喫煙の害について懐疑的な方は、疫学という学問そのものに懐疑的なのでしょうか? 喫煙の害は、疫学的に十分に確立されていますが、ときに、喫煙の害について懐疑的な意見をみます。そのような方は、たとえば、喫煙の害は「統計学に基づく推計」に過ぎず、「そういう風に見受けられる」程度のレベルの話だと言います。WHOの勧告なんかも、陰謀論的に解釈されているようです。なるほど、疫学という学問そのものを信頼していなければ、そういう結論になるのも理解できなくもありません。私が疑問に思うのは、喫煙の害について懐疑的な方は、喫煙の有害性以外の疫学の成果、たとえば以下にあげたようなリスク因子と疾患の関係についても、懐疑的なのでしょうか。 ・コレラ菌とコレラの関係 ・水俣湾の魚介の摂取と神経障害の関係 ・慢性ウイルス性肝炎と肝癌の関係 ・HIVと後天性免疫不全症候群(AIDS)の関係 ・アスベストと悪性中皮腫の関係 ・