ロシア軍による無人機攻撃で亡くなった家族を悼む人々=ウクライナ東部ハリコフで2024年2月12日、AP ロシアがウクライナに侵攻して2年たつ。1年前、私たちはもう少し楽観的だった。ウクライナはいわゆる大規模な反転攻勢の準備に取りかかっていた。多額の軍事支援でウクライナを支えれば、領土奪還に一定の進展がみられるのではないか。ロシアへの経済制裁の効果も出てくるのではないか。そんな淡い期待を持っていた。 ところが、領土奪還は思ったようには進まず、罪のないウクライナ人の犠牲者は増え続けている。そして、ウクライナを支える私たち民主主義陣営のなかから、巨額の支援に疑問を呈する声が高まっている。 繰り返し指摘されてきたが、もし、ロシアがこの戦争に勝利し、ウクライナを支配するようなことがあれば、その結果が与える影響は地域的なものにはとどまらない。力ずくで領土を奪うことが許されるのであれば、法の支配の順守を