2011年3月11日の東北・北関東における大震に際して 【子供たちに対する低放射線量被曝リスクについて:2011年7月12日】 (KiKK研究の分析結果の概要)今般の原発危機においても、政府の設定した規制基準を下回っているとはいえ、原発が発する低線量の放射能が子供の健康に与える影響については、さまざまなところでさまざまな議論が展開されてきた。おそらくは、いまだに確定的な結論が出ていないと思う。 そもそも、子供に対する低放射線量被曝リスクに関する科学的な知見が十分に蓄積されていない。数少ない研究の中でもっとも注目された研究は、ドイツの放射線保護庁が実施して2008年に公表されたものである。「原発近隣の子供たちの癌に関する研究」を意味するドイツ語の頭文字をとってKiKK研究と呼ばれている。 KiKK研究は、ドイツ小児癌登録制度(German Childhood Cancer Registry、