ハンドルを回して使う手動洗濯機に、香りの付いた風が出る扇風機――。 昭和30年代に日本で作られたレトロ家電の収集家、増田健一さん(49)の膨大なコレクションの一部を集めた「タイムスリップ昭和家電」が、東京・足立区内の博物館で始まった。 中には、当時、奇抜すぎて売れずじまいだった“珍品”もあり、増田さんは「失敗を恐れない当時の日本の世相も感じ取ってほしい」と話している。 増田さんは、小学生の頃、昭和の日本の風景を収めた写真集を見たことがきっかけで、昔の家電や雑貨の魅力にとりつかれた。18歳になると古物市などを巡り始め、現在のコレクションは約2000点に上る。今回はその中から厳選した約100点を展示した。 洗濯機のコーナーでは、ハンドルを回して中の水をかき混ぜて衣類を洗う林製作所「カモメホーム洗濯機」(1957年)から、自動で脱水も出来るようになったシャープの「ハイストリーム」など6種類が並び