『サンデーとマガジン〜創刊と死闘の15年』(大野茂著・光文社新書)より。 (「時期を同じくして(1959年3月17日)創刊された、「週刊少年サンデー」(小学館)と「週刊少年マガジン」(講談社)のライバル関係を描いた新書の一部です。「週刊少年マガジン」の看板となった『巨人の星』の誕生秘話) 【1965年の年末に、梶原(一騎)からマガジンへ『巨人の星』第1回の原作(文字)原稿が届いた。話は、戦前の巨人軍で幻の三塁手と言われた星一徹が、うらぶれた貧乏長屋で息子の飛雄馬と暮らしているところから始まる。父のスパルタ教育で、小学生にして驚異的な野球技術を身につけた飛雄馬が大騒動を巻き起こす……第1回目から息をもつかせぬ波乱万丈の筋立てである。 その文字原稿を読んだ上司の椎橋(しいはし)久局長がこんなことを訊いてきた。 「ときに、星一徹というのは何年ごろにジャイアンツにいた選手だったかな?」 創作であり