の3分の2以上の賛成が必要だ。重大犯罪に対する取り締まりが甘く、機能不全に陥っているとも見なされる司法に変更を加えることを国民は広く支持しているが、大統領が提案した憲法改正への支持はずっと少ない。 今回の上下両院選で、与党連合は下院で3分の2を上回る議席を獲得。与党連合が3分の2に至らなかった上院では、交渉が必要となる。 大統領の提案に批判的な向きはこうした改憲は