万能細胞「STAP細胞」の論文をめぐり、筆頭筆者の小保方晴子氏を当初は徹底的に持ち上げ、データに問題があると分かると徹底的にたたく---。STAP細胞騒動ではこれが主要メディアの報道姿勢だった。 「長い物には巻かれろ」「水に落ちた犬は打て」といったやり方では報道機関として何の公益性も発揮できない。どこにどんな問題があったのか。一部のメディアは自らの報道について検証している。 「丁寧に取材する」では何の対応策も講じないのと同じ まずは3月15日付の朝日新聞朝刊。科学医療部長の桑山朗人氏が「取材重ね、検証していきます」と題して取材の経緯を振り返っている。 〈 英科学誌ネイチャーは専門家による厳しい審査で知られ、掲載率は1割以下です。(中略)論文に名を連ねている研究者の過去の実績も踏まえ、この論文は信頼できると判断しました。 〉 桑山氏の主張を要約すると、論文発表段階で問題点を見抜くのは容易では