JR貨物の犬飼新社長は日本経済新聞社の取材に、北海道新幹線札幌延伸によりJR北海道の経営から外れる並行在来線の函館―長万部間は「なくては経営がなりたたない」と述べた。青函トンネルにつながる貨物の大動脈としての重要性を強調した。犬飼 新氏(いぬかい・しん)1985年(昭60年)早大教卒、間組(現安藤ハザマ)入社。2003年JR貨物入社。13年北海道支社長、15年執行役員。18年取締役常務執行役員。22年6月から現職。

■ハノイ発のニュースを大歓迎するメディア ベトナム政府は、1月13日、国内を縦断する南北高速鉄道(ハノイ−ホーチミン新幹線)の建設に関して、日本政府に支援を要請したことを発表した。 この日、日本の鈴木俊一財務相がハノイを訪れ、ファム・ミン・チン首相と会談。この会談後に、ベトナム政府が発表したもので、これを現地メディアがいっせいに伝えた。 これを受けて、日本のメディアも報道。その報道ぶり、論調を見ると、どこも「大歓迎」といった様子だった。 報道に対するコメント、ツイッターなどのSNSに寄せられた声なども、歓迎ムードに満ちていた。 「やはり日本の技術が信頼された証拠」「中国のやり方はアコギだから、日本が選ばれるのは当然」「これを機に東南アジアにおける日本の存在価値を高めるいいチャンス」「ベトナムを南北に日本の新幹線が走るのを想像するとワクワクする。ぜひ、成功させてもらいたい」「日本外交の勝利」
人事は強力な「フォワードガイダンス」 今年は春に日本銀行の正副総裁人事がある。投資家にとって近年最大の関心事の一つと言っていいだろう。以下、日銀の次の総裁人事に関して、なるべく細かな専門的議論に踏み込まずに、投資家が押さえておくべきポイントをまとめてみたい。 正副総裁(副総裁は2名)を含む日銀の政策委員会の委員任期は5年だ。政策決定会合は多数決による意思決定が行われるので委員の任命は将来の金融政策の決定に長期間に亘って影響する。 中央銀行が公式な発言等を通じて将来の政策行動を半ば約束してあらかじめ予告することをフォワードガイダンスと呼ぶ。フォワードガイダンスは、中央銀行の将来の行動に対する予想を通じて経済関係者に広く影響を与えるので、中央銀行にとって重要な政策手段の一つだ。今年行われる日銀の正副総裁人事は5年先まで影響が及ぶ「人事をもって行うフォワードガイダンス」だと言える。もちろん、組織
日常語の「期待」と経済用語の「期待」 言葉によっては、そのニュアンスが文脈によって変化することがあるが、投資家にとって馴染みの深い「期待」という言葉もその一例だろう。 日常使う言葉での「期待」や「期待する」は、将来に関して話者にとってポジティブな出来事を「希望する」意味で使われることが多いように思う。 「代表チームの活躍を期待する」(スポーツファン)、「我が党の政策に期待して下さい」(選挙演説の話者)、「子供が老後の面倒を見てくれることを期待しています」(子供の親)、といった具合だ。何れにしても、「将来起きて欲しいこと」に注意が向いている。 ところが、経済学のテキストなどを見ると、期待という言葉に「起きて欲しいこと」のニュアンスが伴っていないことに戸惑いを覚えることがある。 「需要に対する生産者の期待形成」、「物価への期待の消費行動への影響」、「中央銀行の政策に対する期待が金利に影響を与え
やまざき・はじめ/1958年、北海道生まれ。東京大学経済学部卒業。現在、楽天証券経済研究所客員研究員。株式会社マイベンチマーク代表取締役。東京大学を卒業後、三菱商事に入社。野村投信、住友生命、住友信託、メリルリンチ証券、パリバ証券、山一証券、明治生命、UFJ総研など、計12回の転職を経験。コンサルタントとして資産運用分野を専門に手掛けるほか、経済解説や資産運用を中心に、メディア出演、執筆、講演会、各種委員会委員等を務めた。2024年1月1日、永眠。 山崎元のマルチスコープ 旬のニュースをマクロからミクロまで、マルチな視点で山崎元氏が解説。経済・金融は言うに及ばず、世相・社会問題・事件まで、話題のネタを取り上げます。 バックナンバー一覧 安倍晋三元首相の国葬の前後では、国葬の是非を巡る論争と旧統一教会問題の再燃で紛糾するだろう。そこでこのタイミングであらためて、アベノミクスの総括をしたい。筆
岸田政権の掲げる「新しい資本主義」では「賃上げ」も重要視されている。だが筆者は「賃上げ」という考え方自体が間違っていると主張する(写真:ブルームバーグ) この持ち回り連載の筆者の1人であるかんべえ氏(吉崎達彦・双日総研チーフエコノミスト)の「異常な日本はいつまで経っても賃上げできない」(7月30日配信)が、爆発的な読まれ方をした。読者の多くが「わが意を得たり」、と絶賛したからだろう。 【ランキング】この10年で「年収がグンと伸びた」会社 ■なぜ「賃上げ」という言葉は間違いなのか しかし、実は、彼らもかんべえ氏も180度間違っている。なぜなら「賃上げ」という考え方そのものが間違っているからだ。 賃上げ、という言葉にこだわり続ける限り、日本の賃金は上がらない。アメリカには、賃上げという概念が存在しない。だから、賃金は上がるのだ。 では「賃上げ」の何が間違いか。賃金は、政府が上げるものではもちろ
日銀が21日まで開いた金融政策決定会合で今の大規模な金融緩和策の維持を決めた一方、ヨーロッパ中央銀行は11年ぶりの利上げを決めました。 欧米との金融政策のスタンスの違いが改めて鮮明となり、一段と円安が進むという見方もある中で、日銀が目指す賃金の上昇を伴った形での物価上昇が実現できるかが今後の焦点となります。 今回の金融政策決定会合で日銀は今年度の物価の見通しをプラス2.3%に引き上げましたが、物価の上昇に賃金の上昇が追いついておらず、日銀が目指す2%の安定的な物価上昇とは言えないとして今の大規模な金融緩和策を維持することを決めました。 一方、ヨーロッパ中央銀行は日本時間の21日夜、急速に進むインフレを抑え込むため11年ぶりとなる利上げを決め、アメリカの中央銀行に当たるFRB=連邦準備制度理事会も来週の会合で先月に続いて大幅な利上げに踏み切るとみられています。 黒田総裁は21日の会見で、円安
過日(6/2),経団連のシンクタンク21世紀政策研究所より政策提言報告書「中間層復活に向けた経済財政運営の大転換」がリリースされました. 特筆すべきは,同報告書が従来型の財政危機論・財政破綻論を批判し,積極財政を提言するものとなっている点です.緊縮傾向が強いといわれることの多かった経団連で積極財政に関する研究会が開催され,積極財政を提言する報告書がリリースされたことの意味は小さくないのではないかと考えます.論争の潮目は変わりつつあります. 【目次】 第1章 エグゼクティブ・サマリー(永濱利廣) 第2章 ネットの資金需要の不足と国債 60 年償還ルール(会田卓司) 第3章 財政破綻論への反論(永濱利廣) 第4章 新しい価値観に基づく投資の活性化(青木大樹) 第5章 好循環実現のための高圧経済政策と労働市場・社会保障改革(星野卓也) 第6章 公共部門の賃上げ・雇用増、競争政策の強化(鈴木章弘)
トップ Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年5月19日 No.3544 日本の少子化対策はなぜ失敗したのか Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年5月19日 No.3544 日本の少子化対策はなぜ失敗したのか -人口問題委員会 経団連は4月12日、人口問題委員会(隅修三委員長、宮本洋一委員長、清水博委員長)をオンラインで開催した。中央大学文学部・大学院文学研究科の山田昌弘教授から、「日本の少子化対策はなぜ失敗したのか」と題し、これまでの日本の少子化対策の評価や今後必要な施策等について説明を聴いた。概要は次のとおり。 ■ 少子化は日本社会の構造にかかわる問題 2020年の出生数は84万人まで減少しており、今後出生数が右肩上がりで増えることはない。 少子化は結婚や出産だけの問題ではない。(1)少子高齢化(2)経済停滞(3)格差社会の進行(4)男女共同参画の停滞
19日の外国為替市場、円相場は一時、1ドル=128円台まで値下がりして、およそ20年ぶりの円安水準を更新しました。 19日の東京外国為替市場は、アメリカで金融引き締めが強まって長期金利が上昇し、日米の金利差が拡大するとの見方を背景に、より利回りが見込めるドルを買って円を売る動きが一段と強まりました。 円相場は一時、1ドル=128円台まで値下がりし、2002年5月以来、およそ19年11か月ぶりの円安水準を更新しました。 円相場は18日のニューヨーク市場で127円台に値下がりしたばかりで、円安ドル高が加速している形です。 市場関係者は「鈴木財務大臣が急速な円安について『現状の経済状況を考えるとデメリットをもたらす面が強い』とけん制とも受け止められる発言をしたが、その後も円売りドル買いの動きが優勢な状況が続いている。原油価格が再び上昇基調になり、原油を買うためのドル買いが強まるという見方も円安に
世界で最も大胆な金融政策の実験を進めてきた日本銀行。保有する資産は膨れ上がり、抜き差しならない状態に陥っている。 世界の大半の国にとって、上場投資信託(ETF)は多くの銘柄にまとめて投資することを可能にする単純なツールにすぎない。それが日本では、株式相場の下支えや物価の押し上げ、経済成長の加速、コーポレートガバナンス(企業統治)の改善、男女平等の推進など、さまざまな役割を託されている。 こうした幅広い目標の下、異次元緩和の導入以降10年足らずで日銀の保有残高は国内ETF市場全体の約8割を占め、国内株式市場の約7%相当にまで膨張した。株式市場を通じて経済をてこ入れしようとする日銀の取り組みは、世界のどの中央銀行よりも踏み込んでいる。 世界で最も大胆な金融政策実験により、日銀は巨大なポートフォリオで身動きがとれず、そこから抜け出せないという衝撃的な結末を迎えるかもしれない。
<順調に給料が上昇する諸外国と比べて、日本の賃金低迷はいよいよ顕著に。企業への賃上げ要求では解決不可能な根深い原因とその処方箋> 日本人の賃金が全くといってよいほど上昇していない。賃金の低下は今に始まったことではないが、豊かだった時代の惰性もあり、これまでは見て見ぬふりができた。だが諸外国との賃金格差がいよいよ顕著となり、隣国の韓国にも抜かれたことで、多くの国民が賃金の安さについて認識するようになっている。 OECD(経済協力開発機構)によると、2020年における日本の平均賃金(年収ベース:購買力平価のドル換算)は3万8515ドルと、アメリカ(6万9392ドル)の約半分、ドイツ(5万3745ドル)の7割程度。00年との比較では、各国の賃金が1.2倍から1.4倍になっているにもかかわらず、日本はほぼ横ばいの状態であり、15年には隣国の韓国にも抜かされた<参考グラフ:各国の平均賃金(年収)の推
アメリカでいま「Great Resignation(グレート・レジグネーション)」=「大量離職」と呼ばれる現象が大きな関心を集めている。みずから仕事を辞める人の数が、1か月間に450万人(去年11月)と、過去最多の水準になっているのだ。 労働者たちの間で起きるこの異変は、国の中央銀行をも悩ます事態に発展している。 (ワシントン支局記者 吉武洋輔、アメリカ総局記者 江崎大輔) 「仕事をやめた!奴隷的な生活が終わった」 「辞職願を送ります!バイ~!」 アメリカの若者の間で流行するアプリ「TikTok」に、仕事を辞めたことを共有する動画が次々に投稿されている。辞めた直後にすっきりとした表情で報告する人もいれば、職場に対する不満をぶちまける人もいる。 グレート・レジグネーション=大量離職は、社会現象になっている。 アメリカでは仕事を変えるのはごく一般的なこと。ただ、みずから辞める「自発的離職者」が
前々から気になっている話題ではあるのだが、いくつも文献を見るうちに新たな気付きがあったのでメモ代わりに書いておく。 日本のGDPは世界第三位だということはよく知られているが、それが日本の人口の多さに起因していることはあまり知られていない。4位のドイツは 8,300 万人、5位のイギリスは 6,700 万人程度しかいない。中国も豊かになったとはいえ、まだまだ貧しい地域に住む人も多く、世界第2位のGDPも14億の人口あっての順位だ。(なお、この順位は名目でも実質でも変わらない) 一般に国の豊かさは人口で割ったひとり当たりGDPを見るが、この指標を使う場合、物価変動や為替レート変動の影響を除去するため購買力平価換算するのが一般的となっている。この購買力平価換算ひとり当たりGDPで見た場合、日本の順位は大きく下がる。先進7か国の中で最下位であるだけではなく、2009年には台湾、2018年には韓国に
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