およそ8万人のシリア難民が暮らす、ヨルダン最大の難民キャンプ「ザータリ」。欧州の難民危機ばかりが取沙汰され、中東に避難した難民への関心が薄れるなか、ザータリではシリア難民が自らの手で自分たちのニュースを発信する試みが始まっている。 ヨルダン現地を訪ね、難民ジャーナリストたちが避難生活で見つけた「新しい希望」を追った。 巨大化する難民キャンプ 月刊誌「THE ROAD(ロード)」の編集長ハダ・サルハンが、待ち合わせ場所であるアンマン市内のホテルに現れた。丁寧なあいさつの後、彼女の車に乗るように言われる。ハダの隣に座ると、車は一路ザータリ難民キャンプに向かって走り出した。 せっかくなので移動中も話を聞こうとインタビューを申し込むと、ハダはゆっくりと右手を上げて、その申し出を断った。 「車に乗っている間は、めまいがひどいの。わかるでしょ?」 その様子には有無を言わせない迫力があり、黙らざるをえな