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ブックマーク / douyaramiso.blog59.fc2.com (15)

  • みそ文 満願成就ヨーグルト

    ヨーグルトは冷蔵庫から取り出してしばらく卓上に置き常温に戻してからべるのが好みだ。ヨーグルトのメーカーや銘柄にこれといったこだわりはないが、乳脂肪はきちんと入っているもののほうを選ぶ。最近はうっかりしていると低脂肪や無脂肪を手に取る確率が増えているように感じるが、それは低脂肪無脂肪製品が増えているわけではなくてただ単に私のうっかりが増えているのだろうか。 先日スーパーのヨーグルトコーナーで突如「アロエヨーグルトがべたい」と思った。最初これにしましょうと思い手にとったヨーグルトがかごの中から「わたしは低脂肪でございますがようござんすか」と問うてくる。あらあらそうでしたか、では別の方にいたしますわ、と、そのヨーグルトは棚に戻す。そして普通脂肪のアロエ入りヨーグルトを探す。 そうしたところ四個綴りのカップタイプのヨーグルトで普通脂肪でアロエ入りのものを見つける。森永のビヒダスシリーズのようだ

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    mobanama 2013/03/16
    幸せにあふれた文章。
  • みそ文 あの夏、白杖の人と

    あらためて数えてみると、今から六年前のことになるのだな、と気づく。当時のわたしは、今のわたしと同じように、無職の旅人で、その夏、四国の香川県丸亀市にいた。友人(丸亀友人)宅に居候し、讃岐うどん三昧な毎日を過ごすという至福の日々。 丸亀で暮らす友人家族は、当時マンションを新しく購入して引っ越して間もない時期だった。わたしは丸亀に行く前日に、兵庫県芦屋市在住の友人宅に一泊させてもらう。そこで芦屋の友人(芦屋友人)親子と合流して、翌日一緒に瀬戸大橋を渡り、丸亀に向かう。 当時、芦屋友人の息子くんは、幼稚園の年長さんだった。丸亀友人の子どもたちは、上の一号ちゃんが小学校二年生、下の二号くんは保育園の年長さんで、芦屋友人の息子くんと同級生だ。 丸亀で過ごす週末は、子どもたちは子どもたちで、三人いることで、普段はできない遊びができ、わたしたち大人も、久しぶりに会って直接話して、みんなたくさん笑って過ご

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    mobanama 2011/06/17
    "白い杖を持っている人がいたら、まず、その人がすでに歩数カウント中じゃないかどうかを見定めてから、声をかけても邪魔にならなさそうじゃったら、腕をどうぞ、って声をかけるように"
  • みそ文 雪のお見送り

    ここ数日、雪の降りっぷりがかなり気で、積もりっぷりも豪雪と呼んでさしつかえなかろう、と思うほど。どれくらいかというと、駐車場の車全体が雪ですっぽりと覆われて、車型の雪だるまがいる状態。その雪に埋もれた車を救出して出勤するのに要する時間は最短で三十分。まず車の上に降り積もった雪を下ろしてから、地面に落ちた雪をスコップですくって飛ばして(どこに飛ばすかというと、車の後ろのフェンス周辺)を繰り返す。この作業をすると汗だくになる。 冬将軍様、気出し過ぎです、雪を降らせるならスキー場中心にしていただけると皆々が喜びますでございます、と交渉を重ねてきたにも関わらず、このありさまなのは、どうしたことかしら、と考えて、あ、そうか、今回の冬将軍様は「初心者マーク」なんだわ、と気づく。雪の量や積もらせ方や降らせる地域の加減が、まだ、あんまり上手にできないひよっこで、きっと今頃、先輩冬将軍様たちから、厳しい

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    mobanama 2011/02/01
    "こらこら。おばあちゃんの人生にもおばあちゃんの人生で、ご都合があるんですから"即座にこういう返しをできる人になりたい。
  • みそ文 ちぇりちゃんの単独任務

    職場で売り場の整理整頓作業をしていたところに、親子連れのお客様が「すみません。トイレ貸してください」と声をかけてくださる。上のお子さんは自分で歩いてトイレを目指し、下のお子さんはきっとまだ一才くらいで、お店の幼児用椅子付きのカートに乗った状態。カートの上には買い物かごが置いてあり、中にはいくつかのお買い上げ予定商品が入っている。 「はい。どうぞ。扉の中の、トイレマークのところです」 「はい。あの、商品は、ここに置いたままでいいですか」 「はい。もちろん。貴重品だけは、お持ちくださいね」 「はい。わかりました。行ってきます。じゃ、ちぇりちゃん(カートに乗ってる一才くらいのお客様の名前)、カゴの中のもの、見ててね」 お客様は、そう言うと素早く、トイレへと駆けてゆかれる。売り場に残された私と、カートと品物と、一才のちぇりちゃん。私とカートと品物はともかく、お子様まで置いていかれるとは、予想してい

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    mobanama 2010/11/10
    "それは、うちのお母さんはこれ買うんだなあ、とか、大切なものなのかなあ、とか、わしにどないせいっちゅうねんっ、とか、そういういろいろ思いつつ待つ、ってことなんじゃないですかね"
  • みそ文 王様の恋の思い出

    昔、漫画小説やドラマのお話の中で、たとえば男性が恋人である女性に向かって「君をしあわせにするよ」「君のことを必ずしあわせにすると誓う」などという趣旨の台詞を、細かい言い回しの差ははともかく、言葉にするのを見聞きするたびに、「わたしをしあわせにするだと? 何様のつもりじゃ。わたしはすでに常に相当しあわせじゃ。そしてわたしを今よりさらにしあわせにするのは、まずわたしじゃ。そなたにできるのは、わたしがしあわせであることを応援することと邪魔をしないことくらいじゃ。そなたはまずそなた自身がしあわせであるように努めよ。ええええいっ。ひかえおろう」と、脳内で架空の相手の胸倉をつかみ、背負い投げて床にたたきつけていたことを、なぜかふと思い出した。 そして、夫が、わたしのことを、「王様」だとか「大王様」と、ときどき呼びたくなる気持ちが、なんとなく、少しだけ、わかるような気がしてくるような気がするのは気のせ

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    mobanama 2010/10/29
    "「自分をしあわせにしてくれること」ではなくて、「ともにしあわせであるように暮らすこと」"
  • みそ文 肝油

    実家の祖母が生きていた頃。 弟はときどき、「カワイの肝油ドロップ」を買ってきて、居間の棚に置いていた。そして居間を通るたびに、思い出すたびに、肝油ドロップを口に入れて、ビタミンAを補給する、というよりは、肝油の味を楽しんでいるようであった。ある日、いつものように、肝油の缶の蓋を開けて、肝油ドロップを摂取する弟に、ばあちゃんが声をかけた。 「おう。しめじちゃん(弟の名前)も、わしの肝油をべようるんか。ええんで。気にせんと、いつでもべたらええ。」 「ばあちゃん!! 言うとくが、この肝油は、わしが自分の金で、自分用に買うてきて、ここに置いとるんじゃけえ。ばあちゃんもべてええけど、もともとわしのものなんで。」 「へっへっへ。そうかいね。まあ、そんなに気にせんと、好きなときにべんさい。」 「ばあちゃん…」 聞いているのかいないのか。聞こえているのかいないのか。言いたいことは言うけれど、聞きた

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    mobanama 2010/01/14
    "言いたいことは言うけれど、聞きたいことしか聞かないのが、きっと長生きのコツなのだな"
  • みそ文 家内制手工業

    我が家の年賀状作成は、家内制手工業だ。官製はがきとして印刷されている部分以外は、すべて手作業。パソコンもプリンターも写真も印刷屋さんも利用しない。 干支のデザインを夫が考え(デザイン画集から選ぶ)、色ごとの版木を、複数枚、彫る。まず、この段階の作業だけで数日以上を要する。彫りは、もっぱら夫の仕事だ。夫はビジュアル的なものを、まだ何もないところから形にしてゆく作業が、好きだし、上手なのだ。夫の頑張りで版木が彫りあがったら、刷りたい色を決める。色に関するセンスも夫のほうが秀でている。この色で刷ろうと決めたら、途中でその色がなくっても、また同じ色を数色の絵の具を組み合わせて再現できるのだ。その点私は、だいたい何事においても「一期一会度」が高く、「過去を振り返らずひたすらに前向き」なため、たとえ脳髄が震えるような絶妙な色合いを創り出すことができたとしても、二度とその色を再現することができない。自分

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    mobanama 2009/12/24
    "何事においても「一期一会度」が高く、「過去を振り返らずひたすらに前向き」"//ほのぼの。
  • みそ文 おくりびと

    実家の母から電話がかかる。「どうやらのお父さんとお母さん(私の夫の両親)から、お歳暮をいただいたけん、また、よろしゅう伝えておいて」という内容。夫の実家周辺では、地元で採れた農産物で作った味噌やおやきな粉や干し柿など、少しずつの詰め合わせセットを、ふるさと商品として販売しているらしい。昨冬だったか、義母が初めて、その商品を選んで、私の実家の両親に贈ってくれたときに、私の母が「ちょびっとずつなのか嬉しい。いろいろ試せるのが嬉しい」とたいそう喜んでいた話を、義母にした。だからなのか、今年も同じシリーズの今年版を、選んで贈ってくれたようだ。 それとは、別件での、母からの連絡事項は、父がお気に入りの九州の温泉宿に出かけて、いつもの焼き物の新しいバージョンを買ってきて、「みそにも、要りゃあ、送っちゃれえや」言うんじゃけど、配達時間はいつもどおり、夜8時以降でええかね、ということであった。 「ちょっ

  • みそ文 お粥の場所

    入荷した商品の補充作業中。医薬品ドリンク売り場にて、袋詰め作業をしていたら、8歳か9歳くらいだろうか、小さな女の子が近寄ってきて、私に話しかける。小さな人ではあるけれど、話し方はきちんとしていて、「すみません。このおみせには、おかゆはおいてありますか?」と、丁寧な言葉で質問してくださる。 「はい。お粥ですね。品コーナーのレトルト品の棚のところにございますので、ご案内いたしますね。」と、言いながら、小さなお客様を誘導する。途中の通路にさしかかったとき、小さなお客様は、通路から見える場所にいらっしゃる大人の女性にむかって、「おかあさん!こっちにおかゆ、あるって。おみせのひとにきいたら、やっぱり、ちゃんと、あったよ。」と、声をかける。 お母さん、と呼ばれた女性のお客様が近くにいらっしゃるのを待ってから、「お粥はこちらの棚になります。あ、上の段にも、箱入りで、お粥のシリーズがありますね。こちら

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    mobanama 2009/10/24
    "わからないことあるときには、なんでもじぶんでさがそうとせずに、おみせのひとにきけばいいんだからね。じかんかけてうろうろしなくても、おみせのひとならすぐわかるんだから。わかった?"小生意気ながきめw
  • みそ文 金と銀

    夫の趣味のひとつに「コイン収集」がある。一口にコインといっても、夫の興味の対象は、もっぱら銀貨だ。過去に流通していた、そして、現在は通過として使用できない銀貨がお気に入りらしい。流通とは無関係の、一部の記念硬貨も対象となるようだ。それらの何がどう魅力的なのか、私にはよくわからないのだが、何かぐっとくるものがあるのだろう。コイン専用のアルバムに収めた銀貨たちを、自室でにやにやと眺めるのが、夫の、ゆっくりとした時間のおたのしみ、だ。 もうずいぶん前のこと。広島の夫の実家に帰省したときに、夫が、銀貨を集めている話をして、義父に、「とうさんが前に集めたやつ見せて。」と頼む。義父は、どうだ!というかんじで、義父コレクションを出してくれる。夫は、なにやら、鑑定士みたいな手つきで、一枚一枚眺めては、うんちくをたれる。義父のコレクションには、夫の好きな銀貨だけではなく、金貨も含まれている。夫が「俺は、銀貨

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    mobanama 2009/10/18
    "「何かあったとき」というのは、私が「本を買いたくなったとき」という意味ではないのだな"そうだよw
  • みそ文 みずまんじゅう

    日曜日に日帰りで、夫が一人旅に出かけた。行き先は、立山の「みくりが池温泉」。日で一番標高が高いところにある温泉で、晴れていれば立山連峰も見渡すことができる場所らしい。 土曜の夜まで、夫は私に向かって、何度も、「一緒に行こうよ。お山の上はたのしいよ。みそきちは運転しなくていいから、ずっと助手席で寝てていいよ。」と誘ってくれるのだけれども、「私、おうちでゆっくり寝たいから。」と断る。それでも夫は、「だから、助手席で、ずっと寝てていいって言ってるじゃん。」と同行を推奨。私は「平べったいところで、お布団にくるまって寝たいの。」と具体的に希望を述べるも、「助手席を倒してフラットにして、毛布も持ち込んだらいいじゃん。」と提案される。「えーとね。振動のないところで、寝たいの。それにね、車にムアツ布団は持ち込めないでしょ。」と言ってようやく、「そうか。車にムアツ布団は持ち込めんなあ。」と納得してもらえた

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    mobanama 2009/09/15
    "私が眠っている間に、私が何も知らないうちに、夫も、世の中の人々も、私も、いろんなことをしてるらしい。"じんわりほのぼの。
  • みそ文 ともに老齢化を目指して

    仮病とお粥のおかげで、力を得た私は、大晦日の夜、誰もいない神社に一人で詣でた。無人の神社で手を合わせ、夫の実家の布団で眠る。 元旦には、私の実家へ移動して、実家の人々と過ごす。 その後、実家での滞在を、いつもよりも短めにして、友人宅に立ち寄ることにした。 実家の母は、私の説明を聞いて、ほんの少しだけ息を飲み、「人も痛くて苦しくてたいへんじゃろうけど、九州のお母さん(友人は九州の出身)はどれほど悲しまれることじゃろうか。」と、小さくつぶやいてから、「早めに行ってあげなさい。」と、友人宅へ持って行くようにと、いろんな手土産をあれこれと用意してくれる。 穏やかな波がきらめく瀬戸大橋を渡って、友人に会いに行く。 ひとしきり一緒に泣き、彼女の体の痛むところをアロマオイルでゆっくりと撫でる。 それから、友人が話してくれる当面の方向性に頷く。 そのとき聴いた内容をもとに、友人たちに送る予定のメール文面

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    mobanama 2009/08/18
    "どうしても、早期に、今回のこの世を修了しなければならなくなったとき"
  • みそ文 地震と眠り

    先日の朝方の地震で目が覚めたときに、思い出したことがある。それは、自分の身は自分で護るのだという決意。 昔、大阪で暮らしていた頃、阪神淡路大震災に遭遇した。当時住んでいた社宅は、たしか十二階建てで、私たちは六階に住んでいた。 あの日の朝、あの振動と、あの揺れで、瞬時に私は目を覚ました。それまで生きてきて体感したどの地震よりも、大きくて激しい。ただごとではない事態であることを、動物として生き物として、間違いなく察知する。 寝室にしている和室の隣の洋間から、器棚の器が壊れる音が聞こえる。天井からぶらさがる蛍光灯が、ゆらんゆらん、ゆうらゆうら、と、大きく激しく揺れる。 お布団に身を伏して、未だ眠り続ける夫に、この緊急事態を告げる。夫の体を揺すって、「地震だよ! どうやらくん、起きて。地震よ。」と声をかける。 しかし、何度揺すっても、夫は起きようとせず、「うーん」と唸って寝返りを打っては眠り続

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    mobanama 2009/08/13
    だんな、ある意味いっそすげえ。
  • みそ文 結婚腹帯

    もう、だいぶん前のことになると思う。一年よりはもっと前、ニ年か三年くらい前だろうか。今の職場の、コンドームと妊娠検査薬を置いている売り場で、若い男性のお客様に声をかけられた。 「あのっ! すいませんっ!」 「はい。なんでしょう。」 「あのっ! 彼女がっ、妊娠したって言うんですけど、ぼくは、何を買ったらいいですか?」 男性のお客様の年の頃は、二十歳になっているかどうか、少年というには幼さが少なく、青年というにはやや童顔すぎるような、でも、日々お仕事をされているのだろうな、職種は、左官さんか大工さんだろうか、といういでたち。 お客様にとって、望ましい妊娠としてのご相談なのか、望ましくない妊娠としてのご相談なのか、こういう仕事では両方ともあることなので、どちらだろうかと探りつつ、お話をうかがう。 「妊娠なさったということは、もう検査薬で確認なさったということでしょうか?」 「はいっ! ここにある

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    mobanama 2009/08/12
    "「あんたがお腹にできたとき、お父さんは大喜びで、なぜか腹帯買って来て、結婚しよう、って言ったのよ。プロポーズは腹帯ちゃうやろ、指輪やろ、って、言いたかったわ。」と笑いながら、話していらっしゃるのだろ
  • みそ文 秘密の暗号

    我が家に友人が遊びに来ると、卓の上に置いてあるサプリメント入れの篭を見て、「あんたら夫婦、ファンケルの回し者か?」と言う。 それは、まあ、濡れ衣で、回し者でもなんでもなく、単なる愛用者なのだけど、回し者を疑われるほどに、いろんな種類のサプリメントを常備しているということなのだろう。そのサプリメントのどれかが、ああ、もうそろそろなくなるな、と思うと、通信販売の注文を行う。夫と私とでは常用サプリの内容が異なるのだが、注文は二人の分を私がまとめて行っている。 先日の夜、夫が、「そろそろサプリ注文してほしいんじゃけど。」と言う。 「何と何が要りそう?」 「えーと、マルチミネラルとビタミンC、かな。」 「他は大丈夫?イチョウやDHAは?」 「それは、まだある。」 「わかった。じゃあ、念のために、メモに書いておいてくれる?」 「わかった。」 という会話の後、夫は、使い終えたカレンダーを切って置いてあ

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    mobanama 2009/05/16
    "夫と会話していると、本当にたまにだけど、ぎゅうっと首をしめたくなる"
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